糖度高めな秘密の密会はいかが?

桜井 響華

文字の大きさ
45 / 73
糖度10*待ちに待ったGW

有澄が見つけたグミみたいな物、透き通った綺麗な緑色の物、水色のサイダーキャンディみたいな物・・・他にもいくつか拾えて、綺麗な貝殻も2つ。

「帰ったら瓶に詰めて飾ってもいい?」

「うん、明日の帰りに入れる瓶を探しに行こう」

ソファーに座って眺めていると、横に居た有澄が私の膝に頭を乗せて寝転んだ。

「夕食来るまで、ちょっとだけ…寝させて」

「うん」

疲れていたのか、横になると直ぐに寝息を立てて寝てしまった。

まつ毛長いし、色素が薄くて茶色がかった髪の毛がサラサラしている。

有澄は小さい頃からこげ茶色が地毛だったので、髪は一切カラーリングをしていないらしい。

膝の上で寝ているのから、身動きが取れない。

テーブルに置いてあるカメラの画像を確認しようにも、手が届かない。

動けないので有澄の寝顔を見ながら、髪の毛を撫でていたら、私もちょっと眠くなってしまった。

目を閉じたら、波の音と広がる海が浮かんで来て、シーグラス探しは楽しかったなぁって考えていた。

「……んっ。あれっ!?」

うっすらと目を開けるとベッドに移動されていて、慌てて飛び起きた。

視界に入ったテーブルには食事が用意されていた。

「良く寝てたから食事の時間をずらして貰って、さっき届いたばかりだよ」

時計を見たら19時を過ぎていて、1時間以上も寝ていたのかもしれない・・・。

「ごめんね、結局、私が寝てしまって…」

「大丈夫…でも」

「………?」

「見るに耐えない位に浴衣がはだけていたから、俺的にまずかったので移動しただけ」

うわー。

それは恥ずかしすぎる。

何という失態。

トイレに行って鏡を見ると温泉に入って整えた髪の毛もボサボサで、本当に寝起きって感じ。

有澄の家では、朝は先に起きてご飯作るから、ここまで酷いのはなかったハズだ。

少しだけ髪の毛をとかして、簡単におダンゴにしちゃお。

「いただきます」

気を取り直して、豪華な夕食に舌づつみを打つ。

「伊勢海老のお刺身、初めて食べた!甘い!お肉も美味しいね」

カシャッ。

カシャッカシャッカシャッ。

油断していたが、カメラは有澄の手に渡っていた様で連写する音が聞こえた。

「写り悪いのは後から消すからね」

「俺が撮ったのは全部可愛いよ」

「もうっ、言い方が軽すぎる!」

笑いながらの夕食を終えて、露天風呂のすぐ横にある籐のソファーに座りながらシャンパンを飲む。

食器も下げてもらったし、誰にも邪魔されない二人だけの時間。

「怖いくらいに星が綺麗で吸い込まれそう…」

「こんなに沢山の星を見たのは久しぶり。産まれた時から東京暮しだと星は見えないから」

「有澄の実家って…どこ?」

「渋谷区松濤。…これだけを聞くと金目当ての奴は寄ってくるけど…ゆかりは逆に引いてるよね?」

"渋谷区松濤"──東京に引っ越ししてすぐ、一人で渋谷を歩いていたら迷いに迷って辿り着いた場所なので実に思い出深く、後にこの場所が高級住宅街だったと日下部さんに教えられた。

高級住宅街と言えば、"白金"しか知らなかったのだが、就職が決まりアパート探しをする内に白金以外にも沢山の高級住宅街がある事を知った。

「周りに居ないから…御曹司とか、社長とか…。スケール違い過ぎて私には想像出来ない世界なんだもん」

今日だって、社会人になって初めて贅沢したぞって感じのスイートルームを予約するのにも勇気が必要だったし。

もっと安い場所もあったとは思うけれど、有澄が一生懸命に探してくれたから後悔はしてない。

旅行の為に二人で貯めたお金だから、思い出になるなら惜しまない事にした。

「俺は皆が思うより、贅沢もしてないと思う。お手伝いさんの相良の祖父母はいたし、学校も私立のエスカレーター式のそれなりの学校には行かせて貰ったけど…ここまで聞くと御曹司って感じするでしょ?」

「うん、思う。私なんて公立の小中高だったよ。専門学校だってバイトしながらだったし…」

私の想像する御曹司って何だろう?

高級マンションに住んでいて、運転手の送り迎え付きの私立の有名エスカレーター式の学校、食事もフレンチみたいなのかな?

私の御曹司の想像って貧相かな?

「テレビみたいに送り迎えがあったのは小学2年迄で、3年からは一人で小学校まで通ってたよ。
お小遣いも貰いたいならお手伝いしなさいと母に言われ、高校大学は母の会社でバイトしながらだったから勉強が大変だった」

「有澄の話、もっと聞きたい。聞いてもいい?」

「…楽しい話じゃないよ?いいの?」

「嫌じゃなかったら聞かせて。有澄の事もっと知りたいから」

「ゆかり…」

有澄の左手が頬に触れて、顔が近付く。

「駄目っ。話聞いてから!」

雰囲気に流されてキスしたら最後、話が聞けない流れになってしまうから、有澄の口を手で塞いで阻止した。
感想 1

あなたにおすすめの小説

絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。

孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。 その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。 そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。 同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。 春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。 昔から志穂が近くにいてくれるから……。 しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。 登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。 志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。 彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。 志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。 そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。 その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

フッてくれてありがとう

nanahi
恋愛
【25th Anniversary CUP】にて、最終ランキング3位に入りました。投票してくださった皆様、読んでくださった皆様、ありがとうございました! 「子どもができたんだ」 ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。 「誰の」 私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。 でも私は知っている。 大学生時代の元カノだ。 「じゃあ。元気で」 彼からは謝罪の一言さえなかった。 下を向き、私はひたすら涙を流した。 それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。 過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! ✽全28話完結 ✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 ✽他誌にも掲載中です。 ✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。 →表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。

**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密

まさき
恋愛
 俺は今、東大院生の実験対象になっている。  ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。  「家庭教師です。住まわせてください」  突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。  桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。  偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。  咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。  距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。  「データじゃなくて、私がそう思っています」  嘘をついているような顔じゃなかった。  偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。  不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?