人間と犬と優子と僕

yuraaaaaaa

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〜危機一髪〜

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 「あ~~,風が気持ちいい」

 俺は今,ご主人の二人と子分と一緒に何処かへと向かっている最中だ。
 隣では,子分が寝息を立てて寝ていた。

 俺も釣られてだんだんと眠くなり,隣で寝てしまった。
 「コロ! コロ起きなさい!」
 ご主人に起こされ俺は目が覚める。

 「ん~~,ここは何処だ??」
 自然に囲まれた場所に居るようだった。近くで水のニオイと音もする。
 何処に居るのかは全く見当もつかなかった。

 「優子,行くわよ!」
 「待ってぇ~!」
 俺も皆に付いて行く。

 「キャンプ,キャンプ,キャンプ,キャンプ」
 「転ばないように気をつけてね」
 子分が何だか楽しそうにしている。
 俺は警戒しながら足場が悪い道を一緒に進んでいく。

 「おお! 人の声も聞こえてきたな!」
 緩やかな道に差し掛かり,俺は走り出した。

 「コロー,待ってー,危ないよー!」
 皆を追い抜いて進むと ひらけた場所に到着した。

 「おおおお! なんだここは! どこだ!?」
 俺は興奮し,あっちこっち駆け巡った。

 「コロ! こっち来い」
 ご主人の声に俺は反応し,大人しくし,皆の元へと戻る。
 少し歩いていると,大きな建物の前に俺達は到着した。

 「パパー。ここが泊まる所?」
 「そうだよ,今日はここに泊まるんだ」
 木の匂いが強くする建物の中に俺達は入った。

 どうやらここが,俺達の住処のようだ。
 ご主人達と子分は,何やら準備をしているみたいだった。

 「よし! じゃあそろそろ行こうか? コロも行くよ」

 「行くぜ! 行くぜ!」
 外に出るとすぐに俺は駆けずり回った。大自然に囲まれた場所で気持ちがよかったのだ。
 ピチピチのギャルが居ればもっと最高なのにな! 俺はそう思っていた。

 ご主人達と子分が水の中へと入っているので,俺も一緒に入った。
 「おおお。冷たい! 気持ちいい」
 犬掻きをしながら俺は水の中を泳いだ。
 皆も一緒に水の中で,楽しそうに遊んでいた。

 暫く水中で遊んでいると,体が寒くなった俺は,水場から出て体を振って水気を飛ばした。
 陽の当たる場所に横になり,日光浴を少しする事にした。

 今度はポカポカして気持ちいいなぁ~。そんな 暢気のんきで優雅な時間を過ごす。

 ご主人達と子分は,まだ水の中で遊んでいるようだった。
 俺は 欠伸あくびをした。疲れて寒くなった体に,温かい陽と温かい地面が俺の眠気を誘うのだった。

 子分が水場から上がって来て,俺の所へとやって来た。
 「コロ遊ぼうよ~遊ぼうよ!」
 俺の事を引っ張るのだが,俺は微動だにしなかった。

 反応しなかった俺に飽きたのか,子分は再び水の中へと入っていく。
 細目で見ていると,先にご主人達が水場から上がってきた。

 そして俺の隣に座って一緒に日光浴をしてくれた。
 「コロ? 気持ちいいか?」
 「気持ちいいぜ」
 俺はご主人の声に反応する。

 「コロ,ちょっと優子の事を見ててくれ」
 ご主人が俺にそう言い,立ち上って何処かへ向かって行った。
 「あなた,何処に行くの?」
 「ちょっとトイレ行ってくる」

 「ピロロロ,ピロロロ」
 音が鳴った。もう一人のご主人がその音に反応しバッグから何かを持って少し離れていく。

 本当に一瞬の出来事だった……。
 あれ? 子分の気配と声と匂いが消えた。俺は立ち上がって子分を探した。
 探したけど全く見当たらない……。

 「@゙#゙!゙$゙@゙%゙@゙」
 居た!!!

 俺はすぐに走り出し,水の中へと飛び込んだ。
 奥へ,中へ,深くへ俺は入っていく。水中で子分が暴れていた。

 俺は子分の腕を口に くわえて浮上する。子分は俺の身体にしがみ付いた。
 子分を担いだまま俺は泳いで岸へと向かっていると,慌てているご主人達の声が聞こえた。

 子分を陸地まで送り届けた。
 全く手のかかる子分だぜ――。

 「うわぁぁぁぁぁぁぁん」
 子分が泣き出した。
 ご主人達は子分をしっかりと抱いていた。

 せっかく乾いた毛がまた濡れた事が,俺は凄い嫌だったが仕方がなかった。
 またブルブルと体を振って,水しぶきを撒き散らす。

 子分が泣きながら俺に抱きついてきた。
 「うわぁぁぁぁん」
 「なんだ!? なんだ!?」

 ご主人達が俺の頭を,体を執拗に撫でてくれた。
 「コロ! ありがとう!! コロが居なかったら大変な事になってたもしれなかった。本当にありがとう……」

 「コロ,本当にありがとう!」

 珍しく涙を浮かべながらご主人達が,俺に抱きついてきた。
 
 どうしたらいいか俺は分からなかった。
 だけど悪い気はしなかった。むしろ誇らしい気持ちでいっぱいだった。

 「優子今日はもうゆっくりしよ。部屋に戻るよ」
 「う,うん……」
 
 子分はご主人に抱えられながら,今日俺達が泊まる場所へと戻った。
 中に入った俺達はゆっくりとした時間を過ごす。
 俺はウトウトと眠くなり,いつの間にか寝ていた。

 ドスッ!
 お腹に何やら重い衝撃があって俺は目を覚ました。
 見ると子分の足が俺の腹の上に乗っかっていた。

 体を ひねって足をどかす。
 
 クンクンッ。
 何やらいい匂いと音が近くでしている。

 俺は匂いと音がする方へ近づくと,ご主人達が食事を作っているようだった。
 ご主人達の足元に俺は近づき,二人を観察していた。

 「コロ,どうしたの? お腹減った? ご飯はもうちょっと待っててね!」
 俺はご主人達の邪魔をしてはいけないと思い,じっとしている事にした。

 「暇だったらコロ,優子の事面倒見てやってくれ」
 「あなた,流石にそんな事言っても分からないでしょう?」

 「いや! 俺達が思っているより遥かにコロは頭良いと思うんだ」
 「私もそうだとは思うけども……流石に通じないんじゃ」

 仕方ない,子分の面倒でも見てやるか。俺は子分に寄り添い時間を潰す事にした。
 「な!? 人間の言葉というか,気持ちとかを理解しているんだと思う」
 「たまたまじゃない?」

 ………………。



 「優子~。優子起きなさい! コロもご飯出来たよ」
 「やっと俺のご飯が出来たか」
 俺はすぐに起き上がるが,子分が俺にしがみついてきた。

 重いし邪魔だが,引きずりながらご主人達の元へと連れていく。
 「ん~~眠い~~」
 「ご飯出来たから食べるよ優子」
 「ん~~分かった~~」

 「コロはこっちね」
 俺にもご飯を用意してくれた。

 「今日のは何だか豪華だな」
 「いっぱい食べてねコロ」
 「ありがとう」

 ご主人達と一緒にご飯を俺は食べた。
 なんと今日はおかわりもしてしまった。お腹がいっぱいになり,俺はまた眠くなった。
 ゆっくりしていると子分が俺に突進して来た。

 「コロー遊ぼー!」
 「俺は疲れたんだ! あっち行ってろ」

 子分には俺の声は届かない。俺が嬉しがってると思ってるのか絡んでくる。
 しょうがないから子供のじゃれ合う遊びに付き合ってやる事にした。

 しばらく遊んだら子分の方が先に飽きて疲れたみたいだった。
 これでようやくゆっくり出来るぜ! 俺は 欠伸あくびをした。

 「コロ,今日は私と一緒に寝よう?」
 子分に抱きかかえられそうになるが俺はそれを避ける。
 ん~仕方ないなぁ~。俺は子分の後に付いていき,部屋に入り寝床を共にした。

 それにしても暑いなぁ……全然寝れん。
 子分はスヤスヤと寝ていた。俺は子分から離れ地べたに横になった。

 床が冷たくて気持ちいい。ようやく落ち着いて寝ることが出来た。

 眩しい光で俺は目を覚ました。
 起き上がり辺りを見ると,子分の姿は見えなかった。
 匂いの濃い方へ向かっていくと,ご主人達と子分が食事をしているようだった。

 「おはようコロ!」
 「おはよう」

 「ほら! 絶対におはようって返したよコロ」
 「そうかぁ? たまたまだろ?」

 「コロご飯ですよ」
 「おお。これはありがたい」
 ご飯を食べ終わると,皆で外に出た。
 ここまで来た道を戻り,来る時に乗っていた乗り物で再び移動する。

 移動は暇な時間が長かったが,寝ていてば良かったので俺はずっと寝ていた。
 「着いたぞ~! コロ,優子起きろ」
 「ふぁ~あ。やっと我が城に戻ってきたか」

 俺はすぐに家の中に入りたくなって,乗り物からジャンプし駆け足でドアへと向かう。

 「コロどうした? 帰ってきて嬉しいのか?」
 「嬉しいとは違うな。落ち着くって感じだ」
 ご主人がドアを開ける。

 「「「ただいま」」」
 「ただいま」
 いつもの家,いつもの場所,いつもの匂いがするというのはやはり落ち着くものだ。
 俺はいつも座る場所に陣取り,横になった。

 気付けば俺は深い眠りに さそわれていた。次に目が覚めた時は朝になっていた。
 俺の毎日は勢いを増して過ぎていった。
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