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糖度6*年明け1日目のお仕事
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新年が明けて、初出勤の日です。
年末年始は、実家にも帰省せずに香坂君とのんびりまったり過ごしてしまった私。
『あけおめ』と実家から電話が来たけれど、新年早々から結婚がどうのお見合いがどうのとかうるさいから即切りしてしまった。
実家は隣県なので行こうと思えばいつでも行けるから、まぁいっかと思いながら。
忘年会が終わった次の日の29日から年明けの4日までが休みで、5日からは出勤なのだが遊び過ぎたせいか身体がだるい。
綾美が『渋谷のイルミがとても綺麗だったから行ってみなよ』と言っていたので終了する前にと出かけたり、初売りに行ったり。
大晦日の夜に香坂君と二人で飲みすぎてしまい、初詣に行くハズが起きたら夕方になっていて二人で驚いたり。
身体がだるい原因は遊び過ぎだけじゃなくて、香坂君と一緒にベッドで眠るからだと思う。
『今日はもう寝るね』って香坂君が自分で言ったくせに結局、夜更かしするはめになったり。
「これ、確認お願いします」
綾美が来てパサッと用紙を私のデスクに置いたので、資料だと思ったら何だか変?
以前にプレゼンが終了した資料で、よく良くみると大きい付箋に手紙が書かれていた。
"課長は家族でハワイだって。佐藤さんも旅行で休みだし、私も旅行行きたかったなぁ…と思って、思いつきだけど会議もないから来週は有給を使い旅行行ってくる(^^♪"
りょ、旅行!?
皆が旅行に行ってるから、綾美は仕事中に旅行に行きたくなってしまったんだね!?
分かる、私も行きたいもん。
イタリアとか行ってみたいの。
成人の日まで有給を使い、帰省や旅行する人も居るが、私はウェディングの仕事が山ほどあるからそうも行かなかった。
社長が楽しみにしてると仰って下さったので今が正念場と思い、我ながら頑張っている。
「再度確認お願いします」
"どこ行くの?お昼に話を聞かせてね。あと高橋さんの件も気になってるから|ω・)"と書いて先程の資料に貼り付けて綾美のデスクに置く。
会社のメールでやり取りする時もあるけれど、綾美と交互にタイピングしていたら日下部さんに見抜かれた時があったので、ダミーの資料に付箋を貼り付けて届けるやり取りもしている。
日下部さんに見つかると大変なので目を盗んで1日1回、メール又は付箋のやり取りで1返信までと決めている。
デスクワークが多い時の私と綾美だけの息抜き方法。
「杉野、午後からマネージャーの同行オッケーだって。内線代わって」
「はぁい、ありがとうございます」
どうやら綾美は午後はエリアマネージャーと一緒に同行して商品調査をするらしい。
お昼の時間も綾美はゆっくりして居られなそうかなぁ。
綾美が居なくなると、今日の企画開発部は人が少ないから、いらない事まで日下部さんに頼まれそうだなぁ。
よしっ、今日は絶対に残業しないって決めた。
ダルいし、頭が痛くなってきたし。
あと2日、3日の内には女の子の日が訪れる予定なので、もしかしたらソレのせいで余計にダルいのかも。
眠気も出てきたら、確実にやってくるね。
香坂君のアパートにずっといるけれど、そうもいかないな。
「秋葉、ちょっと来て。話があるから。ついでにコーヒーのおかわり持って来て」
デスクから私を呼びつけた日下部さんは、コーヒーのおかわりも要求してきた。
上司の特権と言うか、私には遠慮がナシだから頼むのか知らないが、いつも思うけれど"自分で歩け!"
私はコーヒーマシンの前まで行くと、意地悪を思いつき、カフェオレを選択してボタンを押した。
機械はレンタルしていて社員が月々割り勘で豆等を購入。
他にココアやミルクティもある、ドリンクバーの機械の様なもの。
「はい、どうぞ」
「ありがとう…って、カフェオレか?甘いし。いつもブラックだろ?」
コーヒーを手渡すと、日下部さんは中身も見ずにひと口飲んだだけで異変に気づいた様だ。
「すみません、押し間違えました」
本当はわざとです。
「まったくお前は…!」とブツブツ愚痴を言った後に、
「こないだの忘年会のホテルから来月初めのブライダルフェアに顔出してくれないかだって。ブライダルのマネージャーが会いたいらしい」
と話を続けた。
「え?何で私?営業さんじゃなくて?」
「営業とか広報部とは別に個人的に話がしたいそうだ」
個人的に?
「俺も行くし、杉野も誘っていいぞ」
「分かりました」
ブライダルフェアかぁ。
当たり前だけど、一度も行った事ないよね。
どんな感じかなぁ?
楽しみかも・・・・・・!
「今日は朝から休みボケで気の抜けた顔してると思ってたけど…今度は口元ニヤけてるぞ」
「楽しみだからブライダルフェア。初めて行くからワクワクする」
「初めて行く相手がアイツじゃなくて俺で残念だったな!」
「あ!そうだった!」
「あからさまだな、お前は…」
日下部さんのデスク近くで話していると、他の社員にも聞こえていたらしく、
「ブライダルフェアかぁ、懐かしい」
「え!?行った事あるんですか、山口さん?」
「当たり前じゃない、今の旦那と結婚する前に行ったのよ。もう、馬鹿にしないで」
「早く結婚したい!」
とか話し声がチラホラ。
今日は仕事初めというのもあって、比較的穏やかな職場の雰囲気。
日下部さんにうるさく言われないで済みそうな一日。
年末年始は、実家にも帰省せずに香坂君とのんびりまったり過ごしてしまった私。
『あけおめ』と実家から電話が来たけれど、新年早々から結婚がどうのお見合いがどうのとかうるさいから即切りしてしまった。
実家は隣県なので行こうと思えばいつでも行けるから、まぁいっかと思いながら。
忘年会が終わった次の日の29日から年明けの4日までが休みで、5日からは出勤なのだが遊び過ぎたせいか身体がだるい。
綾美が『渋谷のイルミがとても綺麗だったから行ってみなよ』と言っていたので終了する前にと出かけたり、初売りに行ったり。
大晦日の夜に香坂君と二人で飲みすぎてしまい、初詣に行くハズが起きたら夕方になっていて二人で驚いたり。
身体がだるい原因は遊び過ぎだけじゃなくて、香坂君と一緒にベッドで眠るからだと思う。
『今日はもう寝るね』って香坂君が自分で言ったくせに結局、夜更かしするはめになったり。
「これ、確認お願いします」
綾美が来てパサッと用紙を私のデスクに置いたので、資料だと思ったら何だか変?
以前にプレゼンが終了した資料で、よく良くみると大きい付箋に手紙が書かれていた。
"課長は家族でハワイだって。佐藤さんも旅行で休みだし、私も旅行行きたかったなぁ…と思って、思いつきだけど会議もないから来週は有給を使い旅行行ってくる(^^♪"
りょ、旅行!?
皆が旅行に行ってるから、綾美は仕事中に旅行に行きたくなってしまったんだね!?
分かる、私も行きたいもん。
イタリアとか行ってみたいの。
成人の日まで有給を使い、帰省や旅行する人も居るが、私はウェディングの仕事が山ほどあるからそうも行かなかった。
社長が楽しみにしてると仰って下さったので今が正念場と思い、我ながら頑張っている。
「再度確認お願いします」
"どこ行くの?お昼に話を聞かせてね。あと高橋さんの件も気になってるから|ω・)"と書いて先程の資料に貼り付けて綾美のデスクに置く。
会社のメールでやり取りする時もあるけれど、綾美と交互にタイピングしていたら日下部さんに見抜かれた時があったので、ダミーの資料に付箋を貼り付けて届けるやり取りもしている。
日下部さんに見つかると大変なので目を盗んで1日1回、メール又は付箋のやり取りで1返信までと決めている。
デスクワークが多い時の私と綾美だけの息抜き方法。
「杉野、午後からマネージャーの同行オッケーだって。内線代わって」
「はぁい、ありがとうございます」
どうやら綾美は午後はエリアマネージャーと一緒に同行して商品調査をするらしい。
お昼の時間も綾美はゆっくりして居られなそうかなぁ。
綾美が居なくなると、今日の企画開発部は人が少ないから、いらない事まで日下部さんに頼まれそうだなぁ。
よしっ、今日は絶対に残業しないって決めた。
ダルいし、頭が痛くなってきたし。
あと2日、3日の内には女の子の日が訪れる予定なので、もしかしたらソレのせいで余計にダルいのかも。
眠気も出てきたら、確実にやってくるね。
香坂君のアパートにずっといるけれど、そうもいかないな。
「秋葉、ちょっと来て。話があるから。ついでにコーヒーのおかわり持って来て」
デスクから私を呼びつけた日下部さんは、コーヒーのおかわりも要求してきた。
上司の特権と言うか、私には遠慮がナシだから頼むのか知らないが、いつも思うけれど"自分で歩け!"
私はコーヒーマシンの前まで行くと、意地悪を思いつき、カフェオレを選択してボタンを押した。
機械はレンタルしていて社員が月々割り勘で豆等を購入。
他にココアやミルクティもある、ドリンクバーの機械の様なもの。
「はい、どうぞ」
「ありがとう…って、カフェオレか?甘いし。いつもブラックだろ?」
コーヒーを手渡すと、日下部さんは中身も見ずにひと口飲んだだけで異変に気づいた様だ。
「すみません、押し間違えました」
本当はわざとです。
「まったくお前は…!」とブツブツ愚痴を言った後に、
「こないだの忘年会のホテルから来月初めのブライダルフェアに顔出してくれないかだって。ブライダルのマネージャーが会いたいらしい」
と話を続けた。
「え?何で私?営業さんじゃなくて?」
「営業とか広報部とは別に個人的に話がしたいそうだ」
個人的に?
「俺も行くし、杉野も誘っていいぞ」
「分かりました」
ブライダルフェアかぁ。
当たり前だけど、一度も行った事ないよね。
どんな感じかなぁ?
楽しみかも・・・・・・!
「今日は朝から休みボケで気の抜けた顔してると思ってたけど…今度は口元ニヤけてるぞ」
「楽しみだからブライダルフェア。初めて行くからワクワクする」
「初めて行く相手がアイツじゃなくて俺で残念だったな!」
「あ!そうだった!」
「あからさまだな、お前は…」
日下部さんのデスク近くで話していると、他の社員にも聞こえていたらしく、
「ブライダルフェアかぁ、懐かしい」
「え!?行った事あるんですか、山口さん?」
「当たり前じゃない、今の旦那と結婚する前に行ったのよ。もう、馬鹿にしないで」
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