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第二章
〜休日とチームワーク〜
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俺達のチームメンバーで遊びに行くのはいいが,一つ大事な事を思い出した。俺は学校の制服と前の世界の学校の世界の制服しか持っていないことに気付いた。
後は部活で使っていたバスケットパンツと上のTシャツくらいしか持っていない。普段は学校と敷地内しかいなからいつも制服の軍服でいいから,私服なんて概念をすっかり忘れていた。
俺は寮に戻り,透に相談した。
「なあ透,私服持ってる??」
「え? 急になんで?」
「明日チームの皆で遊びに行くことになったんだけど,俺私服持ってなくてさ。だから良かったら透貸してくれないかと……」
「そういう事? 別にいいよ! 貸してあげるよ」
「本当に? 良かったよありがとう透!」
前の世界とあまり変わらない透の私服なら,俺にも似合うはずだと思っている。
「ここにあるから好きなの着て行っていいよ!」
そう言われクローゼットの中に入っている透の服を選んだ。
次の日になり,学校の校門の前に行く。
俺は昨日透に私服を相談した事,そして透に私服を借りた事をとんでもなく後悔した。
「え? お前なんだその格好!! 超面白いんだけど」
そう言いながら真っ先に笑ったのは雷斗だった。
「雄二くん……どうしたの??」
言葉に詰まりながらも恭子が笑う。そして彩乃も恵も笑っている。
透から借りた私服がとんでもなくダサかったのだ。
元の世界では清潔感のある好青年のファッションだった透が,信じられない程ダサい私服だったので,それでも最高にかっこいいだろ? と自慢気に言っていた透の手前ダサいと言えなかったが,今日の朝改めて見たらとにかくダサい……
恥ずかしくて死にたくなったが,これしかないので着てきた。
皆の私服は俺からしたら全員かっこいいし素敵だった。
「雄二くんのおかげで変な緊張感が無くなったから今日は楽しみましょう!」
「そういえば,全然わからないんだけど,遊びに行くってどこに行くんだ!?」
俺はこの街の生まれではあるけど,この街に皆で遊びに行くような場所なんてなかったような気がする。
「遊びに行くっていうと,一ヶ所しかないわ!」
「どこ?」
「「「「比国モール」」」」
「そんな皆でハモらなくても」
俺には初めて聞いた場所だった。と言っても俺はこの世界の街に来て街をちゃんと散策したことはない。違った場所があっても何も不思議な事はないか。
「じゃあその比国モールって所に行こう!」
「じゃあ皆でいくわよ!」
そういうと学校の前にバスが一台到着した。このバスは比国モールまで行くバスのようだ。
学校の校門の前に乗り場があることにびっくりした。
バスに乗り込み俺達は比国モールとやらへと向かう。
雷斗はバスに乗り込むとアイマスクをして寝ている……
女性陣は何やら話で盛り上がっている。
恭子はまだしも,恵が普通に会話して笑っている事に驚いた。
そんな印象もなかったし,普段はほとんど喋らないから皆で出かけるなんて苦手なんだと思っていた。
こっちの世界に来てから,学校の外へと行ったことがなかった俺にとっては,自分が生まれた街を巡っているだけなのに新鮮に感じる。
しばらくするとショッピングモールが見えてきた。ここが比国モールなんだろう。
バスが到着したようだ。
「じゃあ皆降りるわよ!」
「ほら!! 雷斗起きろよ着いたぞ」
雷斗を起こし,バスを降りた。
俺の居た世界にはなかったショッピングモールがあった。
「じゃあ最初はとりあえず男子は私達のショッピングに付き合って」
と言った恭子を先頭に俺と雷斗は彼女らのショッピングに付き合う羽目になった。
女性の買い物を付き合うという事がこんなにも大変だという事を俺は初めて知った。
「この中で,どれが一番似合うと思う??」
「ん~~これかな??」
「そう? ん~」
服を選んで,意見を聞いてくる。俺は皆が似合っていると思う服を選ぶ。
なのに不機嫌そうな顔をされる。何故だ!!!
雷斗は適当に流している。恭子ならまだしも彩乃や恵までも聞いてくるのだから不思議で仕方ない。
世界は違えど,性格もセンスも感性も育ちも違くても女性はショッピングというものが好きな生き物らしい……
俺と雷斗は体良く荷物持ちとして使われているだけなんじゃないだろうか。
そう思えてきた……
雷斗は基本的に面倒くさがり屋なので,超面倒くさそうにしている。
彼女達の買い物にやっと一段落がついた。
「それじゃあ次は雄二くんと雷斗くんの買い物に付き合うわよ!」
「え!? いや! 俺達はいいよ! なあ雄二?」
「うん! 買い物はいいよ」
「雄二くんその私服じゃやばいわよ! 私達が選んであげるわよ」
「とにかく選んであげる!」
そういって恭子に連れて行かれる。
俺と雷斗は拉致されるが如く,連行され男性用の服屋へと入っていく。
マネキンに服を着せるが如く,色々な服を着せられた。
俺の選択の余地はないらしい。雷斗も同じようにされている。
まあ私服はほしいと思っていたから丁度いいんだが。
「雄二くんはこういうのが似合うと思うんだよね~」
「私はこういうのが良いと思います」
「私は……これがいいと思います」
しかし,三人が持ってくる服が全然違う系統でどれを選んでいいか分からない。
恭子は俺の世界で言う所のロックな感じというか,メタルというか……
彩乃は彩乃で古風というか,和柄というか。
恵はピンクのヘビ柄とか持ってくる。
本当に似合うと思って彼女らは持ってきているのだろうか?
「雄二はこういうのがいいだろ?」
と言って,雷斗が俺に似合う服を持ってきてくれた。
意外や意外に雷斗はセンスがあるらしい。
「確かに雷斗くんが持ってきたのが,一番似合いそうね」
鉄騎に関しても確かにセンスでやっているような感じがある雷斗。
何やらせてもセンスで乗り越える奴がたまにいるが,雷斗はそういう奴なんだろう。
一通り俺達の買い物も終わり,やっとベンチに腰を掛けた。
女性陣の三人はトイレに行った。
「ふぅ~~! おい雄二訓練より疲れるぜ」
「だな! めちゃくちゃ疲れたわ」
「この後どうなるんだ?」
「さあ! どうなんだろうな~」
女性陣がトイレから戻ってきた。
「もうそろそろお昼だし食事にしない?」
「え!? もうそんな時間か! そういえばお腹空いたな」
「じゃあ行きましょうか」
モールの中にある,フードコートのような場所に到着した。
皆で皆好きなものを頼んで,席に座る。
「午後は皆どうしたい?」
「どうしたいって言っても,もう出来る事なんてないんじゃないか?」
「前から気になってたんだけどさ,娯楽ってないの?
「雄二くんそれはどういう??」
「モールがあるのに,映画館とかさ! ゲーセンとかカラオケとか!」
「「「「??????」」」」
全員がキョトンとした顔で俺の顔を見る。
「ん~~雄二くんが言ったそれは何?」
「え!?」
確かにこの世界に来てから忙しく毎日を過ごしてきたから,思い出すというより,気にしてる余裕がなかったが,この世界は娯楽がとにかくない。
よくよく考えると,テレビをこっちに来てから見たことがない。存在すらしていないのかもしれない。スマフォも皆持ってないし,こんな場所があるのに,映画館もないしというより存在を知らないのか。
「いや! 今のは気にしないでくれ」
「じゃあせっかく夏だし,海にでも行こうか」
「まあいいけどさ~」
「恵ちゃんと彩乃ちゃんは?」
「別に構いませんよ!」
「私も……」
「じゃあご飯食べたらちょっと海に行こう!」
そう張り切る恭子。
本当にこの世界は謎だらけだ。元に居た世界でも造る事が出来ない技術があるかと思えば,当たり前にあったものが存在すらしていない。まあ違った歴史を辿ってるし,常に戦っているような世界で娯楽があるけないか。と俺は考えていた。
ご飯を食べ終えるとモールの近くにある海岸へ行くためにモールの外へ向かう。
モール内を歩いて居ると,奥の方で見覚えのある場所を見つける。
「あれ? あれってゲーセンじゃね?
「なにそれ!」
反応したのは雷斗だった。
「多分そうだと思うんだよな! とりあえず行こうぜ」
俺が走り出してゲームセンターと思われる区画を目指す!
「雄二くん走らないでよ」
着くとやっぱりゲーセンだった。決して大きくないし,ボロボロでモールの隅っこにあるが,紛れもなくゲーセンだった。
「やっぱここゲーセンだ」
「雄二ゲーセンってなんだ!?」
「ゲームセンターの略で,娯楽の場所だよ! まあ 要は楽しい場所って事だ」
「とにかく中へ入ろう」
俺は僅かながらテンションが上がって皆を先導した。
見たことも無い古い? が確かにゲーセンで,UFOキャッチャーにレーシングゲーム,さらにシューティングゲームまであった。
俺は皆で出来るレーシングゲームを最初にする事にした。ゲームの内容と操作の方法をレクチャーして皆で始めることにした。
「へぇ~なんか鉄騎のコックピットに乗ってるみたいね」
「そうかもね! でもちゃんと操作しないと動かないからね」
「なんか楽しそうだな雄二!」
「私出来るかしら……」
そんな中で一人様子がおかしくなった人が居た。
「オラーーーー!! 全員かかってこいや!!」
恵だった。
恵は鉄騎以外でも性格が変わるみたいだ。乗り物なら全部変わっちゃうのか?
「いいぜ! 恵これはゲームだからな! 抜けるなら抜いてみろよ!」
ゲームの中のレースの合図と共にレースが始まった。
「おらおらどけや!!!」
「なんだこれ操作が難しいな」
「全然動かないんだけど!」
皆は人生の初めてのゲームなんだから仕方ないだろう。
それでも恵と雷斗はすぐにコツを掴んでいる。
俺としては負けるわけにはいかない。
「雄二! これ楽しいな」
雷斗は楽しそうにしている。
「雄二! テメーーーー待てよオラーーーー!」
恵は暴れている。
他の二人は思うように前に進めてないみたいだ。
俺はそのまま一位でゴールインをした。
「だぁ~~~もうクソ野郎!!」
「負けた~~」
「難しいわねこれ!」
「全然上手くいかなかった」
「まあでも楽しかったでしょ」
「そうね」
「雷斗さ次にこれやってみてくれない?」
「ん!? なに!?」
雷斗には圧倒的にシューティングゲームが得意だと思ったから勧めた。
「雄二これはどんなゲームだ?」
「雷斗の得意な射撃のゲームだよ」
「そうなの? まあ慣れれば雷斗なら簡単に出来るよ」
ゲームが始まって最初は戸惑っていた雷斗もすぐにコツを掴んで,あっという間に攻略していく。
「やっぱ雷斗くんって射撃に関してだけは,凄い上手よね!」
「実際,雷斗ってどの位の実力なんだ?」
「ん~射撃の腕とか正確さとかだけなら,本当に全生徒で一番って言ってもいい位なんじゃないかな?」
「ただ適合率の問題で,威力とかAntsybalをどれだけ倒せる武器なのか? とかそういう面で見ると雷斗くんあまり良くはないわね」
「雷斗さんの射撃は凄いと思います。私はほとんど授業を寝ていて,いろんな成績がさほど良くない雷斗さんが何でメンバーに選ばれたのか? とずっと疑問に思っていたんですが,このチームに入って分かりました」
「他の人だったら絶対に後ろから射撃するなんて出来ません」
「恵さんがあまりにもめちゃくちゃに動くからどのAntsybalに撃てばいいのか。そして味方に当てずにどこを狙えばいいのか? など瞬時にそして正確に撃ち抜けるのは雷斗さんしかいないと思います」
「雷斗くんは……なかなか凄い」
話している内に雷斗がゲームをクリアしていた。
「どうだ? 雄二俺の腕はスゲーだろ?」
「雷斗! お前の射撃センスは凄いな」
俺らは少しゲーセンで遊ぶ事にした。
色々と皆遊んでいる。そんな中で彩乃と恵がUFOキャッチャーを眺めている。
こんな所にあるUFOキャッチャーなんて大した景品があるとは思えないけど,何を見てるか見たら,ぬいぐるみを見ていた。
しかも何故だがわからないが,河童のぬいぐるみだった。
二人は河童のぬいぐるみを凝視している。俺は声を掛けた。
「どうしたの二人共。これ欲しいの??」
「いえ! なんか恵さんが欲しいみたいで。でも取れないって」
そりゃあ初めてでUFOキャッチャーは難易度が高すぎるよな。
「恵このぬいぐるみ欲しいの??」
「欲しい……」
「取ってあげるよ!」
実は俺はUFOキャッチャーが得意である。
俺は河童のぬいぐるみを取る事にした。
「雄二さんこれはどうすれば取れるんですか?」
「ちょっと彩乃黙ってて! このゲームは集中力が大事だから!」
俺は集中して河童のぬいぐるみを取るためにクレーンを動かした。
俺は今までで一番のパーフェクトなUFOキャッチャーが出来た。
なんと河童の二枚抜きに成功したのだ。
「凄い雄二さん」
「じゃあこれ! 彩乃と恵に」
「雄二くん何やってるの? なにこれ?」
「UFOキャッチャーってゲームで今ぬいぐるみ取っただんよ」
「え!? 二人だけずるい。私の分は??」
「え!? 恭子も欲しいの?」
「欲しい欲しい!」
「ん~じゃあもう一回やるわ」
そして俺はもう一つ河童のぬいぐるみを取った。
「雄二くんありがとう」
結局三人の分を取る羽目になった。けどまあいいか!
「じゃあそろそろ行こうか!」
俺達はゲーセンは満足して元々目的だった海へと行くことにした。
雷斗はさっきのシューティングゲームにハマったらしくあの後何回かやっていた。
女性陣はぬいぐるみを持って満足しているようだった。
後は部活で使っていたバスケットパンツと上のTシャツくらいしか持っていない。普段は学校と敷地内しかいなからいつも制服の軍服でいいから,私服なんて概念をすっかり忘れていた。
俺は寮に戻り,透に相談した。
「なあ透,私服持ってる??」
「え? 急になんで?」
「明日チームの皆で遊びに行くことになったんだけど,俺私服持ってなくてさ。だから良かったら透貸してくれないかと……」
「そういう事? 別にいいよ! 貸してあげるよ」
「本当に? 良かったよありがとう透!」
前の世界とあまり変わらない透の私服なら,俺にも似合うはずだと思っている。
「ここにあるから好きなの着て行っていいよ!」
そう言われクローゼットの中に入っている透の服を選んだ。
次の日になり,学校の校門の前に行く。
俺は昨日透に私服を相談した事,そして透に私服を借りた事をとんでもなく後悔した。
「え? お前なんだその格好!! 超面白いんだけど」
そう言いながら真っ先に笑ったのは雷斗だった。
「雄二くん……どうしたの??」
言葉に詰まりながらも恭子が笑う。そして彩乃も恵も笑っている。
透から借りた私服がとんでもなくダサかったのだ。
元の世界では清潔感のある好青年のファッションだった透が,信じられない程ダサい私服だったので,それでも最高にかっこいいだろ? と自慢気に言っていた透の手前ダサいと言えなかったが,今日の朝改めて見たらとにかくダサい……
恥ずかしくて死にたくなったが,これしかないので着てきた。
皆の私服は俺からしたら全員かっこいいし素敵だった。
「雄二くんのおかげで変な緊張感が無くなったから今日は楽しみましょう!」
「そういえば,全然わからないんだけど,遊びに行くってどこに行くんだ!?」
俺はこの街の生まれではあるけど,この街に皆で遊びに行くような場所なんてなかったような気がする。
「遊びに行くっていうと,一ヶ所しかないわ!」
「どこ?」
「「「「比国モール」」」」
「そんな皆でハモらなくても」
俺には初めて聞いた場所だった。と言っても俺はこの世界の街に来て街をちゃんと散策したことはない。違った場所があっても何も不思議な事はないか。
「じゃあその比国モールって所に行こう!」
「じゃあ皆でいくわよ!」
そういうと学校の前にバスが一台到着した。このバスは比国モールまで行くバスのようだ。
学校の校門の前に乗り場があることにびっくりした。
バスに乗り込み俺達は比国モールとやらへと向かう。
雷斗はバスに乗り込むとアイマスクをして寝ている……
女性陣は何やら話で盛り上がっている。
恭子はまだしも,恵が普通に会話して笑っている事に驚いた。
そんな印象もなかったし,普段はほとんど喋らないから皆で出かけるなんて苦手なんだと思っていた。
こっちの世界に来てから,学校の外へと行ったことがなかった俺にとっては,自分が生まれた街を巡っているだけなのに新鮮に感じる。
しばらくするとショッピングモールが見えてきた。ここが比国モールなんだろう。
バスが到着したようだ。
「じゃあ皆降りるわよ!」
「ほら!! 雷斗起きろよ着いたぞ」
雷斗を起こし,バスを降りた。
俺の居た世界にはなかったショッピングモールがあった。
「じゃあ最初はとりあえず男子は私達のショッピングに付き合って」
と言った恭子を先頭に俺と雷斗は彼女らのショッピングに付き合う羽目になった。
女性の買い物を付き合うという事がこんなにも大変だという事を俺は初めて知った。
「この中で,どれが一番似合うと思う??」
「ん~~これかな??」
「そう? ん~」
服を選んで,意見を聞いてくる。俺は皆が似合っていると思う服を選ぶ。
なのに不機嫌そうな顔をされる。何故だ!!!
雷斗は適当に流している。恭子ならまだしも彩乃や恵までも聞いてくるのだから不思議で仕方ない。
世界は違えど,性格もセンスも感性も育ちも違くても女性はショッピングというものが好きな生き物らしい……
俺と雷斗は体良く荷物持ちとして使われているだけなんじゃないだろうか。
そう思えてきた……
雷斗は基本的に面倒くさがり屋なので,超面倒くさそうにしている。
彼女達の買い物にやっと一段落がついた。
「それじゃあ次は雄二くんと雷斗くんの買い物に付き合うわよ!」
「え!? いや! 俺達はいいよ! なあ雄二?」
「うん! 買い物はいいよ」
「雄二くんその私服じゃやばいわよ! 私達が選んであげるわよ」
「とにかく選んであげる!」
そういって恭子に連れて行かれる。
俺と雷斗は拉致されるが如く,連行され男性用の服屋へと入っていく。
マネキンに服を着せるが如く,色々な服を着せられた。
俺の選択の余地はないらしい。雷斗も同じようにされている。
まあ私服はほしいと思っていたから丁度いいんだが。
「雄二くんはこういうのが似合うと思うんだよね~」
「私はこういうのが良いと思います」
「私は……これがいいと思います」
しかし,三人が持ってくる服が全然違う系統でどれを選んでいいか分からない。
恭子は俺の世界で言う所のロックな感じというか,メタルというか……
彩乃は彩乃で古風というか,和柄というか。
恵はピンクのヘビ柄とか持ってくる。
本当に似合うと思って彼女らは持ってきているのだろうか?
「雄二はこういうのがいいだろ?」
と言って,雷斗が俺に似合う服を持ってきてくれた。
意外や意外に雷斗はセンスがあるらしい。
「確かに雷斗くんが持ってきたのが,一番似合いそうね」
鉄騎に関しても確かにセンスでやっているような感じがある雷斗。
何やらせてもセンスで乗り越える奴がたまにいるが,雷斗はそういう奴なんだろう。
一通り俺達の買い物も終わり,やっとベンチに腰を掛けた。
女性陣の三人はトイレに行った。
「ふぅ~~! おい雄二訓練より疲れるぜ」
「だな! めちゃくちゃ疲れたわ」
「この後どうなるんだ?」
「さあ! どうなんだろうな~」
女性陣がトイレから戻ってきた。
「もうそろそろお昼だし食事にしない?」
「え!? もうそんな時間か! そういえばお腹空いたな」
「じゃあ行きましょうか」
モールの中にある,フードコートのような場所に到着した。
皆で皆好きなものを頼んで,席に座る。
「午後は皆どうしたい?」
「どうしたいって言っても,もう出来る事なんてないんじゃないか?」
「前から気になってたんだけどさ,娯楽ってないの?
「雄二くんそれはどういう??」
「モールがあるのに,映画館とかさ! ゲーセンとかカラオケとか!」
「「「「??????」」」」
全員がキョトンとした顔で俺の顔を見る。
「ん~~雄二くんが言ったそれは何?」
「え!?」
確かにこの世界に来てから忙しく毎日を過ごしてきたから,思い出すというより,気にしてる余裕がなかったが,この世界は娯楽がとにかくない。
よくよく考えると,テレビをこっちに来てから見たことがない。存在すらしていないのかもしれない。スマフォも皆持ってないし,こんな場所があるのに,映画館もないしというより存在を知らないのか。
「いや! 今のは気にしないでくれ」
「じゃあせっかく夏だし,海にでも行こうか」
「まあいいけどさ~」
「恵ちゃんと彩乃ちゃんは?」
「別に構いませんよ!」
「私も……」
「じゃあご飯食べたらちょっと海に行こう!」
そう張り切る恭子。
本当にこの世界は謎だらけだ。元に居た世界でも造る事が出来ない技術があるかと思えば,当たり前にあったものが存在すらしていない。まあ違った歴史を辿ってるし,常に戦っているような世界で娯楽があるけないか。と俺は考えていた。
ご飯を食べ終えるとモールの近くにある海岸へ行くためにモールの外へ向かう。
モール内を歩いて居ると,奥の方で見覚えのある場所を見つける。
「あれ? あれってゲーセンじゃね?
「なにそれ!」
反応したのは雷斗だった。
「多分そうだと思うんだよな! とりあえず行こうぜ」
俺が走り出してゲームセンターと思われる区画を目指す!
「雄二くん走らないでよ」
着くとやっぱりゲーセンだった。決して大きくないし,ボロボロでモールの隅っこにあるが,紛れもなくゲーセンだった。
「やっぱここゲーセンだ」
「雄二ゲーセンってなんだ!?」
「ゲームセンターの略で,娯楽の場所だよ! まあ 要は楽しい場所って事だ」
「とにかく中へ入ろう」
俺は僅かながらテンションが上がって皆を先導した。
見たことも無い古い? が確かにゲーセンで,UFOキャッチャーにレーシングゲーム,さらにシューティングゲームまであった。
俺は皆で出来るレーシングゲームを最初にする事にした。ゲームの内容と操作の方法をレクチャーして皆で始めることにした。
「へぇ~なんか鉄騎のコックピットに乗ってるみたいね」
「そうかもね! でもちゃんと操作しないと動かないからね」
「なんか楽しそうだな雄二!」
「私出来るかしら……」
そんな中で一人様子がおかしくなった人が居た。
「オラーーーー!! 全員かかってこいや!!」
恵だった。
恵は鉄騎以外でも性格が変わるみたいだ。乗り物なら全部変わっちゃうのか?
「いいぜ! 恵これはゲームだからな! 抜けるなら抜いてみろよ!」
ゲームの中のレースの合図と共にレースが始まった。
「おらおらどけや!!!」
「なんだこれ操作が難しいな」
「全然動かないんだけど!」
皆は人生の初めてのゲームなんだから仕方ないだろう。
それでも恵と雷斗はすぐにコツを掴んでいる。
俺としては負けるわけにはいかない。
「雄二! これ楽しいな」
雷斗は楽しそうにしている。
「雄二! テメーーーー待てよオラーーーー!」
恵は暴れている。
他の二人は思うように前に進めてないみたいだ。
俺はそのまま一位でゴールインをした。
「だぁ~~~もうクソ野郎!!」
「負けた~~」
「難しいわねこれ!」
「全然上手くいかなかった」
「まあでも楽しかったでしょ」
「そうね」
「雷斗さ次にこれやってみてくれない?」
「ん!? なに!?」
雷斗には圧倒的にシューティングゲームが得意だと思ったから勧めた。
「雄二これはどんなゲームだ?」
「雷斗の得意な射撃のゲームだよ」
「そうなの? まあ慣れれば雷斗なら簡単に出来るよ」
ゲームが始まって最初は戸惑っていた雷斗もすぐにコツを掴んで,あっという間に攻略していく。
「やっぱ雷斗くんって射撃に関してだけは,凄い上手よね!」
「実際,雷斗ってどの位の実力なんだ?」
「ん~射撃の腕とか正確さとかだけなら,本当に全生徒で一番って言ってもいい位なんじゃないかな?」
「ただ適合率の問題で,威力とかAntsybalをどれだけ倒せる武器なのか? とかそういう面で見ると雷斗くんあまり良くはないわね」
「雷斗さんの射撃は凄いと思います。私はほとんど授業を寝ていて,いろんな成績がさほど良くない雷斗さんが何でメンバーに選ばれたのか? とずっと疑問に思っていたんですが,このチームに入って分かりました」
「他の人だったら絶対に後ろから射撃するなんて出来ません」
「恵さんがあまりにもめちゃくちゃに動くからどのAntsybalに撃てばいいのか。そして味方に当てずにどこを狙えばいいのか? など瞬時にそして正確に撃ち抜けるのは雷斗さんしかいないと思います」
「雷斗くんは……なかなか凄い」
話している内に雷斗がゲームをクリアしていた。
「どうだ? 雄二俺の腕はスゲーだろ?」
「雷斗! お前の射撃センスは凄いな」
俺らは少しゲーセンで遊ぶ事にした。
色々と皆遊んでいる。そんな中で彩乃と恵がUFOキャッチャーを眺めている。
こんな所にあるUFOキャッチャーなんて大した景品があるとは思えないけど,何を見てるか見たら,ぬいぐるみを見ていた。
しかも何故だがわからないが,河童のぬいぐるみだった。
二人は河童のぬいぐるみを凝視している。俺は声を掛けた。
「どうしたの二人共。これ欲しいの??」
「いえ! なんか恵さんが欲しいみたいで。でも取れないって」
そりゃあ初めてでUFOキャッチャーは難易度が高すぎるよな。
「恵このぬいぐるみ欲しいの??」
「欲しい……」
「取ってあげるよ!」
実は俺はUFOキャッチャーが得意である。
俺は河童のぬいぐるみを取る事にした。
「雄二さんこれはどうすれば取れるんですか?」
「ちょっと彩乃黙ってて! このゲームは集中力が大事だから!」
俺は集中して河童のぬいぐるみを取るためにクレーンを動かした。
俺は今までで一番のパーフェクトなUFOキャッチャーが出来た。
なんと河童の二枚抜きに成功したのだ。
「凄い雄二さん」
「じゃあこれ! 彩乃と恵に」
「雄二くん何やってるの? なにこれ?」
「UFOキャッチャーってゲームで今ぬいぐるみ取っただんよ」
「え!? 二人だけずるい。私の分は??」
「え!? 恭子も欲しいの?」
「欲しい欲しい!」
「ん~じゃあもう一回やるわ」
そして俺はもう一つ河童のぬいぐるみを取った。
「雄二くんありがとう」
結局三人の分を取る羽目になった。けどまあいいか!
「じゃあそろそろ行こうか!」
俺達はゲーセンは満足して元々目的だった海へと行くことにした。
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生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
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