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糖度11*戦う女!
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自惚れてるのかもしれない、もしかしたら勘違いしてるのかもしれないけれど・・・私に好意を持ってくれているのなら、日下部さんが傷つかないように1つ1つ言葉を選びながら話さないといけない。
日下部さんの事は嫌いじゃない、同期として、上司としては好き。
けれども、"恋"じゃなかった。
「有澄と初めて出かけたのは、日下部さんがカフェに来てビールを飲んでた日です。それから会う回数が増えて付き合う様になりました。
お店で話をする度に可愛い男の子だなって思っていたので、一目惚れだったんだと思います。とても紳士的で私にとっては王子様なんですよ」
あの日、カフェに来た日下部さんは機嫌が悪そうだった。
まだ有澄と出かけるとは知らなかったハズだけれど・・・。
あの時、本当は何しに来たんだろう?
「…馴れ初めは聞いてない」
「……うぅぅぅ。そんな事言ったって」
「プレゼンもそれだけ上手く出来たら最高なんだけど…」
少し位はこっちを向いて話してくれても良いのにタブレットを操作したまま、絶対に見ようとしない。
もしかしたら、もしかしなくても、きっと───!!
「…もしかしてゲームしてます?」
日下部さんはだんまりを決め込んだので、正解だろう。
私はデスクに戻って、指示書作りの続きをする事にした。
一先ず、指示書が終わったら帰るっ!
「…あの日、連れ去っちゃえば良かったなって後悔してる。独り言だけど」
カチャカチャとキーボードを叩く音に紛れて聞こえて来た言葉は、私には返答出来るはずもなく聞き流してしまった。
"独り言"なんだから良いよね、だって何て返したら良いのか分からないもの。
一目惚れからの成り行き任せで始まった恋だけれど、今はとても大切にしている。
日下部さんにドキドキした日は、今までそんな素振りを見せなかったのに見せられたから・・・と言う事にしておこう。
もう忘れなきゃ、秘密にしとかなきゃ。
その後の私達は仕事に没頭し、お互いに無言。
「日下部さん、予定まで終わりました。帰りまーす。日下部さん…?」
返答がないので近寄ってみると、頬ずえついて寝ていたらしい。
私用のノートパソコンが開きっぱなしで、その横にあったのは手書きの企画書らしきもの。
思わず手に取って見てみると、"新規オープンに向けての転換スタッフ要員"とのメモ書きで、知っている名前は綾美と高橋さんがあった。
私の名前は一覧には見当たらない。
自分の方向にノートパソコンを向けて覗いて見ると、新規設立の輸入雑貨店とあった。
何だろう、これ?───・・・・・・
「勝手に見るな」
「…きゃっ……!?」
ノートパソコンに触れていた手を突然掴まれて、私は驚いて声を上げてしまった。
「日下部さん、これ、何?」
「…お前には関係ない事だ。終わったなら帰るぞ」
『お前には関係ない』と言い切られたら、私は何も言うことなんて出来ない。
だって、その用紙に私の名前など無いのだから───・・・・・・
「分かりました」と言おうとしたら、背後からフラッシュの様な光が薄暗い廊下から見えた。
何だろう・・・?
後ろを振り向いたら小走りで人が過ぎ去るのが見えたので、もしやと思い、私も飛び出す。
「秋葉っ、待て!」って聞こえたけれど、待っていたら逃げられてしまう。
今のは写真に撮られたんだ、きっと。
日下部さんとのツーショットを狙っていたに違いない。
逃げ去った人がエレベーターのボタンを押そうとしているので腕を掴み、咄嗟に振り向いた人物は多岐川さんだった。
「離せっ!」
「嫌っ、離さない!話を聞いて!」
「腕痛いんだよ!ふざけんな!お前なんて、すぐ捨てられるんだよ!自惚れてんじゃねーよ!」
「話を聞くまで離さない!お願いだから聞いてっ!」
もうこれ以上、迷惑をかけたくないから声を荒らげて捕まえたまま、話し出す。
「あのね、」と言った時にエレベーターが開いたけれど私はお構い無しに話を続ける。
「私の事が気に入らないなら私だけに攻撃してよ!何で皆を巻き込むの?これ以上、迷惑かけないでよっ」
「痛いです、秋葉さん。副社長、助けて下さい。秋葉さんが言いがかりをつけてくるんですっ」
エレベーターから降りてきたのは有澄。
目の前に有澄が居たのでお迎えに来てくれたのは分かってるけれど、居るからといって話を止める気はない。
多岐川さんに理解して貰おうとは思わないけれど、気持ちは伝えたい。
「…とりあえず、秋葉さんは手を離して落ち着いて。隠れてる夜警さんも出て来て下さいね」
有澄はニッコリと満面な笑顔を浮かべながら、私の手を多岐川さんの腕から引き離す。
自由になった多岐川さんは有澄の後ろにコソコソと隠れる。
壁際に隠れて居た夜の警備員もおずおずと姿を現した。
「私は二股なんてしていないし、皆にメールまでして…日下部さんも副社長も傷付くと思わないの?
多岐川さんの好きな日下部さんが会社中の人に変な目で見られるんだよ?私だったら、大好きな人がそんな風に好奇心だけで、有りもしない事を言われたりするのは耐えられないよ」
日下部さんの事は嫌いじゃない、同期として、上司としては好き。
けれども、"恋"じゃなかった。
「有澄と初めて出かけたのは、日下部さんがカフェに来てビールを飲んでた日です。それから会う回数が増えて付き合う様になりました。
お店で話をする度に可愛い男の子だなって思っていたので、一目惚れだったんだと思います。とても紳士的で私にとっては王子様なんですよ」
あの日、カフェに来た日下部さんは機嫌が悪そうだった。
まだ有澄と出かけるとは知らなかったハズだけれど・・・。
あの時、本当は何しに来たんだろう?
「…馴れ初めは聞いてない」
「……うぅぅぅ。そんな事言ったって」
「プレゼンもそれだけ上手く出来たら最高なんだけど…」
少し位はこっちを向いて話してくれても良いのにタブレットを操作したまま、絶対に見ようとしない。
もしかしたら、もしかしなくても、きっと───!!
「…もしかしてゲームしてます?」
日下部さんはだんまりを決め込んだので、正解だろう。
私はデスクに戻って、指示書作りの続きをする事にした。
一先ず、指示書が終わったら帰るっ!
「…あの日、連れ去っちゃえば良かったなって後悔してる。独り言だけど」
カチャカチャとキーボードを叩く音に紛れて聞こえて来た言葉は、私には返答出来るはずもなく聞き流してしまった。
"独り言"なんだから良いよね、だって何て返したら良いのか分からないもの。
一目惚れからの成り行き任せで始まった恋だけれど、今はとても大切にしている。
日下部さんにドキドキした日は、今までそんな素振りを見せなかったのに見せられたから・・・と言う事にしておこう。
もう忘れなきゃ、秘密にしとかなきゃ。
その後の私達は仕事に没頭し、お互いに無言。
「日下部さん、予定まで終わりました。帰りまーす。日下部さん…?」
返答がないので近寄ってみると、頬ずえついて寝ていたらしい。
私用のノートパソコンが開きっぱなしで、その横にあったのは手書きの企画書らしきもの。
思わず手に取って見てみると、"新規オープンに向けての転換スタッフ要員"とのメモ書きで、知っている名前は綾美と高橋さんがあった。
私の名前は一覧には見当たらない。
自分の方向にノートパソコンを向けて覗いて見ると、新規設立の輸入雑貨店とあった。
何だろう、これ?───・・・・・・
「勝手に見るな」
「…きゃっ……!?」
ノートパソコンに触れていた手を突然掴まれて、私は驚いて声を上げてしまった。
「日下部さん、これ、何?」
「…お前には関係ない事だ。終わったなら帰るぞ」
『お前には関係ない』と言い切られたら、私は何も言うことなんて出来ない。
だって、その用紙に私の名前など無いのだから───・・・・・・
「分かりました」と言おうとしたら、背後からフラッシュの様な光が薄暗い廊下から見えた。
何だろう・・・?
後ろを振り向いたら小走りで人が過ぎ去るのが見えたので、もしやと思い、私も飛び出す。
「秋葉っ、待て!」って聞こえたけれど、待っていたら逃げられてしまう。
今のは写真に撮られたんだ、きっと。
日下部さんとのツーショットを狙っていたに違いない。
逃げ去った人がエレベーターのボタンを押そうとしているので腕を掴み、咄嗟に振り向いた人物は多岐川さんだった。
「離せっ!」
「嫌っ、離さない!話を聞いて!」
「腕痛いんだよ!ふざけんな!お前なんて、すぐ捨てられるんだよ!自惚れてんじゃねーよ!」
「話を聞くまで離さない!お願いだから聞いてっ!」
もうこれ以上、迷惑をかけたくないから声を荒らげて捕まえたまま、話し出す。
「あのね、」と言った時にエレベーターが開いたけれど私はお構い無しに話を続ける。
「私の事が気に入らないなら私だけに攻撃してよ!何で皆を巻き込むの?これ以上、迷惑かけないでよっ」
「痛いです、秋葉さん。副社長、助けて下さい。秋葉さんが言いがかりをつけてくるんですっ」
エレベーターから降りてきたのは有澄。
目の前に有澄が居たのでお迎えに来てくれたのは分かってるけれど、居るからといって話を止める気はない。
多岐川さんに理解して貰おうとは思わないけれど、気持ちは伝えたい。
「…とりあえず、秋葉さんは手を離して落ち着いて。隠れてる夜警さんも出て来て下さいね」
有澄はニッコリと満面な笑顔を浮かべながら、私の手を多岐川さんの腕から引き離す。
自由になった多岐川さんは有澄の後ろにコソコソと隠れる。
壁際に隠れて居た夜の警備員もおずおずと姿を現した。
「私は二股なんてしていないし、皆にメールまでして…日下部さんも副社長も傷付くと思わないの?
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