小学6年生、同級生30人全員を殺した日本の歴史史上最凶最悪の少年殺人鬼が、異世界の12歳に乗り移り、異世界を駆ける!

yuraaaaaaa

文字の大きさ
85 / 95
第三章

もう一人の人格

しおりを挟む
 「お前……なんか変なもんでも食ったのか?」
 「いえ違いますよシャオ。私は至って正常です」

 見た目はテディのまんまだが、喋り方と雰囲気は別人だ。
 違和感というか気持ち悪い。

 「ドクター、私について説明させて頂きます」
 「テディは二重人格なのです。私はテディのもう一つの人格です。今まで隠していて、申し訳ありませんでした」

 ジャンと俺みたいなものか?
 いや、どうだろうか?

 「皆様も知っているとは思いますが、テディの魔法は中々強力でして、子供の頃はよく暴走を起こし、周りを破壊していました。そのせいもあってテディは恐れられ、迫害され、一人で生きていきました。その時に誕生したのが私という人格なのです」

 「私はテディと一緒に生きていきました唯一の友達として。魔法の暴走が無くなれば、テディは人に受け入れられると思い、私はテディの魔法、その力の大半を封印しました……それでも受け入れられる事はありませんでしたが。テディの力はまだ全力ではありません」

 「テディが全力を出したい場合、私の許可が必要なのです。テディは許可を求めて来ました。『仲間の為に戦いたいから全力を出したいと!』そして私は許可しました」

 「私は感謝していますドクター。そして仲間達。受け入れてくれた事を! ドクターが困っている現状を破壊してあげましょう」

 見た目がテディだからか、スラスラ意味のある発言をする事に違和感しかない。
 いつものテディじゃない事だけは、はっきりと分かる。

 テディはやっぱり面白い! アウル軍のお笑い担当なだけはある!

 「一つ聞いてみてもいいかな? テディはどこで魔法を覚えたんだ?」
 「……私にも分かりません。私という人格が生まれた時には、すでに魔法が使えていましたので」

 「本当に信用して良いんだな?」
 「勿論です! お任せ下さい!」

 「分かった。部下を、隊長を、テディを信用しよう! ならやる事は決まった全員外へ出ろ!」
 陣営のあちこちに火が灯され、全軍を集めた中央には大きなキャンプファイヤーが周りを照らす。

 「皆グラスを持ったか?」
 「「「「おおおおおおお!!」」」

 「明日は死闘になる。だから英気を養え! 明日に備えろ! 暴れるだけ暴れろ! 明日の食べる食い物はない! 目の前にあるのが全てだ! テンダールから奪うぞ! カンパーイ!」

 「「「カンパーイ!!」」」
 宴が始まった。
 ジャンは、残り少ない食料と酒を全て使い切った。

 (ジャンいいのかよ! 後戻り一切出来ないぜ!?)
 「もうこれでいい。生きて戻れるかもしれない。そんな逃げ道が残るから覚悟が出来ないんだ。父上が死んでユウタと戦った最初の戦い。あの時の気持ちだよ今は」

 (クックック! まあいい! 明日やらなきゃ俺達は終わる! 最高じゃねえか!)
 「頼んだよユウタ……」
 (任せろ!)

 「こんな事をしても良いんですか?」
 「テディか……その姿でそんな喋り方だと違和感が凄いんだよ」

 「申し訳ありませんドクター。ドクターも少しは楽しんだらどうですか? ずっと顔が張り詰めていますよ?」
 「自分の力が足りない、不甲斐なさを反省しているんだよ……」

 「何を反省する事が? ドクターはしっかり責任を果たしていますよ」
 「ハハハ。テディにそんな事を言われるとは思わなかったな!」

 「おーい! ヘンテコテディ! こっち来いよ! 呑むぞー!」
 「私はこれで。ドクター、テディを頼みましたよ」

 宴は夜更けまで続いた。

 そして今、今度こそ引き返せない戦いが、ぶっ殺さないといけない一日が始まった。

 「さてと、なんだか相手も随分待ち構えているな!」
 「あれだけ昨日騒いだんです。今日攻撃するぞって言っている様なものですからね」

 「分かってるよなテディ。お前を信用して全て任せたんだ! しくじるなよ!」
 「ドクター達こそ、巻き込まれてもテディのせいにしないで下さいよ?」

 馬から降りたテディは、一人前に進んでいく。
 両手を地面につけた。

 いつもゴーレムを生み出す時にテディがやる仕草だ。
 しかし、今日はいつもと違った。

 手の平だけではなく、全身が魔力で光り出し、土が、地面が動き始めて砂がテディを包み込んだ。
 それがどんどん大きくなっていき、一体のゴーレムが出現した。

 「ドクター! 私の一撃で開戦しますよ?」
 喋った。

 「それじゃあ始めましょう!」
 テディの声がするゴーレムが両手を動かす。

 ゴゴゴゴゴゴゴッ!
 人間二人分の高さはある直径の玉が、何十個と地面から出現した。

 手の平を上に向けると、巨大な玉が浮かんでいく。
 手遊びで作る鉄砲を両手で作り、要塞に向けるテディ。

 そして一言――。
 「オジョーーーーー!!」

 とんでもない速さで玉は要塞に飛んでいき、要塞にぶつかり弾け飛んだ。

 「まだまだいきます」
 同じように次々と玉を生み出し、要塞に向けて放った。

 それだけの攻撃を放ったのにもかかわらず、要塞には少しのダメージしか与えられていない。

 「へぇ~。やりますね」
 次に生み出したのは真っ黒の玉。土というより鉄の塊に見える。
 その玉を再び要塞に飛ばすと、今度はしっかり壁にダメージを与えた。

 徐にテディが、要塞に向かって走り出す。
 ある一定の距離に入った途端、テディに向かってあらゆる攻撃が向けられた。

 ドドドドドドドドドッ!
 ドッカーンキーン!

 大砲に機関銃。さらには魔法。
 炎、水、氷、雷、風。一点集中でテディが狙われた。

 どうなっているのかよく見えない。
 「大丈夫か?」

 攻撃が止み、攻撃を全て受けたテディの姿が見えた。
 先の戦いでは、簡単に崩れてしまった攻撃だったが、なんと傷一つ付いていなかった。

 「悪いけど、それじゃあ私には効きませんよ!!」
 テディが手を地面に付けると、自分を中心に砂嵐が巻き起こり始めた。
 少しずつその規模は大きくなり、砂嵐でテディと要塞が見えない程に。

 俺達が入り込める余地は、一切なかった。
 それよりも砂嵐が酷すぎて、何が起こっているのが分からない。

 時間と共に砂嵐の勢いが弱まってくると、俺達軍勢の前に石橋が何本も現れた。
 「こいつを辿っていけって事かテディ」

 「おもしれぇー! 行くぞ!」
 俺達はそれぞれ石橋を渡る。

 石橋を渡っている最中に視界が開けていく。
 薄っすらとテディの影や要塞が見えてくると、爆発音が鳴り始めた。
 俺達ではなく、テディを狙い撃ちする音だ。

 どうやら俺達の存在にはまだ、気付いていないようだった。
 そしてとうとう、要塞の屋上に到達する。

 ここまで来れば、存分に暴れる事が出来る。
 「敵襲ー! 敵襲ー!」
 やっと俺らに気付いたみたいだ。

 「さあ、殺し合いをしようぜ!」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

酔っぱらったせいで、勇者パーティーを洗脳してしまった

透けてるブランディシュカ
ファンタジー
悪友のせいで酔ったら。(※重複投稿しています)仲仁へび

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...