孤島

烈風

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一章

捜索

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俺たちは学校中を走り回った

教室や中庭

職員室やトイレ

あらゆる場所を探し回った……

………………答えはなんとなくわかっていた

「誰もいない……」

俺はぷつりと呟いた

「…‥……運動場を見に行ってみよう」

烈志は俺の方を振り返りそう呟いた

俺たちは力なく歩いた……

絶望感の中にある微かな希望に期待しながら外を目指した

テニスコート………

隅々までみたが誰もいない。いる気配すらない……

グラウンド………

「……誰もいな…」

「いや、彼処をみろ」

烈志が俺の言葉を遮り叫ぶように言った

「彼処の門が空いてる。多分校外へ逃げたんだ」
 
烈志は西門を指しながらそう言った

たしかに門が空いてる……

なら逃げたのか……?

……あれ?

「門の隣の柵が壊れてる」

なんで壊れてるんだ……あの怪物が入ってきてた時に此処から?いやでもあの怪物がいたのは東門のところだ……

……

「…烈志、東門を見に行こう」

「え?」

烈志に俺はそういうと東門は走り出した  

「もし、あいつが東門から入ってきたなら東門の門か柵が壊されてるはずだ」

………

………………
…………東門へついた……

「……壊れてない…!」

東門の門や周りの柵は一切壊れていなかった……

やはりあの怪物は西門から……?

……………まず怪物は一体だったのか?

此処には一体だったけど外にいるんだと考えると………

街は混乱に陥ってるのでは……!?

「烈志!外を探索しよう。もしかしたら外でも同じようになってるかもしれない!」

俺は烈志にそういうと西門から外へ飛び出した

西門通りを走っていて気づいた

「………何かを引きずった後がある」

大きくて鋭利なものを運んだのか、地面が一直線にえぐれている

……………

「一雅!急ぐぞ!」

烈志が俺に向かいそう叫ぶ

そうだ、今は前を向かねば……

………………俺たちは西門を抜け通りに出た

「………人がいない…………」

人がいない…いつも人通りがある道に人がいない……

お店にも人がいない……

「お、俺たちが知らない間に何かあったのか……」

通りにも店にもひとっこ一人いない

……

「大通りに行ってみよう」

俺と烈志はともかく案を出し自分たちを騙し続けた………

そうしないと身が持たなかったんだ……

大通りに出た……

「車が通ってる!」

大通りには車や人通りがあった

「じゃあなんで……」

わからない。なんで彼処だけ……

「キャャャャャャャャャャャャャ」

女の声のような叫び声が聞こえた

「……い、行ってみよう」

俺たちは声が聞こえた方に走り出した。
 
その声の場所へ着いた……

…………俺たちは絶句した

目の前で血塗れになって倒れてる人がいるのだ……

「……血の跡がある」

…………………………

伝っていくべきか……?

それとも友人達を探すべきか……?  




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