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二十六、恋慕
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――矢之原へ出陣されていたこの国の次期当主が、見事勝利を収め、堂々帰ってこられた、その翌日。領主、清政はこの城で最も有能だと言われる女中を自室に呼び出していた。
「突然呼び出してすまないな」
「いえ、今日の分の仕事は既に終わらせてしまいましたので。それで、どのような御用件でございましょう?」
「お梅」
「はい」
「我が娘も嫁入りし、今では誠に義久殿を想っているらしい。そろそろ、お前も、室に入ってはどうだ?」
お梅は、さして驚きもせずに淡々と返事をする。
「恐れながら、これまでもそのようなお話は、お断りさせていただいてきたはずでございます」
「…お梅、そろそろお前もいい歳だ。お前は自分で思っているより、器量も気立ても良い。このような話も次々と舞い込んできておる。何故そこまで拒むのか…」
「清政様、何度言われようとも、私めはどこぞの大名家の室に入る等、真っ平御免被ります」
「私はそれで構わん。お前程の優秀な女中は、この国中探そうともそうはおるまい。しかし、私はお前も我が子の一人のように思うておる。お前には、女子としての幸せも知ってもらいたい」
「清政様、勿体なきお言葉にございます。しかし、このお話はどうぞなかった事に。それでは、失礼致します」
そう言うと、お梅はそそくさと退室してしまった。
清政の部屋を出て自室を目指しながら、お梅は一人、考えに耽る。
あのような保証も何も無い口約束を、これまで疑う事もせず、信じ続けてきたなんて、我ながら呆れてしまう。それでも、信じ続けていたい。それだけが、幼い主人を送り出してから、彼女の心に宿る、最後の希望だった。
例え、かの方に忘れられていようとも、もう二度と、相見えることがかなわなくとも、それでも、忘れることなどできなかった。
この想いが叶わぬものであったとして、今生で想いを遂げることが出来ぬ運命だとしても、諦めて他の方の元へ嫁ぐことなど、この胸の痛みが、決して許しはしまい。
お梅は、主人が嫁いで行ってしまってからというもの、古い記憶の先にいる、愛しき想い人に想いを馳せることが多くなっていた。
以前と比べ、心に隙が出来たから、という単純な理由によるものなのか。
それとも、姫君の嫁ぎ先がかの方を思い出させるのか。
いずれにせよ、お梅は僅かな幸福感と、それ以上の切なさを伴いながら、心に秘められた想いを自ら確かめている。
今日もまた例外ではなく、自室へ戻ってからも、彼女はいつものように過去の記憶を手繰り寄せていた。
――――……
初めてお会いした日は、今でも不思議なほど鮮明に覚えている。
あれは、ちょうど今から五年前。
中庭の桜の木は今より小さく、しかしその花は今と同じく美しく咲き誇っていた頃。
隣国の新しい当主様が、清政様に挨拶にいらしたのだ。
その時に見た。
まだ幼さの残る当主様の隣で、若き家臣が必死に主を守ろうとしていた姿を。
自分とさして変わらぬ年頃の青年が、敵地で一人、主人を守ろうと背を伸ばし、瞳を光らせるその姿に、お梅は人知れず、自分を重ねた。
もし、姫様が敵地へ赴かれることがあれば、自らもあのように、そのお側を片時も離れず、何人にも触れさせはしないだろう。
――――……
清政様のお部屋へは当主様お一人で入られ、その家臣は障子の外に正座し、待機していた。
お梅は自らの用をこなしながら、度々その従者を視界の端に収める。いつ終わるかも知れぬものを、控えの間にも入らず、このまま廊下に座しているつもりなのだろうか。それは一見、礼儀を知らぬ、馬鹿馬鹿しいものに思われた。
しかし、とお梅は思い直す。恐らく、自分が同じ立場に置かれたならば、やはり同じように、廊下に座してお待ち申し上げるに違いない。
いや、もしかすると、一緒に中に入れるのだと喚いてしまうかもしれない。
五度目に通りかかったとき、とうとういたたまれなくなってしまい、遂に声をかけてしまった。
「あの…」
その家臣は緊張した面持ちで応答する。
「はい。何でしょう?」
お梅は相手を警戒させないよう、なるべく柔らかく接した。
「ちょうど今、異国の使者様より頂いたお茶を淹れてみたところなのです。当主様方にはもうお出ししたのですが、少し茶葉が余ってしまいまして。そこにおられても、いつ終わるのかも分かりませんし、よろしければいかがでしょうか?」
その男は、かなり渋った。口には出さずとも、この城の者を信用していないことは、火を見るよりも明らかだった。
しかし、そこまで渋られては、お梅としても立つ瀬がない。何とか宥め、その場から動かそうと言葉を重ねる。
すると、ぱんっと勢いよく障子が開かれた。
「騒がしい。俺が呼ぶまで何処ぞへ行っておけ」
肩を怒らせた幼子の言葉に、従者は勿論、お梅までも、思わず平伏してしまった。
――――……
それからまもなく、お梅と例の家臣は、中庭の桜の木が一番良く見える縁側に腰掛けていた。
あの後も渋り続けた家臣をお梅が半ば強引に、ここまで引きずってきたのである。
「わざわざ私などのために淹れ直して頂いて、すみません」
「いえ、大切なお客様にございますので。お味のほうは、お気に召されましたでしょうか?」
「えぇ。とても美味しいですよ」
「それは、よろしうございました。私もこのお茶はとても良いお茶だと思っておりましたので」
あれだけの問答を繰り広げた後だというのに、あまりに穏やかな女の表情に、従者は内心驚く。
先程まではさぞかし気の強い女子なのだろうと踏んでいたのだが、予想が外れ、少々肩透かしを食らった気分だ。
そのまま、茶を飲みながらときを忘れ、延々と話を続けてしまった。
「そろそろ、終わる頃でしょう。…今日はどうもありがとうございました」
「こちらこそ、とても楽しうございました」
「それでは、また」
そしてその日、彼等は自国へと帰って行った。
――――……
その帰りの道中、主の口から発された思いもよらない言葉に、彼は自分の耳を疑う。
「和睦を?」
「…なるべく早く」
「…承知しました」
一体何があったのだろうかと不思議に思ったが、無論和睦は両国にとっての悲願である。
この益のない諍いに、終わりが来る。そんな夢のような未来に、従者は思いを馳せた。
――――……
その後も、彼等は度々訪問を重ねた。
「なんでも殿は、なるべく早く両国間の争いを収束させ、恒久的な和睦を結びたいのだそうです」
ある日、例の家臣はこう言った。
そして、笑いながらこうも付け足した。
「それから殿は、東雲城の庭にも、桜の木をお植えになりました。まったく何を考えておられるのやら」
そう言いながらも家臣はその心情を把握しているようだ。
お梅も何となく察せられたので共に笑う。
「それは仕方がございませんね。欲目かも知れませぬが、姫様は誠にお可愛らしいお方にございますから」
「そうですね。ゆくゆくは、お二人が両国を繋ぐ、平和への掛橋になられるやも」
「しかしその時になれば、きっと私めは素直に姫様を差し出すことが出来ぬかと思われます」
お梅がそう言うと、二人は可笑しそうに笑った。
しかし、どうも先程から家臣の様子がおかしい。
笑ってはいるものの、纏う空気に、いつものような飄々とした自由さが見当たらない。
どこか哀しげな視線に、お梅は訝しむ。
「如何かなさったのですか?」
「…今日がきっと、最後になります」
お梅は目を見開く。
「そんな」
「…名を、お聞かせ願えますか」
「う、梅にございます」
「梅…良い名ですね」
家臣はそっとお梅の手を取り、とても真剣な瞳でこう言った。
「いつの日か、両国間が誠に平和になった時、私は貴女を必ず迎えに来ます。何時になるかも解りませんが、互いの主人を信じましょう。その日まで、待っていてくださいませんか?」
お梅は、力強く頷いた。
嬉しくて、哀しくて、そうするのがやっとだった。
家臣は嬉しそうに微笑むと、おずおずと背中に手を回し、お梅を抱きしめた。
「覚えていて下さい…私の名は………」
突然の突風に桜吹雪が舞うが、お梅がその名を聞き逃すはずもない。
「はい…!」
お梅は、舞い踊る花弁の中で、花の様に微笑んだ。
「突然呼び出してすまないな」
「いえ、今日の分の仕事は既に終わらせてしまいましたので。それで、どのような御用件でございましょう?」
「お梅」
「はい」
「我が娘も嫁入りし、今では誠に義久殿を想っているらしい。そろそろ、お前も、室に入ってはどうだ?」
お梅は、さして驚きもせずに淡々と返事をする。
「恐れながら、これまでもそのようなお話は、お断りさせていただいてきたはずでございます」
「…お梅、そろそろお前もいい歳だ。お前は自分で思っているより、器量も気立ても良い。このような話も次々と舞い込んできておる。何故そこまで拒むのか…」
「清政様、何度言われようとも、私めはどこぞの大名家の室に入る等、真っ平御免被ります」
「私はそれで構わん。お前程の優秀な女中は、この国中探そうともそうはおるまい。しかし、私はお前も我が子の一人のように思うておる。お前には、女子としての幸せも知ってもらいたい」
「清政様、勿体なきお言葉にございます。しかし、このお話はどうぞなかった事に。それでは、失礼致します」
そう言うと、お梅はそそくさと退室してしまった。
清政の部屋を出て自室を目指しながら、お梅は一人、考えに耽る。
あのような保証も何も無い口約束を、これまで疑う事もせず、信じ続けてきたなんて、我ながら呆れてしまう。それでも、信じ続けていたい。それだけが、幼い主人を送り出してから、彼女の心に宿る、最後の希望だった。
例え、かの方に忘れられていようとも、もう二度と、相見えることがかなわなくとも、それでも、忘れることなどできなかった。
この想いが叶わぬものであったとして、今生で想いを遂げることが出来ぬ運命だとしても、諦めて他の方の元へ嫁ぐことなど、この胸の痛みが、決して許しはしまい。
お梅は、主人が嫁いで行ってしまってからというもの、古い記憶の先にいる、愛しき想い人に想いを馳せることが多くなっていた。
以前と比べ、心に隙が出来たから、という単純な理由によるものなのか。
それとも、姫君の嫁ぎ先がかの方を思い出させるのか。
いずれにせよ、お梅は僅かな幸福感と、それ以上の切なさを伴いながら、心に秘められた想いを自ら確かめている。
今日もまた例外ではなく、自室へ戻ってからも、彼女はいつものように過去の記憶を手繰り寄せていた。
――――……
初めてお会いした日は、今でも不思議なほど鮮明に覚えている。
あれは、ちょうど今から五年前。
中庭の桜の木は今より小さく、しかしその花は今と同じく美しく咲き誇っていた頃。
隣国の新しい当主様が、清政様に挨拶にいらしたのだ。
その時に見た。
まだ幼さの残る当主様の隣で、若き家臣が必死に主を守ろうとしていた姿を。
自分とさして変わらぬ年頃の青年が、敵地で一人、主人を守ろうと背を伸ばし、瞳を光らせるその姿に、お梅は人知れず、自分を重ねた。
もし、姫様が敵地へ赴かれることがあれば、自らもあのように、そのお側を片時も離れず、何人にも触れさせはしないだろう。
――――……
清政様のお部屋へは当主様お一人で入られ、その家臣は障子の外に正座し、待機していた。
お梅は自らの用をこなしながら、度々その従者を視界の端に収める。いつ終わるかも知れぬものを、控えの間にも入らず、このまま廊下に座しているつもりなのだろうか。それは一見、礼儀を知らぬ、馬鹿馬鹿しいものに思われた。
しかし、とお梅は思い直す。恐らく、自分が同じ立場に置かれたならば、やはり同じように、廊下に座してお待ち申し上げるに違いない。
いや、もしかすると、一緒に中に入れるのだと喚いてしまうかもしれない。
五度目に通りかかったとき、とうとういたたまれなくなってしまい、遂に声をかけてしまった。
「あの…」
その家臣は緊張した面持ちで応答する。
「はい。何でしょう?」
お梅は相手を警戒させないよう、なるべく柔らかく接した。
「ちょうど今、異国の使者様より頂いたお茶を淹れてみたところなのです。当主様方にはもうお出ししたのですが、少し茶葉が余ってしまいまして。そこにおられても、いつ終わるのかも分かりませんし、よろしければいかがでしょうか?」
その男は、かなり渋った。口には出さずとも、この城の者を信用していないことは、火を見るよりも明らかだった。
しかし、そこまで渋られては、お梅としても立つ瀬がない。何とか宥め、その場から動かそうと言葉を重ねる。
すると、ぱんっと勢いよく障子が開かれた。
「騒がしい。俺が呼ぶまで何処ぞへ行っておけ」
肩を怒らせた幼子の言葉に、従者は勿論、お梅までも、思わず平伏してしまった。
――――……
それからまもなく、お梅と例の家臣は、中庭の桜の木が一番良く見える縁側に腰掛けていた。
あの後も渋り続けた家臣をお梅が半ば強引に、ここまで引きずってきたのである。
「わざわざ私などのために淹れ直して頂いて、すみません」
「いえ、大切なお客様にございますので。お味のほうは、お気に召されましたでしょうか?」
「えぇ。とても美味しいですよ」
「それは、よろしうございました。私もこのお茶はとても良いお茶だと思っておりましたので」
あれだけの問答を繰り広げた後だというのに、あまりに穏やかな女の表情に、従者は内心驚く。
先程まではさぞかし気の強い女子なのだろうと踏んでいたのだが、予想が外れ、少々肩透かしを食らった気分だ。
そのまま、茶を飲みながらときを忘れ、延々と話を続けてしまった。
「そろそろ、終わる頃でしょう。…今日はどうもありがとうございました」
「こちらこそ、とても楽しうございました」
「それでは、また」
そしてその日、彼等は自国へと帰って行った。
――――……
その帰りの道中、主の口から発された思いもよらない言葉に、彼は自分の耳を疑う。
「和睦を?」
「…なるべく早く」
「…承知しました」
一体何があったのだろうかと不思議に思ったが、無論和睦は両国にとっての悲願である。
この益のない諍いに、終わりが来る。そんな夢のような未来に、従者は思いを馳せた。
――――……
その後も、彼等は度々訪問を重ねた。
「なんでも殿は、なるべく早く両国間の争いを収束させ、恒久的な和睦を結びたいのだそうです」
ある日、例の家臣はこう言った。
そして、笑いながらこうも付け足した。
「それから殿は、東雲城の庭にも、桜の木をお植えになりました。まったく何を考えておられるのやら」
そう言いながらも家臣はその心情を把握しているようだ。
お梅も何となく察せられたので共に笑う。
「それは仕方がございませんね。欲目かも知れませぬが、姫様は誠にお可愛らしいお方にございますから」
「そうですね。ゆくゆくは、お二人が両国を繋ぐ、平和への掛橋になられるやも」
「しかしその時になれば、きっと私めは素直に姫様を差し出すことが出来ぬかと思われます」
お梅がそう言うと、二人は可笑しそうに笑った。
しかし、どうも先程から家臣の様子がおかしい。
笑ってはいるものの、纏う空気に、いつものような飄々とした自由さが見当たらない。
どこか哀しげな視線に、お梅は訝しむ。
「如何かなさったのですか?」
「…今日がきっと、最後になります」
お梅は目を見開く。
「そんな」
「…名を、お聞かせ願えますか」
「う、梅にございます」
「梅…良い名ですね」
家臣はそっとお梅の手を取り、とても真剣な瞳でこう言った。
「いつの日か、両国間が誠に平和になった時、私は貴女を必ず迎えに来ます。何時になるかも解りませんが、互いの主人を信じましょう。その日まで、待っていてくださいませんか?」
お梅は、力強く頷いた。
嬉しくて、哀しくて、そうするのがやっとだった。
家臣は嬉しそうに微笑むと、おずおずと背中に手を回し、お梅を抱きしめた。
「覚えていて下さい…私の名は………」
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