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十四 エドワード様の館は立派でした
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送られる馬車の中ではロラン様は無言で厳しい顔をされていたので、私も黙っておりました。こうしてみるとロラン様はエドワード様と同じ銀色の髪に瞳は違いますが透明なブルーグレイでクール系イケメンですわ。でも雰囲気は穏やかな笑みのエドワード様とは正反対です。
「気分はどうだ?」
「あ、はい。大分良くなりました……」
そう返すと私は伏し目がちに肯いていました。
……これで可憐な怯える令嬢に見えますわね。池ぼちゃされて怯える可憐な令嬢。
でも正直言ってロラン様が来なければ死ぬところでしたわ。何か考えないとこのままではいけません。それにしても一体何が原因なのかしら? 貧乏令嬢が王宮に来たので目障りだったとか? それにしては偶然とはいえ一歩間違えば死ぬところでしたのでリスクが高すぎますわ。
私は黙って考えておりました。どうにかしないとまたあのような目に遭うのも困りますもの。
そう言えばアンから聞いたのではロラン様も令嬢方の結婚候補として人気が高いとか。身分が低いのが少し問題だそうだけど、あれだけのイケメンだから、身分なんて関係ないわときゃーきゃー騒いでいるらしい。まあ、イケメンで王宮エリートの近衛兵だしね。
私は彼の父であるエドワード様と婚約していたので、聞き流してしました。ひょっとして……。今日の池ぼちゃは私とロラン様との仲を勘違いしての嫌がらせだったとか……。それにしても行き過ぎですわ。
落ちてもがいているとくすくす笑っていたのよ。ちょっと酷くない?
「……そもそも直接言って無かったな」
「ええ、直接言ってくれれば……」
私が呟くとロラン様はショックを受けたようでまた厳しい顔をして開けた口を閉じてしまわれました。
やっぱり、ロラン様のことで間違って嫌がらせを受けていたのかもしれませんわ。ロラン様に心当たりがありそうですもの。
エドワード様の家は宰相補佐をなされているので、王宮近くにあり私達を乗せた馬車は館に直ぐ着きました。建物は瀟洒な洋館でとても立派でした。正直子爵家の私の家より全然。明らかに手入れから違います。
館の中のに入ると沢山の使用人が出迎えてくれてあれよあれよと湯船に入れられました。広い湯殿でゆっくりと……、お湯に浸かれませんでしたわ。ごしごしと磨かかれ洗われましたの。
「池の水は臭いがしますので、しっかり洗わないと!」
薔薇の花まで浮かべてくれて、さらに薔薇の良い香りの石鹸でごしごしと肌がひりひりするぐらい擦られました。
正直、終わった時にはよろよろでした。それから美しいナイトガウンまで着せられて私は広い客室のベットで休ませてもらいました。気絶するように朝まで眠りましたわ。夜中ノックする音がしたような気がしましたけれど……。
翌朝、清々しい目覚めと共に侍女達が身支度を手伝ってくれました。品の良い薄水色でピンクの小花が散ったドレスですの。新しいドレスは気分がうきうきしますわ。
そして昨夜も遅く帰られたようですが、エドワード様は朝食の席にいらっしゃっていました。ロラン様も既に座られていて、今日は昨日の振り替えでお休みだそうです。
「おはようございます」
「おはよう。おや、今日も可憐で可愛らしい。そのドレスは良く似合っている。素敵だ」
エドワード様の言葉に私は嬉しくて微笑みました。何故かガシャンと食器が鳴りました。ロラン様ったら行儀が悪いですわね。
「……こほん。似合っていて、何よりだ」
「結婚式が楽しみだが、式は簡単にといっても、もう少し派手にしてもいいんじゃないかね?」
「え? あの、それはそちらから……」
……二度目なので家族だけでとのお話を聞いておりますが?
「いいんだ。これ以上目立ちたくない」
「おやおや、そうかね」
「せめてウエディングドレスをもっと派手に……」
「あれでいい。今日は試着をしにいく」
何だがロラン様とエドワード様の会話が噛み合っていないような気がいたします。
「あ、あの。わざわざ、ロラン様に一緒に行っていただかなくても……」
ロラン様に凍るような視線を送られたので私は黙り込みました。
「一緒に衣装を合わさないといけないそうだ」
「え、でも、ロラン様とエドワード様では違いましてよ?」
ロラン様の方が近衛兵ですので鍛えてらっしゃいますし、細マッチョとはいえ、やはりそれぞれ体格は違います。あら、細マッチョって何だったかしら?
私の言葉にお二人は目を見開きましたわ。何かおかしかったかしら?
エドワード様はロラン様にやれやれといった表情をなさいました。
「ロラン、お前は昨夜何をやっていたのだ」
「昨夜はクレアが疲れていて話ができなかったんだ」
エドワード様は額に手を当てて溜息をつかれました。
「クレアさん。念のために聞くが、君は我が家の花嫁になるのだが……」
「ええ、エドワード様のですよね」
私は慎重にエドワード様の言葉に肯いて答えました。
するとガシャンと音とたててロラン様のカップが床に転がり落ちましたわ。お行儀が悪いですわね。
「気分はどうだ?」
「あ、はい。大分良くなりました……」
そう返すと私は伏し目がちに肯いていました。
……これで可憐な怯える令嬢に見えますわね。池ぼちゃされて怯える可憐な令嬢。
でも正直言ってロラン様が来なければ死ぬところでしたわ。何か考えないとこのままではいけません。それにしても一体何が原因なのかしら? 貧乏令嬢が王宮に来たので目障りだったとか? それにしては偶然とはいえ一歩間違えば死ぬところでしたのでリスクが高すぎますわ。
私は黙って考えておりました。どうにかしないとまたあのような目に遭うのも困りますもの。
そう言えばアンから聞いたのではロラン様も令嬢方の結婚候補として人気が高いとか。身分が低いのが少し問題だそうだけど、あれだけのイケメンだから、身分なんて関係ないわときゃーきゃー騒いでいるらしい。まあ、イケメンで王宮エリートの近衛兵だしね。
私は彼の父であるエドワード様と婚約していたので、聞き流してしました。ひょっとして……。今日の池ぼちゃは私とロラン様との仲を勘違いしての嫌がらせだったとか……。それにしても行き過ぎですわ。
落ちてもがいているとくすくす笑っていたのよ。ちょっと酷くない?
「……そもそも直接言って無かったな」
「ええ、直接言ってくれれば……」
私が呟くとロラン様はショックを受けたようでまた厳しい顔をして開けた口を閉じてしまわれました。
やっぱり、ロラン様のことで間違って嫌がらせを受けていたのかもしれませんわ。ロラン様に心当たりがありそうですもの。
エドワード様の家は宰相補佐をなされているので、王宮近くにあり私達を乗せた馬車は館に直ぐ着きました。建物は瀟洒な洋館でとても立派でした。正直子爵家の私の家より全然。明らかに手入れから違います。
館の中のに入ると沢山の使用人が出迎えてくれてあれよあれよと湯船に入れられました。広い湯殿でゆっくりと……、お湯に浸かれませんでしたわ。ごしごしと磨かかれ洗われましたの。
「池の水は臭いがしますので、しっかり洗わないと!」
薔薇の花まで浮かべてくれて、さらに薔薇の良い香りの石鹸でごしごしと肌がひりひりするぐらい擦られました。
正直、終わった時にはよろよろでした。それから美しいナイトガウンまで着せられて私は広い客室のベットで休ませてもらいました。気絶するように朝まで眠りましたわ。夜中ノックする音がしたような気がしましたけれど……。
翌朝、清々しい目覚めと共に侍女達が身支度を手伝ってくれました。品の良い薄水色でピンクの小花が散ったドレスですの。新しいドレスは気分がうきうきしますわ。
そして昨夜も遅く帰られたようですが、エドワード様は朝食の席にいらっしゃっていました。ロラン様も既に座られていて、今日は昨日の振り替えでお休みだそうです。
「おはようございます」
「おはよう。おや、今日も可憐で可愛らしい。そのドレスは良く似合っている。素敵だ」
エドワード様の言葉に私は嬉しくて微笑みました。何故かガシャンと食器が鳴りました。ロラン様ったら行儀が悪いですわね。
「……こほん。似合っていて、何よりだ」
「結婚式が楽しみだが、式は簡単にといっても、もう少し派手にしてもいいんじゃないかね?」
「え? あの、それはそちらから……」
……二度目なので家族だけでとのお話を聞いておりますが?
「いいんだ。これ以上目立ちたくない」
「おやおや、そうかね」
「せめてウエディングドレスをもっと派手に……」
「あれでいい。今日は試着をしにいく」
何だがロラン様とエドワード様の会話が噛み合っていないような気がいたします。
「あ、あの。わざわざ、ロラン様に一緒に行っていただかなくても……」
ロラン様に凍るような視線を送られたので私は黙り込みました。
「一緒に衣装を合わさないといけないそうだ」
「え、でも、ロラン様とエドワード様では違いましてよ?」
ロラン様の方が近衛兵ですので鍛えてらっしゃいますし、細マッチョとはいえ、やはりそれぞれ体格は違います。あら、細マッチョって何だったかしら?
私の言葉にお二人は目を見開きましたわ。何かおかしかったかしら?
エドワード様はロラン様にやれやれといった表情をなさいました。
「ロラン、お前は昨夜何をやっていたのだ」
「昨夜はクレアが疲れていて話ができなかったんだ」
エドワード様は額に手を当てて溜息をつかれました。
「クレアさん。念のために聞くが、君は我が家の花嫁になるのだが……」
「ええ、エドワード様のですよね」
私は慎重にエドワード様の言葉に肯いて答えました。
するとガシャンと音とたててロラン様のカップが床に転がり落ちましたわ。お行儀が悪いですわね。
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