糖度高めな秘密の密会はいかが?

桜井 響華

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糖度3*社員食堂での戯れ

「良かったら、プリン食べて下さい」

「わぁっ、ありがとうございます!食べます!」

綾美は大のスイーツ好き。

年に二回位、スイーツバイキングに一緒に行くが、かなりの量を幸せそうに食べるのだが太らないのが羨ましい。

高橋さんが綾美にミニプリンを差し出すと子供の様に目を輝かせて受け取った。

そんな姿を微笑ましく見ていたら、いつの間にか私のお膳にもミニプリンが置いてあった。

日下部さんが置いたらしい。

「…いらないから食べろ」

「高橋さんとは大違いですね!もっと丁寧に扱って下さいね、プリンも私も!」

私達の会話を聞いて二人が笑い出す。

「…いつもこうなんだよ、この二人」

良からぬ事は吹き込まなくて良いのに、綾美が高橋さんに教えた。

「……えっと、付き合ってるんですか?」

・・・・・・・・・。

高橋さんはどうしてそのような解釈になったのか、誰も彼も一瞬、無言になった。

無言を打ち破ったのは日下部さんで・・・

「まさかっ!保護者として見守ってるだけだ」

と言い切った。

付き合ってはいないけれど、もう少しマシな否定の仕方はなかったの?

私はふとエレベーターの中での出来事を思い出した。

あの時に抱きしめられたのは、ただ単に肌寒かったのと私を落ち着かせる為だけの行為だったのは理解しているけれど、今だに忘れられない。

次の日からは何も代わり映えなく、ガミガミ煩い部長に戻っていたなぁ・・・・・・。

「そうなんですか。仲が良いからてっきり付き合ってるのかと思ってました。だって日下部さん、いつも秋葉さんの話ばかりしてますよ」

高橋さんは先程のお返しとばかりにニヤニヤしながら、日下部さんの話題をネタにした。

「…俺は全く持って身に覚えがない!」

「…でしょうね。日下部さんて酔うと秋葉さんの話ばかりしだして、こないだなん…て…っう!」

日下部さんに口を手で覆い隠された高橋さんは「余計な事はこれ以上言うな」と言われ、ギロりと睨みつけられた。

「何なに!?何て言ったのか聞きたかったなぁ。後でこっそり教えてね、高橋君」

「高橋、言ったらもう飲みに連れて行かないからな!」

高橋さんは二人の板挟みになっていて可哀想だが、私には何の助言も出来なかった。

日下部さんが私の事を話している?

気になりはするけれど、どうせ仕事の事だろうなぁ・・・と思う。

三人がやり取りを続ける中、私は黙々と食べながらその光景を眺めていたのだが、突如として綾美と高橋さんの二人と目があったのだ。

「…え?何?」

二人はニコニコして私を見ているが、日下部さんは機嫌悪そうに見えるし・・・。

「ゆかりさぁ、進展のない彼氏とは別れて、日下部さんと付き合えばいーじゃん!」

話が唐突過ぎて、ついていけない。

日下部さんだって困るでしょう。

考えるまでもないよ、私も日下部さんもその気はないよ。

進展はないかもしれないけれど香坂君の事は大好きだし、日下部さんが今まで付き合ってきたとされる噂の女の子達も華やかなタイプで私とは雲泥の差。

「…五年も一緒に居るけど、日下部さんて華やかな女の子とばっかり付き合ってるから私はタダの同期なんだよ?日下部さんにも好みはあるだろうし…付き合ってた女の子はみんな美人さんだったし…私はそんなんじゃないし…」

口を開かず黙っていれば良かった。

いつもなら直ぐに反応する日下部さんも言い返さないし、どう返答したら良いのか分からず思いついた事を並べる。

香坂君の事を引き合いに出せば良かったんだろうけど、何故だろう?・・・日下部さんには聞かれたくなかった。

恥ずかしいからか、それとも別の感情があるのか・・・自分でも曖昧な何か。

「ゆかりは派手なタイプじゃないけど、可愛いよ。化粧落としても顔が変わらないって元々が可愛いからなんだよ!もっと自信持たないと…!…ね、日下部さん?」

「……はぁっ。杉野、お前は今日残業ね!」

「えぇーっ!?有り得ない!何で?」

先程の話にも現在の話にもどちらにも触れる事はなく、溜め息を一つついて、食べ終わった後のお膳を持ち立ち上がった日下部さんは下膳置き場に向かう。

上手くはぐらかされた様な感じ。

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