〜鉄塊〜

yuraaaaaaa

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第二章

〜新たなる可能性と緊張の一戦〜

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 「失礼します!」
 研究所の扉を開ける。

 「おお! 雄二か! 待ってたぞ」
 「なんか大佐にも訪ねてくれって言われたんですけど,どうしたんですか?」

 「ちょっと新しい鉄騎を開発中でな! 動くかどうか。反応してくれるかどうかテストしたくてな! 雄二は適合率も高いし,俺も雄二の事を知っているし,テストしやすいと思ってさ」

 「テストですか? 俺は何をすれば? というか,痛かったりしないですよね?」
 「いやいや! ないよ! 俺の事本当に信用してないよな雄二」
 「なんか変な実験してきそうで! それより新しい鉄騎が出来るんですか?」

 「まだ試作段階だけどな! でもちょっと特殊な核を使っているから一体しか作れない。今までにない強い鉄騎を作ってる最中なんだよ」
 「とりあえずそこの椅子に座ってもらえるか?」

 「わかりました」
 特に変わった装置や椅子などではなく,歯医者に行ったときに座るような椅子に座った。 
 和久さんが俺の頭に何やら装置を付ける。

 「ちょっとデータを見たいからそのままでいてくれるか?」
 特に何かされる訳でもなく,ただ椅子に座らせられた。

 「雄二,普段鉄騎を操っている時の感覚を出せるか?」
 「感覚って言っても,意識した事ないですよ!」

 「まあちょっとやってもらるか?」
 「なんとかやってみます!」

 正直どういった感覚なのかと言われると難しい。普通に自分の身体を動かすように自然に動いてくれるから。特別意識して何かを動かすような感覚が俺にはなかった。

 それでも和久さんに言われた通りになんとかやってみる。
 「よぉ~し! 雄二ありがとう! 終了するよ」
 意外にすぐ終わった。テストとか言うからもっと時間がかかるのかと思ったが,そうでもなかった。

 「それで和久さん,何か分かったんですか?」
 「そうだな~何も分からんかったわ!!!」
 と言いながら笑う。

 「なんですかそれ! 分からないって! 天才科学者じゃないのかよ!」
 「それでもわからない事はある」

 「でも今のテストで分かったことは,雄二にはこの核は反応をしたんだ。つまり雄二には扱えるって事だ!」
 「それがどうしたんです??」

 「下手したら雄二専用の鉄騎を造る事になるかもしれないって事だ! この核が特殊だって話したろ?」
 「ええ……さっき言ってましたね」

 「色々省くが,簡単に言うと今の鉄騎の約2倍近く威力を増す事が出来ると思う」
 「より強く,より大きく,より速い鉄騎を造る事が出来るんだ。だが,今の所反応を示したのは雄二しかいない! だから雄二専用騎を造る可能性がある」

 「え!? なんですかそれ!!」
 「いいじゃん! カッコいいじゃん!」
 「和久さん完全に他人事だと思って言ってるでしょ」

 「そんな事ないぜ! 強くなるのは本当だ。でもなんで雄二にだけ反応したのか? 全く分からない! 雄二だけだったら雄二の後は誰も乗れないって事だろう?」
 「造っても結構無駄になるだろ?」

 「まあ言われると確かに」
 「その為だけで新しい鉄騎を造るのは難しいかもしれない」
 「千夏……後は大佐の判断によるかな」
 「大佐が造るって言ったら造れるんですか?」

 「そのぐらいの権限はあると思うぞ。一体だしな!」
 「雄二今日はありがとうな! 今から俺は大佐に報告に行ってくるよ」
 俺もそのまま和久さんと研究所を出て,俺は寮へと戻った。

 寮に戻ると何故か俺達のチームの話題が広まっていた。
 一年生にしてレベル3のいる巣に行って勝ったことが広まっていた。
 皆で祝福をしてくれた。上級生にも褒めてもらった。

 元の世界だったら一年生が上級生を差し押さえて結果を出すと,妬まれたりするものだが,この世界は誰が倒したっていい! Antsybalを倒したんだったら誰でもいい! そんな感覚でいる気がする。

 だからこそこんなに祝福してくれるんだと思う。
 確かに戦争をしていて,相手を倒した,相手の指揮官を倒したのなんて誰だっていい。勝って平和になるなら,自分の手柄じゃなくて別にいい。そんな感じなのかもしれない。

 俺は嬉しかった。何でだろう! 俺はこの世界では異質で,この世界の事はほとんど何も知らない。この世界では必要性のない人間なんじゃないか? と思っていた。

 しかし,今いる世界でも徐々に自分の居場所が増え,自分も出来る事があるのではないか? そう思えるようになった。

 今日の皆の祝福してくれた言葉や顔を見ると,この学校にいや! この世界に初めて受け入れられた気が少しした。少しそう感じたんだ。

 毎度の事ながら祝福してくれるのはありがたいが……
 なんで罰ゲーム並に多い量のご飯を出してくるのだろうか……
 勿論美味しいんだけど,量だけが……
 
 今日初めて知ったことだが,雷斗が大食いという事を知った。
 人間じゃない量のご飯を胃袋に入れていく。
 雷斗が居てくれたおかげでなんとか残さず食べる事ができた!

 俺はもう限界で少しも動く事が出来ない。
 透に手伝ってもらって部屋に戻り,ベッドに横になった。気付くと朝だった。

 すぐに三年生との模擬戦があるが,今から何か新しいそして特別な事も出来ない。
 だから毎日行っている日課,そして訓練や練習を行っていた。

 大佐から言われた三年生と模擬戦を行う日になった。今日の結果で,財前を殺した変異種がいるAntsybalの巣の作戦に入れるかが決まる。
 一日授業があったが,身に入らなかった。模擬戦の事で頭がいっぱいだった。

 三年生との模擬戦は放課後行われる。

 模擬戦の事を考えている内に放課後になっていた。緊張なのか心配なのか不安なのか? それとも気負っているのか俺が俺自身の感情がわからなかった。
 バスケの公式戦の決勝戦でもこんな感覚になったことがなかった。

 小学生の時に劇の主演をする事になってしまって,当日緊張で心臓が飛び出しそうな程緊張して,給食を吐いてしまった事もあるが,その時の感覚とも違う感覚だった。

 皆で模擬戦を行う場所へ向かっているが,他の四人も緊張してるのか? 珍しく会話がなかった。

 鉄騎が駐騎している場所に行くと,冬月大佐と山口先生,そして三年生の先生と思われる人が居た。三年生の人達はもう来ていた。
 俺達が一番遅く到着したようだった。

 「じゃあ始めるか! お互いに遠慮がないように本気でやっていいぞ!」
 大佐がそう言い,俺達は鉄騎に乗り模擬戦の準備に入った。

 「では始め!!」
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