〜鉄塊〜

yuraaaaaaa

文字の大きさ
29 / 33
第二章

〜気合の一戦〜

しおりを挟む
 大佐の開始の合図が入った瞬間,いつものように恵が先頭切って飛び出す。
 三年生の方からも一体飛び出してきて恵との真っ向勝負を受けた。

 彩乃も恵の後ろから続くと彩乃の前に一体の鉄騎が現れた。三年生は俺達と真っ向勝負して勝つつもりなのかもしれないと思った。

 恵の方はもうすでに騎体が見えない速度で動き,斬り合っているようだった。
 剣と剣が斬り合う おびただしい音が広がっている。

 あとに続き,彩乃を前へと飛び出したが,一体の鉄騎が彩乃を対応している。
 彩乃がすかさず攻撃を繰り出すが,見事に捌かれている。避けたりするのではなく,攻撃を受け流しているような動きをしている。相手も何かの武道の達人のような動きをしていて,彩乃と相性が悪いのかもしれない。

 雷斗をすぐに彩乃をフォローしようとするが,三年生の遠距離攻撃がそうさせてくれない。雷斗と俺をフォローに入らせないように, すきを一瞬たりとも見せてはくれない。

 何かしようと思っている時には相手からの攻撃がくる。その対応に追われてしまう!

 「恭子!! お前に攻撃が集中するかもしれないけどいいか?」
 俺は恭子に訪ねた。ウチのチームの頭脳がやられるかもしれないけど,このままだったらジリ貧でしかないと思ったらかだ。

 「雄二くん私のこと舐めてるの?? 全然平気だよ!」
 「了解した。あっちの奥でガンガン攻撃してくる三年生を一騎倒してくる」

 「雄二頼んだ! 面倒くさい程連携が上手い」

 俺は自分の鉄騎を透明化した。流石に透明になった鉄騎を感知して攻撃を当ててくる事はないだろう。
 三年生達は俺の姿を探しているような様子が伺えた。見えていないようだった。

 俺はすぐに三年生がいる方へと向かう。この透明化はとても便利だけど,難点なのが,とてつもなく集中し,神経を使う事を練習しているうちに気付いた。そして長時間が使えない。使っているとだんだんと効果が切れて姿が現れてしまう事が分かった。

 だからこそ透明化したら,急いでいかないといけないんだ。
 俺は遠距離を攻撃してくる三年生達の背後へと回った。

 三年生には悪いけど,俺の攻撃手段の実験をさせてもらう。
 もう一つ前回に放ったビーム程の隠し玉はないけど,接近戦用にもう一つ攻撃手段を考えてある。

 俺達のチームでいうと,恭子の役目をしているような攻撃の指示を出している三年生の鉄騎に近づく。

 そして師匠との鍛錬のおかげでちょっと身に付けた 発頸はっけいを繰り出し突き飛ばす! それでは終わらず俺は相手の鉄騎の内部から爆発するような攻撃を繰り出す。

 触れた場所の内部に爆弾を仕込むようなイメージで内部から破壊するような攻撃を考えた。これなら少しの火力でいいのにも関わらず,相手には致命的なダメージを負わす事が出来ると和久さんが考えたのだ。

  爆竹ばくちくを手のひらでやっても痛いけど火傷程度で済むが,爆竹に火をつけて口の中に放り込んで口を閉じたら,火傷程度では絶対に済まない。同じ火力でもその位効果が違うという事だ。

 適合率が高いから出来る攻撃だと和久さんが言っていた。そして師匠との鍛錬をおかげえで,自分が思い描くイメージ通りに自分の身体を動かす事がだんだん出来るようになった事で,この攻撃方法が完成し,出来るようになった。

 剣や銃なんてきちんと扱う事は出来ないが,殴る蹴るぐらいなら俺でも出来るし当てられる。適合率の高さを活かした攻撃手段だと思う!

 三年生の鉄騎が爆発し,戦闘不能になった。
 突然倒されてしまったせいで,三年生の連携が崩れた。
 だが次の瞬間にはすぐに体制を整えて,俺に攻撃を繰り出してくる。

 チャンスと思ったのか,雷斗も応戦している。しかし突如三年生の動きが変わる。
 遠距離で射撃をしていた二体の鉄騎が武器を剣に持ち替え突如,近接戦闘を仕掛けてきた。俺の方に一体,もう一体は雷斗の方へ向かっていった。

 俺は盾とバリアで攻撃を回避する。雷斗の方にもフォローを入れたいが,正直俺は俺自身でいっぱいいっぱいだった。
 フォローさせないように攻撃をしてきているんだと思う。

 雷斗は接近戦に関しては超絶的に弱く,普段の組手でもサボりまくっている。
 だから近づかれたら雷斗でも一瞬でやられてしまう。

 フォローをしたいが……厳しい……
 目の前の鉄騎でいっぱいいっぱいで目を離せない。

 そう思っているうちに,雷斗の鉄騎がやられてしまった。
 恵や彩乃もずっと戦っているが,すぐに決着がつきそうな雰囲気はまだない。

 このままだと恭子もやられてしまう。数でも圧倒的に不利になってしまう。
 一体倒した時はやれると思っていたが,簡単に勝たせてくれない。

 雷斗のように遠距離専門だと思っていたが,多分こっちが本来のスタイルなのだと思う。
 一体の遠距離の専門と他四体は近距離専門のチーム編成なのだと思う。
 このままだと完全にまずい状況だ……

 「恭子!!! 何か打開できそうな提案なにかのか!?!?」
 「そんな事考えてる余裕ないわよ!!」

 全員が全員,目の前の三年生を相手にしてギリギリという感じだ。
 しかし,恭子は時間の問題でこのままだとやられてしまう。その前になんとかしないといけない!!

 斬りかかってきた攻撃を俺は右手で止めた。右腕を犠牲に俺は剣を止めた。俺は左手を鉄騎に触れた。
 一撃で仕留める為に火力を強めた。さっき俺が行った攻撃を透明化していたから見ていない三年生の鉄騎は俺が左手で触れる事に警戒していなかった。

 突如爆発が起こる!!
 さっきよりも火力を強めたからか,相手の爆発した鉄騎の腰と胴体離れた。

 俺は右腕をなくしたが,もう一体戦闘不能にする事ができた。俺の攻撃手段やフォローには右腕がなくなっても支障がない為どうってことはない!
 それよりも恭子と彩乃のフォローへと回る。

 恭子の方へまずはフォローに入る。恭子の鉄騎も傷ついてギリギリだったという感じか。 
 「雄二くん大丈夫??」
 「ああ! とにかくどうにかしないとまずいな!」
 正直,数だけで言えば,こっちが有利なのに何故かメンタル的にはこっちがかなり追い込まれている感じがする。
 俺のように何か隠しているような妙な違和感と余裕さが三年生にはあるような気がするからだ。

 彩乃の方に目をやるとさっきまで 拮抗きっこうしていたが,だんだん攻撃を食らうようになっている。恵の方は把握する事は出来ない。あっちもきっとギリギリいっぱいなんだと思う!
 いつもはどんちゃん騒ぎする恵の声が聞こえてこないのがその理由だ……

 「恭子この後,どうすりゃあいい?」
 「もうこうなると力づくしかないと思う! 背水の陣って感じで」
 「どういうことだよ!!」

 「私が先輩の隙を一瞬作るから,雄二くんどうにかしてくれる? さっきの攻撃でもなんでもいいからどうにかして!」
 「どうにかしろって……」
 恭子とは思えない力づくな発言だった。

 「じゃあ行くわよ!!!」

 恭子は関係なしに突っ込みに行く。
 「付いて来て雄二くん!!!」
 言われた通りに恭子の後を付いていく。

 人の事を言えないが,恭子は決して鉄騎の戦闘が強いわけじゃない。
 様々な事を出来るが,突出している事はない器用貧乏って感じだ。

 山口先生が言っていた。
 「藤井は天才だが,鉄騎に関しては弱い! だから自分が何を今出来るのか? という事を常に考えろ! と言われていた」

 そんな恭子は突っ込んでいくんだからきっとこれが今出来る最高の作戦なんだろう!
 恭子は自分の鉄騎全体を盾にしてるが如く,とにかく攻撃を食らおうが距離を詰める。

 三年生が剣を振りかざし恭子を斬りかかる。自分の鉄騎の肩斬らせて,動きを止めた。
 逃げられないように恭子は両手を使って三年生の鉄騎を掴んでいる。

 俺は三年生の鉄騎に触れようとした瞬間――
 俺の左腕が宙を舞った。恵のように足の先に刃が出ており,蹴りで俺の左腕を斬った。

 しかし,俺はさらに蹴りで応戦する。回し蹴りを繰り出し,鉄騎の首辺りを狙った。だが俺の蹴りを右腕でガードした三年生。
 それでもとにかく破壊しようと爆発させた!

 右腕を破壊したが,戦闘不能にする事が出来なかった。
 だが恭子が自らを犠牲にして得たチャンスを逃してはいけないと俺は思った。

 恭子は新近距離で攻撃を食らわす。少しすると恭子の鉄騎は動かなくなった。
 俺は三年生の鉄騎に突っ込みにいく。まさに背水の陣というような状況だ……

 突っ込んでいる最中に,透明化し,急速に軌道を変えた。相手の鉄騎の背後を取ろうとしたが,見えていないはずなのに何かを感じ取ったのか? 攻撃をしてきた。
 俺の透明化が甘いのか? 今はそんな事はどうでもいい。

 満身創痍過ぎて,どうすればいいのかわからなくなっている。
 しかも,ここで俺がやられたら完全に詰む……
 ここへ来て雷斗がやられたのが痛い……

 俺がやられるわけにはいかないが……どうすればいいか……
 いい案なんて俺が出せる訳がない……

 全てを使って俺は三年生の鉄騎へと突っ込みに行った。
 ドローンを展開して牽制をしつつ,俺は近づいていく。もう透明化も解ける頃だろう。
 関係なく突っ込みに行く!!! 真っ直ぐ突っ込みにいく!!!

 俺は今まで避けるという事を出来なかった。剣の攻撃など,バリアで守る事や受け止める事は出来ても,避けるという事は出来なかった。

 しかしこの時は何故か自分と相手の動きがスローモーションのようにゆっくり動いていた。それに対して頭はよく働いていた。
 ああ……攻撃してくる。避けなきゃ。次はこうして攻撃してくる避けないと!

 そう頭は働いていた。師匠と普段スローでやっている組手位遅く感じた。
 俺は自分が思った通りに攻撃を避けた避けきった後,俺は攻撃を繰り出していた。
 今なら当たる……何故かそう感じだ。

 恭子の犠牲があっても当てる事が出来なかった俺の蹴りが今度は簡単に胴体の脇腹辺りを捉えた。
 次の瞬間に爆発が起こった。大した爆発ではなかったが,動かなくさせるには十分な威力だった。

 動けなくなった鉄騎が空から落ちていく……
 地面に叩きつけられて戦闘不能になったようだ。

 彩乃をフォローしないと!
 そう思い彩乃の方を見ると,彩乃の鉄騎はボロボロになっていた。それでも彩乃は戦っていた。

 二人の攻防が今の俺には何故かゆっくりしている。はっきりと二人のやりたい事が手にとるように分かる。
 俺は彩乃の攻撃に合うようにフォローをしていく!
 
 展開が変わっていく。彩乃の攻撃が三年生の鉄騎を捉えていく。
 徐々に相手の動きが鈍くなっていく!

 三年生もまずいと思ったのか,構えが変わった。
 一瞬で距離を取った三年生が独特の構えから,正拳突きを繰り出す。
 放った正拳突きの先から波動が飛んでくきた。
 
 彩乃は避けたが,避けた後ろのでかい岩が,飛んできた波動が当たって粉々になった。
 俺のバリアでも防ぐ事が出来ないかもしれないと思った。

 「彩乃,二人で突っ込むぞ!!」
 「分かりました。雄二さんフォローお願いします」

 彩乃が全力で突っ込み出した。俺は飛んでくる波動をバリアで受け止め流していく。
 俺と彩乃は三年生の鉄騎と距離を縮めて射程に入った。
 
 彩乃は攻撃を繰り出す。またにそのタイミングと同時に俺は蹴りを繰り出した。
 三年生の鉄騎はブレイクダンスをしているかのようにアクロバティックな形で避けた。驚いたのはそんな状態から攻撃を繰り出してきた事だ。

 彩乃も俺も攻撃を繰り出してくるなんて思わなかったので,まともに攻撃を食らってしまった。俺も彩乃ももう戦えるような状態にない。
 だが相手もきっとそうだろう! 

 俺は持てる全力で相手の鉄騎へと向かう。
 彩乃もそう感じたのか,全てを出して攻撃を繰り出す。
 俺の攻撃は全て綺麗に避けられる。彩乃の攻撃に関しては止めたり流したりと接触はあるが,俺の攻撃のカラクリを全て把握された事はないと思うが,触れたら駄目だ! という事は分かっているのだと思う。

 それにしても二人の攻撃をこうも見事に捌かれている。
 俺達の攻撃は一切食らってくれない。 
 もうここまで来たら,自分の事なんてどうでもいいと思った。
 
 俺は鉄騎が動かなくなる覚悟で鉄騎に向かう。
 攻撃を食らいながら真っ直ぐ向かう。

 一台のドローンを背後に透明化して待機させていた。
 ダメージなんてほとんど与える事はないが,一瞬でいいから隙を作りたかった。

 ドローンから発射されて弾丸が三年生の鉄騎の後頭部にぶつかる。
 一瞬ビクッとなった瞬間を俺は見逃さなかった。

 最後に残った両足で 胴締どうじめし,爆発させた!
 「彩乃ーーーー!!! 後は頼んだ!!!」
 俺は叫んだ!

 俺の鉄騎はもう胴体と頭しかない。動く事ができない。
 彩乃は最後破壊しにいく。しかし,最後の最後で三年の鉄騎はやられながらも,彩乃の鉄騎の首を隠し持った武器で切断した。

 同時に攻撃を繰り広げて,俺と彩乃三年の鉄騎は動かなくなった。

 もう恵と三年生の一騎打ちとなった。全ては恵次第となった。
 開始の合図からずっと一人で戦っている恵が現在どうなっているのか? はわからない。
 恵が押しているのかどうかわからない!
 さっきまでゆっくり見えていた動きや風景がいつの間にか戻っていた。

 恵と相手の三年生の戦闘の動きのスピードには追いつけない。
 俺達は 固唾かたずを呑んで見守っていた。

 二体の鉄騎が急に空から降ってきた。
 お互いがお互いの鉄騎に剣が刺さっていた。
 三年生の方は胸に,恵の方は首辺りに刺さっていた。
 よく見ると恵の鉄騎はボロボロに対して三年生の方はほとんど傷がなかった。

 決死の覚悟で恵が挑んだのが分かる。
 やられていなければ,ふきちんとフォローする事が出来ていたならば,恵の負担を軽減出来たのかもしれないと思った。

 結果として俺達はギリギリ痛み分け,引き分けという結果になった。
 勝つことは出来なかった……

 俺達はどうなるのだろうか?
 恵が鉄騎から降りてこちらに向かって来る。

 「ごめんなさい……」
 恵の第一声だった。

 「ごめんなさい……勝てなかったです……」
 「恵ちゃんは頑張ってたわ! 私達が先にやられちゃったのが問題だったのよ」

 「俺なんて一番最初にやられちゃったからな! 狙撃手として一番駄目なパターンだった」

 「それにしても三年生強かったわね。次やったら多分普通に負けると思う……」

 「そうですね……残念ながら次にやったら難しいかもしれないですね」

 確かに三年生は強かった。強いし適応能力が尋常じゃなかった……
 今回は初対戦でたまたまトリッキーな事が上手くいっただけで,根本的な実力では圧倒的に負けていた。

 変異種の殲滅作戦のメンバーに選ばれる為に頑張ってきたけど,選ばれなくても仕方ないと思ってしまった。
 ただ惜しかった。本当にあとちょっとで勝てたはずだった。

 山口先生が俺達の所へ来て,珍しい発言をしていく。

 「お前達ご苦労だったな! いい模擬戦だったぞ。本当に強くなったな。今日の模擬戦勝てば選ばれる予定だったな。でも引き分けかぁ~。大佐がどんな判断をするかわからないけど,選ばれなくても文句は言うなよ!?」

 「ええ! 大丈夫です。皆もそこは分かっていると思います」
 「三年生は強かったですから……」

 「そうかぁ! まあならいいんだがな!」
 「でも良くやったよお前らは! お疲れさん。今日はもうゆっくり休めよ! この後に練習とかするなよ?」

「「「「分かりました」」」」
 「じゃーな」

 先生は励ましに来たのか? よく分からなかったが,先生のような事を言ってたのが何故かちょっと笑えた。

 「じゃあ解散しましょうか! 皆お疲れ様! 色々と言いたい事とか反省もあるかもしれないけど,今日はこれで解散ね」

 「「「「了解」」」」
 俺達は解散した。

 今回の模擬戦は見てる人がほとんどいない模擬戦だった。あえて他の生徒には見せないようにしていたという。何か 目論見もくろみがあるのか分からない。でも特別に今回の話が通じただけで,本来なら一年生が選ばれる事が絶対にない事だと思う。

 だからこそ話が広まって,一年生が影響されて,今後の任務などで危ない事をしたり無茶な事をしないようにという配慮があるのかもしれないと思った。

 帰ろうとすると,戦った三年生達が大佐と何やら話している様子が伺えた。
 挨拶をしようとするが,山口先生が身振りで帰っていいぞと言いたげな雰囲気を出していたので,俺達はそのまま帰る事にした。

 寮に戻るまでの道中誰でも話そうとしなかった。
 空気が重い……

 「俺達はやりきったよ。出来る事全てをやって戦った。今日の出来が今日までで出来る俺達の最高の戦いだったと思う! ちょっと前と比べたら信じられない位強くなった。後はなるようにしかならいよ!」

 「そうだな雄二! もうしゃーないな! 終わっちまったもんはしゃーない!」
 「そうね。もう終わった事だし! 私達はやれる事は全てやったわね」

 「みんな……頑張った」

 「特に雄二さんが凄かったですね! いつもより遥かに動きが凄かったです」
 「本人の俺自身も驚いたよ! なんか今日はいつもと違ったのは確かだよ」

 「ねえ! せっかくだし今日は皆でご飯食べない? 祝杯じゃないけど,お疲れ様っていう意味で!」
 「皆でご飯食べれるような場所ってあるのか?? 学食とかじゃないだろ?」

 「許可を取れば,女子寮の一階に専用のスペースがあるからそこでご飯を作って食べましょうよ」
 「作るって誰が??」

 「それは私達が作るよ! 雷斗くんも雄二くんも料理出来ないでしょ?」
 「まあ出来ないけど……」

 俺はそっと雷斗に耳打ちした。
 「おい! 料理って大丈夫なのか? 雷斗食べたことある? 小さい頃から一緒なんだろ??」

 「ないよ! それに女子寮にすら行ったことないし……しかも私達って言ったぞ? 藤井はまだしも彩乃と恵も作るのか?」
 「本当に大丈夫かな??」
 「だがこれは断れる雰囲気ないだろ?」
 「覚悟決めて行くか! 最悪帰った後におばちゃんに何か作ってもらおう」
 俺と雷斗は決心を決めた。

 「そんな事出来るのか? いいな! それじゃあご馳走になろうかな? なあ? 雷斗くん?」
 「そうだね! 雄二くん! 皆の作る料理が楽しみだなぁ~」

 「何二人してその反応は!! 気持ち悪い!!」
 「じゃあとりあえず十八時に女子寮の前に集合してね」

 俺達チームは女子寮で打ち上げをする事になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...