天才ピアニストでヴァイオリニストの二刀流の俺が死んだと思ったら異世界に飛ばされたので,世界最高の音楽を異世界で奏でてみた結果

yuraaaaaaa

文字の大きさ
40 / 56
第二章

〜目的地。ボルダ帝国〜

しおりを挟む
 目的地であるボルダ帝国に到着する。
 「身分を証明するものを見せろ!」
 帝国内に入るための門で,警備兵に検問される。
 
 それぞれが持つ冒険者のプレートを見せる。
 
 「ふむ! 冒険者か。分かった通っていいぞ」
 何事もなくボルダ帝国内へと入る事が出来た。

 「とにかくまずは宿屋を見つけましょ」
 布を羽織って顔を隠すようにしているミーナが言う。
 俺達も全員,顔が分からないように布を羽織っている。

 街にある宿屋で部屋を取り,部屋に入ってやっとゆっくりする事が出来た。
 「やっと落ち着けるわね」
 「あ~布が面倒くさいのじゃ。何でこんな事をしないといけないのじゃ!?」

 「でも何か楽しいよね!!」
 楽しそうにロイは言う。

 「エルフの私はこの帝国内では見つかる訳にはいかないからよ」
 「それで? 俺達は今後この帝国内でどうしていくんだ?」

 「私の魔法を使えば位置を簡単に掴めると思ったのだけれど,同胞達の魔法の気配が掴めないのよ……」
 「え!? それってつまりは場所が分からないって事?

 「ええ,分からないわ」
 「なんじゃ。それじゃあ助ける事が出来ないじゃろ?」

 「こんな事になるなんて思わなかったわ。もしかしたら,エルフの魔法などを封じる道具や魔法が帝国には存在しているのかもしれない……。とにかく囚われている場所を地道に探すしかないわ」

 「とりあえず飯食いに行こうぜ! オイラ腹減ったぞ!」
 「考えても仕方ないし,外行こうか」

 俺達は宿を出て,街を散策する。人々が向かっていく場所へと流れで向かうと,屋台や露天などが並んだ道に出て,人が ひしめき合っていた。

 「オイラ食べ物の店回ってくる!」
 「ロイ! 迷子になるなよ~」
 「わかってるよぉ~」
 一瞬にしてロイの姿は見えなくなった。

 「それにしても凄い人じゃの」
 「これが普通なのか??」
 人混みを掻き分けていると――

「おォォォォォォォォォ!!!」
 人々の歓声が上がる!!

 「なんじゃ!?」
 何が起こっているのか見ると,馬に跨った甲冑を着た人達が行進をしていた。
 
 ミーナが突然飛び出して,馬で行進している彼らの方へ向かっていく。
 「ミーナ!!!」

 俺はミーナを追いかけた。ミーナは子供を抱えていた。
 隠していた布がはだけてミーナの顔が あらわになっていた。

 「エルフだーーーー! 捕らえろーーーー!」
 ミーナは剣を構えた人に大勢囲まれる。

 俺は何故か,自然に身体が動いた。
 「カナデ!? しょうがないの~」

 囲まれているミーナの前に俺とクロエは立ち,構えた。
 「ん? エルフの仲間か? 全員捕らえろ!」

 「カナデ何でわざわざ出てきた。私だけで良かったのに!」
 「ん~よく分からないけど,身体が動いた」
 「何だそれは――」

 手を後ろに回されて,手枷を付けられた。
 「ライム……ロイに助けを求めてくれるか?」

 ライムは俺の言葉を理解してくれたのか,誰にもバレないようにその場からそっと抜け出すライム。

 俺達は何処か分からない地下に続く牢屋に連れて行かれ,押し込まれた。

 「いったいな!!」
 「ここで大人しくしていろ」

 白銀の甲冑を来た数人の男達は俺達を牢屋に閉じ込めるとすぐに地上へ戻る。重い鉄の扉が閉まると昼なのか夜なのか分からない程,牢屋がある場所は暗かった。

 石畳の造りでそれ以外何もない,薄暗く,小さな鉄窓から指す地上の光だけが唯一の明かりで,簡素でただ押し込めるだけの牢屋だった。

 「面倒くさい事になったの」
 「なるほど,これで分かったわ! だから同胞の魔力を感じる事が出来なかったんだわ」

 「分かったって……何が?」
 「カナデ,余達は魔法が使えん!」
 「は? どういう事?」

 「分からないわ――手枷を着けられた瞬間から魔力が感じられなくなったのよ」
 「え~~と……つまり大ピンチって事??」
 「そういう事ね。今何かされたら,何も抵抗出来ないわ」

 「クロエもそうなのか?」
 「同じじゃな! 余も魔力がなければ力が出せん。それにしてもやっかいな物を帝国の人間は作り出したのじゃ」

 「黒竜クロエでも今剣で刺されたら,もしかして死ぬ?」
 「もしかしてなくても死ぬぞ!」

 「……ヤバいな! ロイとライムの助けを待つしかないか」
 どの位時間が経ったか分からない……地上へと続く扉が開き,地上から数人の話し声が聞こえ,人が降りてくる。俺達が入っている牢の前で止まった。

 先程の甲冑を着ていた人が数人と,デブで頭は禿げ上がった,着飾るものはキラキラと光り,顔のあちこちに出来た吹き出物と脂ぎった顔を覗かせ,下卑た笑顔を見せる人物が中心に立っていた。

 「ドルド伯爵,こちらが捕らえたエルフと仲間になります」
 「ほぇ~。エルフは悪くないな! 後で私の屋敷に連れてこい。他の奴らはいつも通り好きにしてくれ」

 「分かりました」
 そう言うと全員地上へと戻って行き,また静かな空間へと戻った。

 「おい! ミーナ……ヤバいんじゃないか??」
 「さっきのドルド伯爵って言ったかしら? エルフの匂いが微かにしたわ。もしかしたら手がかりが掴めるかもしれない」

 「でも連れて行かれたら抵抗出来ないんだろ? 何かあったら遅いんじゃないのか?」
 「それが……問題なのよ」

 ガチャガチャ……。キーー。
 再び扉が開く音がした。
 「♪~♫~♫~」

 鼻歌を歌いながら階段を降りてくる姿はなんとロイだった。
 ご機嫌に歌いながら頭にはライムを乗せて,丸い輪っかにいくつもの鍵が付いている物を指でクルクル回しながら現れた。

 俺達の牢の前に仁王立ちで立つ。

 「おお! ロイじゃないか! 早く開けて欲しいのじゃ!」

 「チッチッチ! ロイ様だろ!?」

 やけに強気過ぎないか!? まあでもはっきり言うが,現状ではロイ様と言わざるを得ない状況である事は間違いない!

 「流石ロイ様!! 救世主です!! お願いします!! 俺達を助けて下さい!!」
 「しょうがないなぁ~全く」
 ロイは牢の鍵を開けてくれ,俺達の手枷も開けてくれた。

 「魔力が戻ってきたわ」
 「これでやっと解放されたのじゃ」
 「皆オイラに感謝してくれよな!」

 「そうね。ありがとうロイ! あなたのおかげで助かったわ」
 「それで? これからどうするんだ?」

 「クロエ,この手枷にかかってる特別な魔法を解除したり出来ない?」
 「ん~どうかの~かなり複雑な魔法じゃからの。まあちょっとやってみるのじゃ」

 クロエが手枷を目を瞑って両手で持つと,手の先が光出した――
 少しすると,光が消え,目を開ける。

 「これでどうじゃ!?」
 そう言ってミーナに手枷を めてみる。

 「流石クロエね。手枷を嵌められてても,問題なく魔法が使えるようになったわ」
 「そうじゃろそうじゃろ! 余は天才じゃからな!」
 
 「じゃあ私達は,このまま捕まったフリをしていましょう」
 「えっ!? どういう――」

 「私もクロエも魔法が使えるなら問題ないから,私はドルド伯爵の屋敷に行って,同胞の居場所を探ってくるわ。カナデとクロエは何かされてもクロエが居ればどうにか出来るでしょ!?」

 「情報を掴んだら,魔法でクロエに知らせるから私を追いかけて来てほしい!」
 「なるほどの~。分かったのじゃ」

 「オイラは?? オイラはどうするんだ?」
 「ロイは外で待ってて。後でクロエとカナデと合流して私の所に一緒に向かってきて」

 「分かったぞ。じゃあオイラとライムは外で待ってるぞ」
 
 俺達に嵌められていた手枷を一度外し,クロエが魔法で魔法の効果を解除し,再び手枷を嵌め直した。

 ロイはもう一度全ての鍵を閉め直し,牢屋を後にする。
 そして,誰かが迎えに来るのを,俺達は待った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

処理中です...