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二十二、凛然
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「兄上は、間に合ったでしょうか…お鶴」
義久らがこの東雲城を発つこと、早三日。
文が届くこともなければ、使者が戻る気配もない。
いくら信じて待つと言えども、戦場では何が起こるか予測出来ない。
葵は、不安で胸が押し潰されそうだった。
「そんなに心配なさらずとも大丈夫でございます。きっと今頃は義久様、兄上様、両名御無事にて敵将を討ち破っておりますよ」
一方お鶴は、自身の不安を一切見せることなく、凛と構えている。
「それにつけましても、何故、兄上様へ斯様な書状を送られたのですか?」
むしろお鶴はそちらが気になって仕方がない。
奢っているわけではないが、お鶴は自国の軍事力に全幅の信頼を寄せていた。
援軍などなくとも、彼らは必ずや勝利を収め、無事に帰還するに違いないと確信していたのである。
「お鶴の言わんとするところは分かっております。ですが、此度の戦の原因は私の故郷と私自身。本来ならば、私が戦場に出るべきなのですが、それも叶わぬこと」
葵は膝の上の愛刀をきつく握り締める。
「…ここで兄上に頼ってしまうのは卑怯なのでしょう。しかし、遅かれ早かれ、父上と兄上は此度の戦に気づかれるはずです。隣国の動きには、国境沿いの民が常に目を光らせておりますから。きっと兄上は、事情を知ればすぐさま出陣し、無茶な戦いをなさってしまう。それならば、予め敵方の情報をお知らせした方が――」
言い訳じみていますね、と葵は苦笑した。
お鶴は優しく笑った。
「言い訳などではございませんよ。確かに、奥方様の仰ることは全て的を射ております。しかし、お鶴は奥方様の心情をふまえた上で一番の理由を聞きとうございます」
葵は、僅かに目を伏せると言葉を紡いだ。
「恥ずかしながら、私は不安で仕方がないのです。無論、私は、義久様や秀之様、皆様を信じております。…ですが、何だか胸騒ぎがするのです」
お鶴は、刀を握り締めている葵の手を自身の手の平で包んだ。
「何も、恥じるべきところなどございません。大切なお方が、危険な目に遭われているかもしれぬのですから。不安にもなりましょう。皆、不安で不安で仕方がないに決まっております。それを恥じる必要はございません。それだけ、そのお方を大切に想っておられるということなのですから」
葵は手の力を抜いた。
お鶴の手の平も自然と離れる。
「奥方様、お鶴は勿論、皆もついております。ここ数日、慣れない政を必死にこなしておられたお姿も私どもは拝見させていただきました。肩の力を抜かれて、もっと頼ってくださいませ」
葵は涙声になりながらも精一杯微笑んだ。
「…ありがとうございます」
今、弱気になってどうする。不安を乗り越えられなくて、どうするのか。自分には、この方々を守る責任と、意志がある。
何があろうと、必ず守り通してみせる。
そのとき、顔を真っ青にした女中が部屋に飛び込んできた。
「奥方様!」
お鶴は葵の前に立ち、「無礼であろう!」と叫ぶ。
しかしすぐに、葵はお鶴を抑えた。そして、平身する女中の手を取った。
「良いのです。それより、何か動きがあったのですか?」
「西方より、軍勢が攻め込んで参りました!」
お鶴は言葉を失った。
現在、この城の兵の大半が出払ってしまっている。
それどころか、頭も重臣も皆戦に出ているのだ。
しかし葵は、一瞬表情を曇らせたものの、すぐに冷静に切り返した。
「敵軍の情報をもっと詳しくお聞かせ願います」
その姿を拝したお鶴は、驚きを隠せなかった。そこには、先程まで不安に押し潰されそうになっていた、あどけない少女の影は、もはや見えない。
葵の堂々とした佇まいに、女中も自然と落ち着きを取り戻す。
「敵軍は、西国の同盟国、吉田氏かと思われます」
「…つまり、裏切りということですか?」
「吉田氏は、義久様の御父上様と同盟を結ばれていたのです。代が移ったことで気が変わられたのやもしれません。此度の戦は単なるきっかけだったのでしょう」
葵は瞳を閉じる。
今から、この方々をどこかへ逃がすとして、果たして間に合うだろうか。そもそも、この周辺に安全な場所など残っているとは思えない。
「奥方様、私どもは奥方様を置き去りにして逃げおおせるなど、真っ平御免でございますよ」
「………」
葵は図星を突かれて黙り込んでしまった。
お鶴の瞳も、この女中の瞳も、恐ろしいほどに真っ直ぐで真剣だ。
きっとこの城の者達は、皆同じ意志を持っているのだろう。
「奥方様、思いは、皆同じなのです。例え首を刎ねられようと、私共は最期のときまで、この地で戦う所存でございます」
一切の曇りがない透明な瞳に、葵も覚悟を決める。
「…分かりました。戦う意志のある方は私の後に続いてください。ただし怪我をなさっている方、体調の優れぬ方は後方支援に回してください」
女中は満足げに微笑み、深く礼をした。
「かしこまりました」
――――……
袴の帯を、固く結び、長い髪を高く結う。
刀を腰に携えて、少女は凛と前を向く。
――義久様、貴方様の帰る場所は、私が必ずや守り通してご覧にいれます。
城門前には、既に沢山の人々が集まっていた。
待機を命じられた兵から、薙刀を持った女中、驚いたことに周辺集落の農民までもが集まっていた。
葵が近づいて行くと、皆の注意がそちらに向く。
「お鶴」
「はい」
「あちらの方々は?」
「…敵軍の進行を察して自発的にこの城を守りに来たようです。今だに続々と集まって来ております」
「…そうですか」
葵が彼らの方へ歩いて行くと、一人の男が進み出てきた。
「お初にお目にかかります。私らはこの近くの集落で百姓をさせてもらってます。しがない農民です」
「しがないだなんて…私は…」
「義久様が御正室、葵様。よく存じておりますよ」
「あの…戦とは危険なものでございます。命の保障などもできません…」
「勿論、ちゃんと分かっておりますよ」
人の良さそうな初老の男は、孫を慈しむかのような瞳で葵に微笑みかける。
「しかし、私らも何かしたいんです。他の誰でもない義久様と、この地を変えてくださった葵様の御為に。自国の危機にのんびり畑なんて耕しておれません」
柔和そうに見えて、その実決して揺るぐことのない覚悟を持った男に、葵は俯く。
「本当に、感謝してもしきれません。ですが、どうかお願いです。決して命を粗末にはなさらないでください」
「…葵様がそうおっしゃるなら」
葵は、改めて皆に向き直った。
「皆様!あくまで命が最優先でございます!危険と察すればすぐに退いてくださいませ!」
その声音に、その瞳に、強い覚悟を秘めた少女の凛然たる佇まい。
正しく、守る者の姿。
「奥方様!あれは…」
「はい」
緑色を基調とした鎧に紋旗を確認し、葵は、刀にそっと触れる。
「皆様!決して私より前方へは出ませんよう!私が大将を討ちます。その間、何とか敵の進行を食い止めてください!」
そう言うと、葵は素早く馬に跨がり、単騎で敵軍へと駆って行った。
「奥方様!」「葵様!」
後を追おうとした者達を止めたのは、お鶴だった。
「私どもには、奥方様より仰せつかった命がございます。今は奥方様を信じ、各々成すべきことをやり遂げるのです」
――――……
葵は、馬上から周りの兵を刀の峰で薙いでいく。
そのとき、突然、背後から刀が振り下ろされた。
「…御主が桜の君か」
なんとかはじいたものの、体勢が悪すぎる。
周りは敵兵ばかりだ。
敵の狙いが自身であることを知っていた葵は、その場から走り出した。
「逃げるのかね、桜の君!」
狙い通り、大将は自分を追って来ている。
暫く走り、葵は改めて向き直り馬を降りた。
「逃げません!貴方のお相手は私が致します」
「ほう。御主が戦うと?それは楽しみだ」
吉田はクツクツと笑っている。
葵は、そんな吉田に不気味な悪寒を感じた。
しかし、恐れるわけにはいかない。
ゆっくりと刀を構える。
「いざ、参ります」
義久らがこの東雲城を発つこと、早三日。
文が届くこともなければ、使者が戻る気配もない。
いくら信じて待つと言えども、戦場では何が起こるか予測出来ない。
葵は、不安で胸が押し潰されそうだった。
「そんなに心配なさらずとも大丈夫でございます。きっと今頃は義久様、兄上様、両名御無事にて敵将を討ち破っておりますよ」
一方お鶴は、自身の不安を一切見せることなく、凛と構えている。
「それにつけましても、何故、兄上様へ斯様な書状を送られたのですか?」
むしろお鶴はそちらが気になって仕方がない。
奢っているわけではないが、お鶴は自国の軍事力に全幅の信頼を寄せていた。
援軍などなくとも、彼らは必ずや勝利を収め、無事に帰還するに違いないと確信していたのである。
「お鶴の言わんとするところは分かっております。ですが、此度の戦の原因は私の故郷と私自身。本来ならば、私が戦場に出るべきなのですが、それも叶わぬこと」
葵は膝の上の愛刀をきつく握り締める。
「…ここで兄上に頼ってしまうのは卑怯なのでしょう。しかし、遅かれ早かれ、父上と兄上は此度の戦に気づかれるはずです。隣国の動きには、国境沿いの民が常に目を光らせておりますから。きっと兄上は、事情を知ればすぐさま出陣し、無茶な戦いをなさってしまう。それならば、予め敵方の情報をお知らせした方が――」
言い訳じみていますね、と葵は苦笑した。
お鶴は優しく笑った。
「言い訳などではございませんよ。確かに、奥方様の仰ることは全て的を射ております。しかし、お鶴は奥方様の心情をふまえた上で一番の理由を聞きとうございます」
葵は、僅かに目を伏せると言葉を紡いだ。
「恥ずかしながら、私は不安で仕方がないのです。無論、私は、義久様や秀之様、皆様を信じております。…ですが、何だか胸騒ぎがするのです」
お鶴は、刀を握り締めている葵の手を自身の手の平で包んだ。
「何も、恥じるべきところなどございません。大切なお方が、危険な目に遭われているかもしれぬのですから。不安にもなりましょう。皆、不安で不安で仕方がないに決まっております。それを恥じる必要はございません。それだけ、そのお方を大切に想っておられるということなのですから」
葵は手の力を抜いた。
お鶴の手の平も自然と離れる。
「奥方様、お鶴は勿論、皆もついております。ここ数日、慣れない政を必死にこなしておられたお姿も私どもは拝見させていただきました。肩の力を抜かれて、もっと頼ってくださいませ」
葵は涙声になりながらも精一杯微笑んだ。
「…ありがとうございます」
今、弱気になってどうする。不安を乗り越えられなくて、どうするのか。自分には、この方々を守る責任と、意志がある。
何があろうと、必ず守り通してみせる。
そのとき、顔を真っ青にした女中が部屋に飛び込んできた。
「奥方様!」
お鶴は葵の前に立ち、「無礼であろう!」と叫ぶ。
しかしすぐに、葵はお鶴を抑えた。そして、平身する女中の手を取った。
「良いのです。それより、何か動きがあったのですか?」
「西方より、軍勢が攻め込んで参りました!」
お鶴は言葉を失った。
現在、この城の兵の大半が出払ってしまっている。
それどころか、頭も重臣も皆戦に出ているのだ。
しかし葵は、一瞬表情を曇らせたものの、すぐに冷静に切り返した。
「敵軍の情報をもっと詳しくお聞かせ願います」
その姿を拝したお鶴は、驚きを隠せなかった。そこには、先程まで不安に押し潰されそうになっていた、あどけない少女の影は、もはや見えない。
葵の堂々とした佇まいに、女中も自然と落ち着きを取り戻す。
「敵軍は、西国の同盟国、吉田氏かと思われます」
「…つまり、裏切りということですか?」
「吉田氏は、義久様の御父上様と同盟を結ばれていたのです。代が移ったことで気が変わられたのやもしれません。此度の戦は単なるきっかけだったのでしょう」
葵は瞳を閉じる。
今から、この方々をどこかへ逃がすとして、果たして間に合うだろうか。そもそも、この周辺に安全な場所など残っているとは思えない。
「奥方様、私どもは奥方様を置き去りにして逃げおおせるなど、真っ平御免でございますよ」
「………」
葵は図星を突かれて黙り込んでしまった。
お鶴の瞳も、この女中の瞳も、恐ろしいほどに真っ直ぐで真剣だ。
きっとこの城の者達は、皆同じ意志を持っているのだろう。
「奥方様、思いは、皆同じなのです。例え首を刎ねられようと、私共は最期のときまで、この地で戦う所存でございます」
一切の曇りがない透明な瞳に、葵も覚悟を決める。
「…分かりました。戦う意志のある方は私の後に続いてください。ただし怪我をなさっている方、体調の優れぬ方は後方支援に回してください」
女中は満足げに微笑み、深く礼をした。
「かしこまりました」
――――……
袴の帯を、固く結び、長い髪を高く結う。
刀を腰に携えて、少女は凛と前を向く。
――義久様、貴方様の帰る場所は、私が必ずや守り通してご覧にいれます。
城門前には、既に沢山の人々が集まっていた。
待機を命じられた兵から、薙刀を持った女中、驚いたことに周辺集落の農民までもが集まっていた。
葵が近づいて行くと、皆の注意がそちらに向く。
「お鶴」
「はい」
「あちらの方々は?」
「…敵軍の進行を察して自発的にこの城を守りに来たようです。今だに続々と集まって来ております」
「…そうですか」
葵が彼らの方へ歩いて行くと、一人の男が進み出てきた。
「お初にお目にかかります。私らはこの近くの集落で百姓をさせてもらってます。しがない農民です」
「しがないだなんて…私は…」
「義久様が御正室、葵様。よく存じておりますよ」
「あの…戦とは危険なものでございます。命の保障などもできません…」
「勿論、ちゃんと分かっておりますよ」
人の良さそうな初老の男は、孫を慈しむかのような瞳で葵に微笑みかける。
「しかし、私らも何かしたいんです。他の誰でもない義久様と、この地を変えてくださった葵様の御為に。自国の危機にのんびり畑なんて耕しておれません」
柔和そうに見えて、その実決して揺るぐことのない覚悟を持った男に、葵は俯く。
「本当に、感謝してもしきれません。ですが、どうかお願いです。決して命を粗末にはなさらないでください」
「…葵様がそうおっしゃるなら」
葵は、改めて皆に向き直った。
「皆様!あくまで命が最優先でございます!危険と察すればすぐに退いてくださいませ!」
その声音に、その瞳に、強い覚悟を秘めた少女の凛然たる佇まい。
正しく、守る者の姿。
「奥方様!あれは…」
「はい」
緑色を基調とした鎧に紋旗を確認し、葵は、刀にそっと触れる。
「皆様!決して私より前方へは出ませんよう!私が大将を討ちます。その間、何とか敵の進行を食い止めてください!」
そう言うと、葵は素早く馬に跨がり、単騎で敵軍へと駆って行った。
「奥方様!」「葵様!」
後を追おうとした者達を止めたのは、お鶴だった。
「私どもには、奥方様より仰せつかった命がございます。今は奥方様を信じ、各々成すべきことをやり遂げるのです」
――――……
葵は、馬上から周りの兵を刀の峰で薙いでいく。
そのとき、突然、背後から刀が振り下ろされた。
「…御主が桜の君か」
なんとかはじいたものの、体勢が悪すぎる。
周りは敵兵ばかりだ。
敵の狙いが自身であることを知っていた葵は、その場から走り出した。
「逃げるのかね、桜の君!」
狙い通り、大将は自分を追って来ている。
暫く走り、葵は改めて向き直り馬を降りた。
「逃げません!貴方のお相手は私が致します」
「ほう。御主が戦うと?それは楽しみだ」
吉田はクツクツと笑っている。
葵は、そんな吉田に不気味な悪寒を感じた。
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ゆっくりと刀を構える。
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