原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

三人目：魔王の娘ヘルクレア

別次元の私１０

「はぁ？関わるなだって？　お前、誰に口聞いてると思ってんだ
ここにゃ銃をぶっ放すイカレたおっさんも、ましてや転校初日、誰もお前の味方なんかいねぇってことに
気づいてねぇのか？」

「それがどうした」

「ヤロォ・・・・」

ドゴッと黒田の拳がヘルクレアの腹に沈み込む

くはっ、と声を漏らしてお腹を抱える
しかし、すぐに息を整えると黒田を見る。

「どうやらこれくらいの事じゃ根をあげないらしいな」

今度は髪の毛を　ぐぐっと引っ張りあげてからの腹パンを繰り返した
二度、三度とヘルクレアのお腹に拳を浴びせた
すっかりと青アザができたのを確認すると、掴んでいた髪の毛を外側に引っ張り、体を投げ飛ばす。
投げ飛ばされた体は、外に設置されていたゴミ箱と接触し、大きな音を立ててゴミを撒き散らした。

その音を聞きつけたのか、物陰から数人の男子生徒がコチラを傍観していた。
「おいおい、あいつはまさか、一年の番張ってる黒田じゃねーのか」
「おう、確かに黒田だな、で、その番と戦ってるあの女は誰なんだよ」
「あいつはたぶん、今日転入してくることになってたっていう噂の転校生じゃねーのか？」
「それにしても美人だな・・・黒田に無茶苦茶に犯されるのがイヤになってくるな」
「ああ・・そうだな、黒田に目をつけられた女は大抵犯されてる、たぶんこいつもそのはずだ」
「そうだ、いいことを考えたぜ、黒田に犯されたあと、その場にあの女だけが残ってるはずだから
黒田がどっか行った後すぐに犯せばヤれるんじゃね？」
「おお！それだ！！よし、それじゃあこのまま事が終わるまで見守ってるとするか」


「オラァッ！！立てやコラアッ！！」
髪の毛を引っ張りあげて、倒れこんでいる私を立たせる
黒田が髪の毛を掴みあげたとき、私と目が合う

黒田は少しヒヤっとした感覚に陥る
「チッ・・・オラァッ！！！！」

右ストレートが私の顔面にヒットする

衝撃の強さで頭がのけぞるように後ろにいき、２，３歩あとずさるが
倒れず踏みとどまる。
ゆっくりと後ろに垂れ下がっている頭を前に戻すと、黒田を睨んだ。
「っ・・・！なんてタフな野郎だぜ・・・て、てめぇ本当に女かよ」
少し怯えた表情をする黒田は、あーーーっと叫ぶのと同時に
右手を振り上げて私に突進してきた。
振り上げられた右手は正確に私の顔に当たったかのように思えたが
私はその右手を掴むと、黒田の進行方向とは逆の方向に掴んだ腕を引っ張り投げた。
投げ飛ばされた黒田は校舎の壁に激突し、バッコーン！！！！と大きな音を立てて校舎に穴をあけた。
黒田はピクピクとしたあと、その場に倒れ気絶した。

「お、おい！！！見たかよ今の・・」
「なんて馬鹿力だよ・・・」
「バッカ！！それもあるけどよ、あの黒田を倒しちまったんだぜ？！しかも転校初日でよ！」
「上に報告しといたほうがよさそうだな」

物陰の気配は消えた。