小学6年生、同級生30人全員を殺した日本の歴史史上最凶最悪の少年殺人鬼が、異世界の12歳に乗り移り、異世界を駆ける!

yuraaaaaaa

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実力と出陣

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 (ユウタやめなよ……! 本当に行くの?)
 「当たり前だろジャン」

 夜も更けてた頃、俺は準備を整える。
 どこに向かうのか? もう寝ているであろうダンの所へだ。

 寝ている隙きを狙って、クソジジイの顔面に一発入れてやろうと考えていた。
 静まり返った屋敷の中を、足音と気配を消しながら、ダンとマルコがいる部屋へ。

 二人が寝ている部屋のノブを回し、音を立てないように忍び込む。
 (やめなって。あんな年寄りにすることじゃないよ?)
 (ジャンは黙ってろよ)

 ダンとマルコの寝息が聞こえる。
 俺が部屋に入り込んている事は、どうやら気付いていないようだ。

 息を止め、ゆっくりと拳を上げてダンの顔の中心に拳を振り落とす。
 
 バフッ!!
 ダンにではなく、寝ているベットに拳が当たる。

 たまたまか!?
 ダンは寝返りで俺の拳を避けていた。

 再びダンの顔めがけて拳を連打するが、ダンはゴロゴロと寝返りを打ち、俺の攻撃を避けた。
 起きている様子はなく、寝息を立てている。

 (なにこれ!? 寝てんの!?)
 (寝ている……のかな?)

 俺は服の襟元を両手で掴み、ダンの体を起こそうとした瞬間、何をされたか分からず背中に強い衝撃が走る。

 「グハッ!!」
 そのまま馬乗りされ、指で目潰しされそうになっていた。

 「誰かと思ったが……小僧じゃないか。寝込みを襲うとは卑怯じゃな」
 「じいちゃんどうしたの? あれ? ジャン様じゃないですか。どうしたんですかこんな夜中に……」

 「特に深い意味はないんだけどね。寝込みを襲いに来ただけだよ」
 「レベッタが言ってましたよ。ジャン様は負けたら、夜中にきっと襲ってくると」

 なんでもお見通しかよ。
 「それでどうでした?」

 「ダンに返り討ちにあったよ、たった今」
 「私達はジャン様のお眼鏡にかないましたか?」

 「ああ、勿論だ。マルコとダンがここに来てくれたことで退屈しないで済みそうだ」
 「それは良かったです!」
 ニコッとマルコは笑う。

 「じゃあ俺は部屋に戻るよ。明日からよろしくクソジジイ! 朝早くから稽古するから準備しとけよ。毎日付き合ってもらうからな」
 「やれやれ、わしは年寄りなんじゃがの~。労ってくれないもんかね」

 「知らねぇ~よ! 俺があの世に送ってやるよジジイ」

 それから俺はダンと戦いの日々を送り、マルコはアウル軍に対して剣術を教えていった。
 ジェイドやグロッセも初めはマルコの実力を疑っていたが、一度手合わせをしたら、その考えは消えて無くなった。

 リリアの時と同様に何も出来なかったからだ。
 
 ダンと戦いに明け暮れていくのだが、レベッタ先生と相対してた頃のように、何も出来ずに日々打ちのめされ、自分は結局強いのか、強くなっているのかどうか分からない感覚に襲われていた。

 ダンとの戦いは、じゃんけんをしているのにいつも後出しされて負けてしまうような感覚だった。グー出すよ、グー出すよと意気込んで、最後の最後でチョキに入れ替えたとしても、必ずグーを出されて負けてしまう。

 動きを読まれている、思考すらも読まれているかのような感覚だった。

 「ハァ、ハァ、ハァ。なあジジイ? 俺は強いのか? 弱いのか?」
 「こんなジジイに勝てないんじゃ。弱いじゃろ?」

 「クソが……」

 戦闘訓練以外の時間は、ジャンは書斎に閉じ籠もり、一人で何やら必死になって勉強をしていた。領地の仕事もあるというのに大した奴だと俺は思っていた。
 ゆっくりする時間もない忙しい日々を送っていた所、とうとうルイス殿下からの指示が届く。


 「元々ロア王国の城だったカナリーン城を攻めるみたいだよ」
 (その城を攻め落とすってのは簡単なのか?)

 「どんな城でも簡単にはいかないよ。カナリーン城は国境付近にある城だからって事で、ダル公国が改築してるという報告も入ってる」
 「だけど元々はロア王国の物だったから、周辺地図なんかもあるし場所も分かってる。それに殿下と侯爵二人の部隊と一緒なんだ。精鋭中の精鋭部隊が来るだろうからこっちがボロボロになるような負けはないと思うよ。あるとすれば攻略出来ずに撤退ってとこかな」

 (今回の戦は退屈しそうだな)
 「退屈の方がいいでしょ。お互いに被害ゼロならそっちの方が良いに決まってる」
 (俺はそうは思わないけどな!)
 「とにかく戦の準備をしないと」

 分隊長達を呼び付け、戦の準備を急がせた。
 ぴったり七日後、ルイス殿下とロベルタ、レオンが大軍を率いてダラムにやってきた。

 「ルイス殿下、ロベルタ侯爵とレオン侯爵もお待ちしておりました」
 ジャンは深々と頭を下げる。

 「ジャン男爵、今回の戦での活躍を期待しているよ」
 「ルイス殿下の期待に応えられるよう全力を尽くします」

 (すっげ! 部隊がめちゃくちゃ騎士って感じだな。というかどれだけの数の兵を連れてきたんだこいつら。一番後ろが見えねぇーぞ)

 「ジャン男爵の軍は、我々の後を付いて来てくれ」
 「わかりました」
 三人が引き連れている大軍の後ろにアウル軍は加わる。


 「あれがルイス王子と三傑の二人ですか?」
 「そうだよジェイド」

 「思っていた以上に貫禄がありますね」
 「僕も三傑の内の一人なんだけどなぁ~」
 「あ、いえ、そういう意味では……」 
 
 「主様の方がありますよ。活躍して見返してやりましょう」
 「出来ればいいけどね。正直僕らの出番ないんじゃないかな?」
 「それは困ります主様! せっかく女性部隊の活躍を見せられると思ったのに」
 「今回は殿下達の力を見る目的もあるんだ。僕らは気楽に行こう。テディ位気楽にしなよ」
 テディの方に目を向けると、よく分からない行動をしながら笑っていた。
 軍はその日の夕方にバーリ城へと到着し、そこで休息し一泊することに。

 夜になると軍議があるからとルイス殿下から呼ばれ、ルイス殿下がいる部屋へと訪れた。
 中に入るとすでにロベルタとレオンはいて、ルイス殿下とその横には護衛の騎士がいた。

 「遅かったじゃない! 早くこっち来なさい。ジャンのその仮面はなんなの? 気味が悪い」
 「これは、ハンニャ? という仮面らしいです」
 「ジャン待っていたよ。とりあえずこっちに」

 部屋の中央にはテーブルが置かれ、テーブルを中心に三人が立ってテーブルを見ていた。
 目線の先には地図が敷かれていて、皆は地図を凝視していた。

 「今回のカナリーン城攻略について話してたんだ。ジャンも加わってくれるかな? 今ここでは身分の差は関係なく、普段通りの言葉で構わない。忌憚のない意見を言ってほしい」
 「わかりました」

 「カナリーン城までの道のりを四つに分けて進もうと思っている。勿論ここにいる四人のそれぞれの軍でだ」
 「四つに分けた軍が、それぞれの道にあるダル公国の小さな拠点を潰していき、カナリーン城にて合流。その後一気に攻め落とそうと考えている」

 「なるほど……ちなみにルイス殿下達はどれだけの数の兵士を連れて来たんですか?」
 「私とロベルタ、レオンの三人はそれぞれ精鋭五千人を連れてきた」

 (すげ~大軍だな。俺達より遥かに多いじゃんか)
 (思っていた以上に数が多い。カナリーン城攻略も数の力で圧倒出来そうだね)

 「私達の軍を合わせると1万6500人ですね。これだけの数がいれば、さほど心配することなくカナリーン城を攻略出来るかと」

 「それでも絶対はないんだろジャン。特に問題はないと私も思っている。ロベルタとレオンも同じ意見だ。ジャンは何か意見あるか? 気が付いた事ならどんな小さな事でもいい」

 「ルイス、流石に心配しすぎなんじゃない?」
 今まで静かにしていたロベルタが口を開く。

 「殿下の前ですよロベルタ」
 「いやいいんだレオン。ロベルタが話やすいように話してくれて構わない」

 「確かにジャン以外は初めての戦だけど、これだけの数の精鋭を連れてきているし、私達個人の実力だって無い訳じゃない。カナリーン城の守りは最大でも三千人程度だって聞いてる。慎重になるのは悪いことじゃないけど、慎重になりすぎるのも良くないと思う」

 「今回に関しては私もロベルタの意見に賛成です殿下」
 「二人の意見は分かった。ジャンはどう思う?」
 
 「仮に浮足立って突っ走ってしまっても、これだけの数がいれば問題はないと思います。ダル公国はカナリーン城に立て籠もり、私達の攻めを守りきれるかどうか? という戦いになると思います」

 「気がかりとしては、ダル公国は防御魔法に関して、ロア王国にはない方法を確立しています。カナリーン城を改築しているとの事ですから、カナリーン城を覆い尽くせるほどの防御魔法で守ってくるような事があれば苦戦すると考えています。そうなるとこちらの兵糧が先に底を突きますから、撤退という事になるのではないと……」

 「そんな事がありえるものなのか?」

 「ダル公国は実際に、一万人規模の陣地を防御魔法で守る事が出来ます。可能性としては十分ありえるかと。そのような事が起きた場合、被害が出るとかではなく、撤退せざるを得ないかと

 「そんな魔法があるとしたら厄介だな……魔法に詳しいレオンはどう思う?」

 「理論上は不可能ではないかと。魔力を大量に貯められるモノを触媒として、防御魔法に精通した者が、高度な術式をそのモノに施したら出来なくはないかと……ただそんなモノを用意して、さらに既存にはない新たな術式を創らないと不可能かと」

 「あんた達皆、心配性ね全く……そんな防御魔法、私の炎魔法で破ってやるわよ」
 
 「ハハハ! ロベルタらしいな全く。そうだな……まだあるか分からないものに恐れても仕方ないな。とにかくまずは四つに別れたルートでそれぞれ軍を率いてカナリーン城を目指してくれ! カナリーン城で再び会おう」

 「「「はっ!」」」

 軍議はそれで終わり、各々おのおのの軍に戻り休息した。
 次の日の朝、それぞれの軍が別々のルートで進軍していき、カナリーン城を目指していくことに。
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