逆愛-gyakuai-

槊灼大地

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逆愛Ⅱ《洸弍side》1

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大空に出会ったのは高1の秋。



綾くんと離れていても感じれるように、綾くんと同じ香水をつけていた。



でももう綾くんを忘れようと香水を捨てようと思っていた時、声をかけられた。


「すいません」


背が高くて、短髪で、ネクタイが青いから中等部の生徒だと気付いた。



「俺今日からこの学園に編入したんですけど、生徒会会計に任命されたみたいで生徒会室の場所知りたくて…」


苦笑いしながら、困っている。



「広くて迷いました…」



これだけ広い学園なのにマップを持っていない様子だった。



「俺は生徒会副会長やってる寺伝洸弍だ。教えてやるからついてこい。案内してやる」


「ありがとうございますっ!」



犬みたいな奴だなと思った。



素直で明るくて、期待出来そうだった。



「それ、大切な物なんですか?」


「…なんでそう思う?」


「捨てるのに、かなり時間かかってたみたいだから」



綾くんを忘れたいのに、忘れたくなくて同じ香水をつけていた。



捨てられない俺は弱かった。



綾くんを忘れようと思った。



「やるよ、これ」


「え…大切な物じゃないんですか?」


「大切な物だったよ。でももういらねぇんだ」



今の俺にはいらない。



必要ない。



もう綾くんを求めない。


そう決めた高1の秋。




「お前、名前は?」


「大空です。大空嵐」


「よろしくな、大空」


「はい!」




これが大空との出会いだった。








生徒会で会計の仕事を任された大空は、毎日一生懸命仕事をしていた。



分からないことを分からないままにしないし、嘘やごまかしをしない素直な奴。



飲み込みも早いし、これから期待出来ると実感した。



ある日、なぜMY学園に編入したのか大空に聞いた。



微妙な時期の編入だったから気になって。










「いじめ…やってたんですよ」







その言葉に驚いた。



いじめと聞くとさくらを思い出す。




「それで、そいつ失明させちゃって…」
「最低だなお前。見損なった」



大空の話をそれで遮り、俺はその場を去った。




それから大空に冷たくするようになった。



期待してたのに、
素直でいい奴だと思ったのに、



そんな下等な奴だったなんて、最悪だ。



いじめで自殺したさくらを救えなかった俺には、大空の存在が邪魔だとさえ思った。



生徒会の仕事量を増やしたり、殴ったりは日常茶飯事だった。



大空に冷たくなってから半年後、大空に犯された。



忘れもしない、高2の秋だった。




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