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糖度10*待ちに待ったGW
3
海辺に付くと、先客の彼氏彼女が何組か来ていて、遠くでははしゃぐ声が聞こえる。
海水をお互いにかけっこしている様だった。
「まだ冷たいね…」
波打ち際の海水を触ってみると、まだ冷たくて足を入れたら冷えそうな感じ。
「また夏になったら来よう。ゆかりの水着も見たいし…」
「私、泳げないからプールとか行かない派だった。だから水着持ってない」
「じゃあ、今度買いに行こう。泳げない訳ではないけど…俺もプールとか行かなかったから、一緒に行ってみよう」
「浮き輪がないと本当に無理なの!だから行かない!」
金づちではないけれど、上手に泳げなくて、何とか頑張って25メートルをクロールで泳げる位だ。
調子悪い時は泳ぎ切らずに足をついてしまうから、水泳大会は嫌いだった。
「浮き輪も持って…人数が多い方が楽しいから杉野さん達も誘ってみよ。都内にもプールあるし、ビアガーデンもあるし、杉野さんも誘ったらきっと来るよ」
それはつまり、プールよりもビアガーデンで綾美を釣ろうと言う考えだと思われる。
恐るべし、戦略家。
「スニーカー持って来て良かったね」
「うん、海辺歩くのにちょうど良い」
旅行前に有澄とお揃いのサイズ違いのスニーカーを購入。
ウィンドウショッピングしていたら、たまたま目に入ったものでブランド物ではないけれど、サイズも充実していて迷わず購入した。
スニーカーは初めてのお揃い。
ホテルのブライダルフェアには履いて行けないので替えの靴を持参していた。
「うわ、急に撮らないで!」
有澄は砂の上に座って海を眺めていたので、その姿を望遠付きの一眼レフで写真を撮る。
「貸して、撮ってみたいから」
しゃがんで連写で撮影したら、有澄は照れているのか私からカメラを奪おうとする。
「やだ、自分は撮られたくない!」
「おかしいでしょ、人の事は勝手に撮っておいて、自分は駄目だって!」
有澄とじゃれ合っていて、砂の上に身体が倒れた。
カメラは手に握ったままだったので無事だったが、自分の身体は砂だらけ。
「今のはゆかりが悪い」と言い、砂だらけの私を見下ろす様に見ていた有澄も寝そべる。
「子供の頃、海に連れて行ってくれたのは両親じゃなくて相良の祖父だった。相良の祖父と祖母は家に仕えていたお手伝いさんで、子供の頃の友達も相良しかいなかった。
両親よりも傍にいてくれた人だったけど、高校生の時に亡くなって、祖母も後を追うように亡くなったんだ。身内よりも大切だった」
波の音を聞き、空を見上げて、急に思い出した様に語る昔話。
有澄の目にはうっすらと涙が浮かんでいるような気がしたので、指でぬぐう。
指は少し濡れたので、やっぱり少し涙ぐんでいたのだろう。
「ゆかりは居なくならないでね」
有澄は涙のついた指を掴んで、ゆっくりと唇を重ねた。
「…この場所が砂浜だと言う事を酷く後悔してる。何にも出来ない!」
……エロガキめ。
自分の感情を押し殺す為のキスと誤魔化しなのは知っている。
私にも答えを求めない事も知っている。
有澄はごく稀にしかは自分の過去は語らない。
もっと知りたい部分もあるけれど、闇に触れてはいけない。
たまに思う、有澄の心の中には深い闇があると言う事を───・・・・・・
「あっ!有澄、あそこに光ってるのはもしかして…!」
「え!?何!?」
寝そべっていたら、砂の上で太陽の光に反射している小さい物を発見した。
これは、もしかして!?
私は砂だらけの身体のまま起き上がり、小さい物を探しに行く。
「石にしては綺麗だね。ガラス?」
有澄も追いかけるように着いてきて、二人でしゃがむ。
「シーグラスって言って、ガラスの破片が波に揺られた時に小石や砂に削られて、角が丸くなった物だよ。私も最近、知ったんだけどね。海に来たら探して見ようって思ってたの」
見つけたのは青くて綺麗なシーグラス。
「それで、チャック付きの袋を持って来たんだ。てっきり、貝殻でも探すのかと思ってた」
「貝殻探し懐かしいな。小学生以来かな?綺麗な貝殻も見つけたら入れてね」
私達は海辺でシーグラスと貝殻探しに没頭して、気づけば夕方。
潮風が吹いて、何となく肌寒く感じてきたのでホテルに戻る事にした。
背中と髪の毛が砂だらけで、ホテルに入る前に落とすのが大変だった。
客室に戻り、浴衣に着替えてからホテルの中の温泉場に向かう。
女性の浴衣は選べる様になっていて、私は蝶々と紫陽花が描かれている薄紫色の浴衣を選んだ。
ホテルの最上階にある温泉場は海が一望出来て、客室からとはまた違った見え方。
まるで海の中にいるような感覚。
夕暮れ時で、太陽が海に沈んでいく。
「有澄の拾ったシーグラス、お砂糖のかかったグミみたい。可愛いらしいね」
温泉に入り夕食まで時間があったので、シーグラスをテーブルに並べて鑑賞会。
「探してみると結構あったね。この緑のが好き」
海水をお互いにかけっこしている様だった。
「まだ冷たいね…」
波打ち際の海水を触ってみると、まだ冷たくて足を入れたら冷えそうな感じ。
「また夏になったら来よう。ゆかりの水着も見たいし…」
「私、泳げないからプールとか行かない派だった。だから水着持ってない」
「じゃあ、今度買いに行こう。泳げない訳ではないけど…俺もプールとか行かなかったから、一緒に行ってみよう」
「浮き輪がないと本当に無理なの!だから行かない!」
金づちではないけれど、上手に泳げなくて、何とか頑張って25メートルをクロールで泳げる位だ。
調子悪い時は泳ぎ切らずに足をついてしまうから、水泳大会は嫌いだった。
「浮き輪も持って…人数が多い方が楽しいから杉野さん達も誘ってみよ。都内にもプールあるし、ビアガーデンもあるし、杉野さんも誘ったらきっと来るよ」
それはつまり、プールよりもビアガーデンで綾美を釣ろうと言う考えだと思われる。
恐るべし、戦略家。
「スニーカー持って来て良かったね」
「うん、海辺歩くのにちょうど良い」
旅行前に有澄とお揃いのサイズ違いのスニーカーを購入。
ウィンドウショッピングしていたら、たまたま目に入ったものでブランド物ではないけれど、サイズも充実していて迷わず購入した。
スニーカーは初めてのお揃い。
ホテルのブライダルフェアには履いて行けないので替えの靴を持参していた。
「うわ、急に撮らないで!」
有澄は砂の上に座って海を眺めていたので、その姿を望遠付きの一眼レフで写真を撮る。
「貸して、撮ってみたいから」
しゃがんで連写で撮影したら、有澄は照れているのか私からカメラを奪おうとする。
「やだ、自分は撮られたくない!」
「おかしいでしょ、人の事は勝手に撮っておいて、自分は駄目だって!」
有澄とじゃれ合っていて、砂の上に身体が倒れた。
カメラは手に握ったままだったので無事だったが、自分の身体は砂だらけ。
「今のはゆかりが悪い」と言い、砂だらけの私を見下ろす様に見ていた有澄も寝そべる。
「子供の頃、海に連れて行ってくれたのは両親じゃなくて相良の祖父だった。相良の祖父と祖母は家に仕えていたお手伝いさんで、子供の頃の友達も相良しかいなかった。
両親よりも傍にいてくれた人だったけど、高校生の時に亡くなって、祖母も後を追うように亡くなったんだ。身内よりも大切だった」
波の音を聞き、空を見上げて、急に思い出した様に語る昔話。
有澄の目にはうっすらと涙が浮かんでいるような気がしたので、指でぬぐう。
指は少し濡れたので、やっぱり少し涙ぐんでいたのだろう。
「ゆかりは居なくならないでね」
有澄は涙のついた指を掴んで、ゆっくりと唇を重ねた。
「…この場所が砂浜だと言う事を酷く後悔してる。何にも出来ない!」
……エロガキめ。
自分の感情を押し殺す為のキスと誤魔化しなのは知っている。
私にも答えを求めない事も知っている。
有澄はごく稀にしかは自分の過去は語らない。
もっと知りたい部分もあるけれど、闇に触れてはいけない。
たまに思う、有澄の心の中には深い闇があると言う事を───・・・・・・
「あっ!有澄、あそこに光ってるのはもしかして…!」
「え!?何!?」
寝そべっていたら、砂の上で太陽の光に反射している小さい物を発見した。
これは、もしかして!?
私は砂だらけの身体のまま起き上がり、小さい物を探しに行く。
「石にしては綺麗だね。ガラス?」
有澄も追いかけるように着いてきて、二人でしゃがむ。
「シーグラスって言って、ガラスの破片が波に揺られた時に小石や砂に削られて、角が丸くなった物だよ。私も最近、知ったんだけどね。海に来たら探して見ようって思ってたの」
見つけたのは青くて綺麗なシーグラス。
「それで、チャック付きの袋を持って来たんだ。てっきり、貝殻でも探すのかと思ってた」
「貝殻探し懐かしいな。小学生以来かな?綺麗な貝殻も見つけたら入れてね」
私達は海辺でシーグラスと貝殻探しに没頭して、気づけば夕方。
潮風が吹いて、何となく肌寒く感じてきたのでホテルに戻る事にした。
背中と髪の毛が砂だらけで、ホテルに入る前に落とすのが大変だった。
客室に戻り、浴衣に着替えてからホテルの中の温泉場に向かう。
女性の浴衣は選べる様になっていて、私は蝶々と紫陽花が描かれている薄紫色の浴衣を選んだ。
ホテルの最上階にある温泉場は海が一望出来て、客室からとはまた違った見え方。
まるで海の中にいるような感覚。
夕暮れ時で、太陽が海に沈んでいく。
「有澄の拾ったシーグラス、お砂糖のかかったグミみたい。可愛いらしいね」
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