DTガール!

Kasyta

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BACK TO THE ・・・・・・

00069話「最高点」

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 数日休んで旅の疲れを落とした後、ついにその日がやってきた。

「では行ってきます、カレンさん。」
「あぁ、しっかりやってこい。」

 身支度を済ませて部屋を出ると、キャサドラ先生が部屋の前で待ってくれていた。
 自身が試合に出るわけでもないのに、先生の方が気合が入っているように見える。

「それでは参りましょうか、アリューシャさん。」
「はい、キャサドラ先生。」

 キャサドラ先生と並んで歩き、大会の会場である修練場へと向かう。
 他にも大勢が会場へ向かっており、大体2~4人程度のグループで動いている。
 2人のところは俺たちのように先生と生徒、それ以上のところは保護者と兄妹などの家族がプラスされている感じだ。
 しかし各国の代表が一人ずつとはいえ、さすが大陸中から集まっただけあってかなりの人数である。
 各国の上位三名が代表、なんてことにしていたらおそらく収集がつかないだろう。改めてこの大陸の広さを感じられる。

「あそこが受け付けのようですね。」

 会場へ到着すると、さらに人でごった返していた。
 大会に参加する選手たちに加え、その姿を見ようと貴族やレンシア魔法学院の生徒まで集まっているようだ。

「・・・・・・先生。結構混んでるので受け付けは後回しにしませんか?」
「それは構いませんが、順番は後になってしまいますよ?」

「問題ありません。大会が始まればある程度自由に動けるそうですから。」
「分かりました。貴女がそうおっしゃるのであれば少し時間を潰しましょうか。」

 出店などで少し時間を潰し、受け付けの列が少なくなったタイミングを見計らって戻って来る。まぁ見物客は減っていなかったが。
 貴族や学院生たちの好奇の視線に晒されながら列に並び、受付を終える。

「ふぅ、ようやく受付が終わりましたね。それでは私は観客席から見ていますよ。頑張って下さいね。」
「はい。」

 キャサドラ先生と別れ、だだっ広い控え室へと案内された。おそらくは講堂を控え室として利用しているのだろう。
 控え室の中は選手たちでごった返しているが、選手たちは神経を尖らせ、張り詰めた空気が漂っている。さすが最後の大会って感じの雰囲気だ。
 俺は他の選手たちの邪魔にならないよう、隅っこへ陣取って腰を落ち着けた。

「しかしヒマだなー・・・・・・。」

 開会式まではまだ時間がある。ずっと座っているのも疲れるので、立ち上がって部屋の中央に並べられたテーブルへ向かう。
 テーブルの上には軽食や飲み物が用意されているのだが、殆どの人が利用していない。緊張で喉に通らないのだろう。
 まぁ、ここぞとばかりに口に詰め込んでいるような子もいるが。
 俺も給仕に頼んで飲み物を注いでもらい、一口サイズのお菓子を頬張った。うむ、さすがこの学院で用意されたものだけあって美味いな。
 そうして暇を潰していると、大会のスタッフが控え室の中へと入ってきた。

「これから開会式を行います! 皆さんは会場へ出てください!」

 俺はコップに残ったジュースを飲み干し、スタッフに誘導されるがままに会場へ向かって歩く。
 他の子たちも緊張した面持ちで足早に手足を動かしている。

「おぉ、さすがに広いな。」

 俺の呟きが吸い込まれて消えてしまいそうなほど広い会場。吹き抜けて見える空は青い。
 そして会場の中央には、魔導都市レンシアで大会が開かれる理由が鎮座していた。
 それはこの世界に一つしかない、巨大な魔力測定器。測定値を1000まで測れるという代物である。と、図書館で読んだ本に書かれていた。
 この数日間は休んでいただけでなく、大会の情報もある程度集めていたのだ。
 ちなみに大陸大会の測定位置は10段階まであるため、最高点は10000点。国大会までと比べたらとんでもないインフレっぷりである。大会史上最高点は7550点らしい。

「――以上で、開会式を終わります。」

 学院長の言葉で長かった開会式も終わり、ようやく大陸大会が始まった。
 とは言っても俺に割り当てられた番号は後半も後半。大会的には最後の方まで出番は無い。
 出番までに所定の位置についていれば良いので、それまでは会場内であれば自由に動いていい事になっている。
 俺は選手のために用意された出店で軽食をもらい、選手用の観覧席に腰を下ろした。
 選手用の観覧席は会場と直接繋がっているため、出番が来ればすぐに会場へ出られるようになっているのだ。

「――32点!」

 観測員が点数を読み上げる。今までの測定器と違って、電光掲示板のように測定値を表示する機能が付いてるので見やすくて良いのだが・・・・・・如何せん盛り上がらない。
 あまり盛り上がらない測定会をボーっと眺めながら、串焼きを頬張った。
 出番まで寝て過ごしたいところだが、そういう訳にもいかない理由があるのだ。
 さらに試合が進んで行き、また次の選手が呼ばれる。

「次、ヴォディア帝国のエリノーラ・アトワイト!」
「はい!」

 ――きた。
 出そうになっていた欠伸が引っ込んだ。会場もどよめき始める。
 ヴォディア帝国のエリノーラ・アトワイト。
 情報を集める過程で何度も耳にした名だ。どうやら彼女も俺と同じく、国大会まで満点の成績を収めているという話である。
 観客の半数以上が彼女の魔法を見るために集まったと言っても過言ではないだろう。
 返事をした少女はどうやら俺よりも年下のようだ。
 てくてくと測定位置まで歩いていき・・・・・・当然のように距離10の位置についた。

「”水龍破”!!」

 エリノーラが高位の水魔法を唱えると龍を模った水流が勢いよく突進し、ぶつかった魔力測定器を締め上げるように渦巻き、最後は天へ昇るように消えていった。
 シーンと辺りが静まり返ったが、ハッと我に返った観測員が点数を読み上げた。

「――は・・・・・・8020点!!」

 読み上げられた点数に、一気に会場が盛り上がる。
 エリノーラは大会史上最高点を大きく塗り替えたのだった。
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