人間と犬と優子と僕

yuraaaaaaa

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〜小娘と子犬〜

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 「うわぁぁぁん。かうの~! かうの~!」
 「駄目って言ってるでしょ」
 「やだやだやだやだ!」

 何だよ! うるせぇな~! 眠れないだろ?
 僕は五月蝿うるさい声に気付き,目が覚めるが,再び目を閉じ眠った。

 しばらくすると眠気が覚め,やっと僕は目覚めた。
 「ん~,何処どこだ? ここは」
 僕は辺りをキョロキョロする。何処に居るのか全く分からなかった。

 先程聞こえた人間の声とニオイがする人間が僕にご飯をくれた。
 「はい,どうぞ」

 「おおお,ご飯か! これはありがたい。丁度腹が減っていたんだ」
 僕は食事をすぐに平らげた。
 「ん~もっと食べたいなぁ~~~!!!!」

 「コロー,コロー」
 さっき五月蝿かった奴が,僕に近付いてきた。

 そいつを支点に回りながら,僕はそいつを観察した。
 「ん? こいつは誰だ? 僕の家来か? 何だ? 子分か?」

 「コローコロー」
 「優子? この子の名前はコロなの?」

 「そうだよ! コロって名前なの」
 「そうなのね。じゃあ今日からあなたは名前はコロよ。よろしくねコロ」
 ご飯をくれた人が僕の頭を撫でる。

 ん~。よく分からないがこの人は僕にご飯をくれる人だから,言うことを聞いておこう。
 そして,あいつは僕の子分にしてやろう。

 子分も僕に触れようとしてきたが,僕は華麗かれいかわした。

 躱した事で子分がバランスを崩して転んだ。
 「うわぁぁぁぁぁん!!!!!!」
 子分が泣き始めた。

 「また泣き出したのか? 泣き虫な奴だな! うるせぇーぞ!」
 「あらあら――優子が泣くと,コロも一緒に鳴くのね。仲良しね」

 僕はすぐに泣く子分が苦手だった。五月蝿いし……。
 だけど子分だから兄貴分の僕が手助けをしてやらないといけない。
 子分が泣けば僕が鳴いて,泣き声を打ち消してやらないといけない。
 子分が困っていれば僕が手を差し伸べて助けてやらないといけない。

 全く手のかかる子分を持っちまったぜ――。

 月日が数ヶ月経った頃,ご主人が俺の首に何かを付けた。
 少し窮屈だったが俺は我慢した。ご主人が俺の首に付けた場所から鎖が垂れ下がり,その鎖をご主人が持って俺を外の世界へと初めて連れて出してくれた。

 「おおおお! 凄い凄い!」
 俺は興奮した。知らない場所,知らない匂い,知らない熱さを外で感じていた。

 「ちょっとコロ! そんなに,はしゃいじゃ駄目よ!」
 ご主人様に繋がれた鎖で俺は制止せいしされた。

 「ん~~。あっちこっち行きたいが,どうも無理そうだな。ご主人には逆らえなさそうだ」
 「コロ? 初めての外で興奮してるの?」

 「ママ,私がコロのお散歩する!」
 「え~優子大丈夫?」
 「大丈夫! 大丈夫!」

 手綱たづなをご主人ではなく,子分が持つ事になった。
 俺はチャンスだと思い,振り切って走り出した。

 向かいの道から来た,ピチピチのギャルに俺は声を掛ける。
 「ねえねえ! 良かったらこの後,俺と一緒に遊ばない?」
 「近寄らないで! 野蛮で不良で,下品のオスなんて私嫌いなの」
 「ヒュ~~! 刺激的~~!」

 俺は,またすれ違うギャルに声を掛けに行く。

 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁん」
 子分が泣き出していた。

 ギャルを追いかけようとしたが,ご主人に鎖で止められてしまった。
 「うおおおおお。くそー! これ以上行けないのかよ」

 「コロ! 勝手に暴れちゃ駄目!」
 俺は渋々ご主人の言うこと聞くことにした。

 子分に俺が近づくとやっと泣き止んだ。
 また鎖を持って俺と歩きたいようだった。

 このまま駆け出したいが,あまりご主人の機嫌を損ねたらご飯がもらえないかもしれん。
 クソ~! 仕方ない。今日だけは子分で我慢してやる。

 俺は子分のスピードと歩幅に合わせて隣を歩いてやった。
 「コロ~,コロ~」
 子分は何やら楽しそうな声で満足気な声をしていた。

 家に戻るとご主人が食事と飲み物を持ってきてくれた。
 「待ってました~~!! これこれ!!」
 「どうしたの? そんなにお腹減ってたの?」

 一心不乱に俺は食べまくった。
 その日からちょくちょく外へ俺を連れ出してくれるようになっていった。


 そして俺は今,とんでもなく速いスピードで移動をしている。
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