孤島

烈風

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序章

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爆音で俺は目を覚ました

「あれ…!?俺は確か家で寝てたはずじゃ……」

あたりを見渡すとまるで大災害でもあったのかのように、建物は崩れ、道は地割れを起こし、叫び声が此処彼処に響き、建物の崩れた後には人の手のようなものが出ていた……

「寝てる間に地震でもあったのか!?」

状況が掴めず呆然としていると、遠くから謎の物体?生き物?怪物?らしきものがこちらへ歩いてくる。

一眼であればやばいと感じとり、急いで物陰へ隠れた。

怪物らしきものはデカく足音を立てこちらは向かってきた。

物陰の隙間からこっそりその怪物を追った…

全身黒く、血塗れなその怪物はゆっくりと進んでくる。

そして…俺の前で止まった……。一瞬にして血の気がひいた……ばれたと思ったから。

怖気付いた俺は足を滑らせ音を立ててしまった

「ぁっ……」

しまったと思った時には既に遅かった……目の前まで怪物が来ている。

言葉が出てこない…俺は此処で死ぬのか……?

その怪物は俺の目の前へ来ると、尖った手のようなものを振り上げた……

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

叫び声を上げた瞬間、目が覚めた……

「夢……?」

俺は本当に生きてるのか?そんな感覚に襲われて数分間呆然と動けずにいた。

「準備しよう…」

でもじっとしてるわけにもいかず学校へ行く準備をした。

朝食を取っている時、ふと思い出してしまった…
あの鋭いナイフのような手を……血がついていて……

「大丈夫?顔色悪いよ?」

母親が俺に聞いてきた。

「う、うん大丈夫!もういくね!」

俺は何かから逃げるように家を出た




「へー、お前疲れてるんだろ?」

烈志がそう言ってきた。

「そんな悪夢見るなんて相当疲れてるんだと思うぜ、予知夢じゃないといいけどな」

そんな冗談まじりの会話をしてるうちにどんどんどうでも良くなって意識しなくなって行った。


「まったくーなんでも俺に仕事押し付けやがって」

俺は烈志にそう愚痴を吐いた

「まあまあそれだけ信用されてるってことだろ」

烈志はそう俺に返してきた

確かに信用されてるのは嬉しいがなんでも押し付けられるのは困る。

「…………俺も手伝ってやるからさ」

烈志が気を遣ってくれたのだろう

「おお!マジかありがてー」

他愛もない会話をしているうちに家へ着いた。

「まあ、無理しない程度に頑張れよ!じゃあな!」

多分烈志も気遣ってくれてるんだろうな…

そう思いながら家の中へ入った……



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