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第二章
〜音痴の歌姫〜
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馬車に乗り進み出すと,ミケラルドは語りだした。
「私はね音楽と芸術,それに甘い物に目がなくてね,それらの為に領主になったと言っても過言ではない。この城塞都市ベルドーは,取り壊すような話が出てね,私がそれをやめさせたくて領主になったんだ」
「そして取り壊す事がなくなり,領主となった私は今後ベルドーを音楽と芸術,お菓子の街として発展させていきたいと考えているんだ。その為に色々な物を集めたり開発していたりするんだが,それらの披露の場としてレストランを私は経営している」
「どうやら到着したようだな。ここが私が経営するレストランだ」
馬車から降りて,俺達はミケラルドが経営しているというレストランの中へ入る。
中には多くのテーブルと椅子が並べられていて,ショーなどを行う事が出来るような舞台もあるショーレストランのような造りだった。
「レストランでは日々舞台でショーを行い,新しい芸事や音楽,食事では新しい発想のお菓子やデザートなどを披露しているんだ」
「へぇ~面白そうな所ね」
「初めて見るのじゃ」
俺のヴァイオリンを持っているから敵対視していたが,話を聞くとかなり芸術に関しては理解と探究心があるようで,音楽を発展させ世の中に広めるのは本来こういった人間の力が必要なのかもしれないと俺は思った。
ミケラルドは演奏家ではないと思うが,領主になれるだけの力とお金を持ち合わせているし,ショーレストランなんてのも自分自ら始めてしまう辺りがプロデューサーとしてかなりの実力があるのかもしれないと俺は感じていた。
「良かったら今日,体験していってくれ」
「いいんですか?」
「ああ勿論。話の本題はこれからなんだ」
「「「やったー」」」
ミケラルドのレストランで食事をする事になった俺達。
夕方頃になると店が開店し,お客さんがぞろぞろと入ってくる。
「酒は? 酒を飲みたいのじゃ!」
「食事は? オイラは腹減ったぞ」
「私は新しいデザートを食べてみたいわ」
「はっはっは。とりあえず楽しんでくれたまえ」
少しすると食事が運ばれてくる。コース料理のように順番に徐々に料理が運ばれてくるスタイルだった。
前菜が終わる頃になると,舞台の上ではショーが始まる。
大道芸人のような芸から始まり,マジックなんかも行われていた。魔物を従えて芸をしている人などもいる。そして楽器の演奏などもあった。
聞くと,楽器はミケラルドが見つけてきたり,新たに作っているそうだ。
思っている以上にクオリティが高く楽しめるショーで,食事を楽しみながらショーを観ることが出来るこのレストランは素晴らしいの一言だった。
「どうですか! 私のレストランは! 面白いでしょ!?」
「ええ。とても面白いです」
「そうでしょそうでしょ」
「それで? 本題というのは?」
「次のショーを見れば分かります」
次に出てきたのは少女だった。年齢で言うと十四,五歳位の年齢だろうか……
綺麗とは言えない風貌に,汚れたワンピースを着て舞台に一人で登場する。
「彼女がどうかしたんですか?」
「まあ見て聞いてみて」
「――。@@#$%&@&#」
「うわ! なんじゃ急に」
「酷いぞこいつは」
彼女は歌い始めたが,あまりにも聞くに堪えな歌声を披露している。
「私は楽器も好きだが,歌というのも人間が出せる音の一つだと思っていてね。そして歌を歌いたいという彼女を若いから雇ってはみたが,見た通り全然駄目でね。真面目な正確だからウェイターとして働くことを薦めているんだが,歌を歌いたいと言ってきかん」
「それで?」
「私のレストランではお客に気に入ったショーに対して投票してもらい,その数によって給料などが変動する仕組みを作っている。そして今歌った彼女は今まで一度も投票してもらった事がない」
「三日後,このレストランの開店記念日を迎えるのだが,その時に彼女が投票一位を取らないと解雇すると伝えてある。そして彼女をカナデの力で一位にしてもらいたい。一位にもし出来たら,無条件でヴァイオリンを返そう! どうだい??」
「もし出来なかったらどうなるんですか?」
「特に罰する気はない。彼女はクビ。そしてヴァイオリンは私の物だ」
「えっ!? 無理だろそんなん」
「やめておけカナデ。不可能じゃ」
「流石に無謀すぎるわ」
「お前ら全員食べながら話すな!!」
「それでどうするんだい??」
「……分かりました。その賭け乗ってやりますよ!」
「「「えっ!?」」」
皆が驚き,食事の手を止めた。
「面白くなってきたねぇ。とりあえず今は食事とショーを楽しんで」
次々と出る食事とショーを俺は大いに楽しんだ。
「私はね音楽と芸術,それに甘い物に目がなくてね,それらの為に領主になったと言っても過言ではない。この城塞都市ベルドーは,取り壊すような話が出てね,私がそれをやめさせたくて領主になったんだ」
「そして取り壊す事がなくなり,領主となった私は今後ベルドーを音楽と芸術,お菓子の街として発展させていきたいと考えているんだ。その為に色々な物を集めたり開発していたりするんだが,それらの披露の場としてレストランを私は経営している」
「どうやら到着したようだな。ここが私が経営するレストランだ」
馬車から降りて,俺達はミケラルドが経営しているというレストランの中へ入る。
中には多くのテーブルと椅子が並べられていて,ショーなどを行う事が出来るような舞台もあるショーレストランのような造りだった。
「レストランでは日々舞台でショーを行い,新しい芸事や音楽,食事では新しい発想のお菓子やデザートなどを披露しているんだ」
「へぇ~面白そうな所ね」
「初めて見るのじゃ」
俺のヴァイオリンを持っているから敵対視していたが,話を聞くとかなり芸術に関しては理解と探究心があるようで,音楽を発展させ世の中に広めるのは本来こういった人間の力が必要なのかもしれないと俺は思った。
ミケラルドは演奏家ではないと思うが,領主になれるだけの力とお金を持ち合わせているし,ショーレストランなんてのも自分自ら始めてしまう辺りがプロデューサーとしてかなりの実力があるのかもしれないと俺は感じていた。
「良かったら今日,体験していってくれ」
「いいんですか?」
「ああ勿論。話の本題はこれからなんだ」
「「「やったー」」」
ミケラルドのレストランで食事をする事になった俺達。
夕方頃になると店が開店し,お客さんがぞろぞろと入ってくる。
「酒は? 酒を飲みたいのじゃ!」
「食事は? オイラは腹減ったぞ」
「私は新しいデザートを食べてみたいわ」
「はっはっは。とりあえず楽しんでくれたまえ」
少しすると食事が運ばれてくる。コース料理のように順番に徐々に料理が運ばれてくるスタイルだった。
前菜が終わる頃になると,舞台の上ではショーが始まる。
大道芸人のような芸から始まり,マジックなんかも行われていた。魔物を従えて芸をしている人などもいる。そして楽器の演奏などもあった。
聞くと,楽器はミケラルドが見つけてきたり,新たに作っているそうだ。
思っている以上にクオリティが高く楽しめるショーで,食事を楽しみながらショーを観ることが出来るこのレストランは素晴らしいの一言だった。
「どうですか! 私のレストランは! 面白いでしょ!?」
「ええ。とても面白いです」
「そうでしょそうでしょ」
「それで? 本題というのは?」
「次のショーを見れば分かります」
次に出てきたのは少女だった。年齢で言うと十四,五歳位の年齢だろうか……
綺麗とは言えない風貌に,汚れたワンピースを着て舞台に一人で登場する。
「彼女がどうかしたんですか?」
「まあ見て聞いてみて」
「――。@@#$%&@&#」
「うわ! なんじゃ急に」
「酷いぞこいつは」
彼女は歌い始めたが,あまりにも聞くに堪えな歌声を披露している。
「私は楽器も好きだが,歌というのも人間が出せる音の一つだと思っていてね。そして歌を歌いたいという彼女を若いから雇ってはみたが,見た通り全然駄目でね。真面目な正確だからウェイターとして働くことを薦めているんだが,歌を歌いたいと言ってきかん」
「それで?」
「私のレストランではお客に気に入ったショーに対して投票してもらい,その数によって給料などが変動する仕組みを作っている。そして今歌った彼女は今まで一度も投票してもらった事がない」
「三日後,このレストランの開店記念日を迎えるのだが,その時に彼女が投票一位を取らないと解雇すると伝えてある。そして彼女をカナデの力で一位にしてもらいたい。一位にもし出来たら,無条件でヴァイオリンを返そう! どうだい??」
「もし出来なかったらどうなるんですか?」
「特に罰する気はない。彼女はクビ。そしてヴァイオリンは私の物だ」
「えっ!? 無理だろそんなん」
「やめておけカナデ。不可能じゃ」
「流石に無謀すぎるわ」
「お前ら全員食べながら話すな!!」
「それでどうするんだい??」
「……分かりました。その賭け乗ってやりますよ!」
「「「えっ!?」」」
皆が驚き,食事の手を止めた。
「面白くなってきたねぇ。とりあえず今は食事とショーを楽しんで」
次々と出る食事とショーを俺は大いに楽しんだ。
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