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一章 公爵様と婚約したのですが
2話 夫となる人
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レイチェルが決意を新たにしたと同時に、左右にいた男たちによってチャペルの大扉がゆっくりと厳かな音を立てて開いた。
瞬間、弦楽器とパイプオルガンの合奏が流れ出る。
左右の長椅子には両家の親類や使用人から始まり、公爵側の知人であろう見目麗しい男女らが、花嫁の到着を待っていた。
数多の視線と拍手の渦に包まれ、父の腕を借りながらレイチェルは一歩一歩ゆっくりと歩く。
足を踏み出す度、心臓が段々速く脈打っていくのがわかった。
まっすぐに伸びた道の先で待っているのは、長身痩躯の男──今この瞬間から夫となる、アレクシスだ。
白いタキシードをきっちりと着こなし、胸元にはレイチェルの手に持っている花束と同じ白い薔薇が一輪挿してある。
緩やかに撫で付けられた髪は輝くブロンドで、すっと通った鼻筋と薄い唇、海を閉じ込めた瞳が遠目からでも印象に残った。
やがて父の腕からアレクシスの腕に取って代わり、祭壇までの短い距離をエスコートされる。
傍に来てみると分かる。
この男は生まれてから両親に愛情深く育てられ、けれど自身で摑めるものは懸命に努力して摑んだのだと。
どんなに冷酷無情と噂され、好き勝手言われていようと類稀な容姿を持っているためか、縁談が耐えなかったのは確かだと言えた。
なのに、レイチェルを妻に迎えるなど物好きがいるものだと思う。
「アレクシス・フォン・レオメイト。汝は病める時も健やかなる時も……」
祭壇の前まで来てしばらくすると、ゆったりとした神父の声がこだまする。
今この時、レイチェルとアレクシスは神に誓うのだ。
──生涯、この人を愛することを。
レイチェルはそっと隣りに立つアレクシスを盗み見た。
アレクシスの面立ちは、ヴェール越しでも分かるほど美しい。
レイチェルはこれほど整った顔立ちの男性を、今まで生きてきた中で知らなかった。
やや伏せられた睫毛が柔らかく頬に影を落としているのも相まって、どこか妖艶な色香を漂わせていた。
そう思ってしまうほど、改めてアレクシスと自分は釣り合わないのだと自覚する。
(本当に私はアレクシス様の妻になるのね……)
未だに信じられないが、この日が来てしまったのだから受け入れるしかないのだろう。
その後、どこかでアレクシスと話し合う時間は必ず来る。
その時はこのまま『仮面夫婦』となるのか、それとも『ただの夫婦』として愛を育んでいくのかが決まるのだ。
それに、手紙の返答もアレクシスの口からもらわなければ、レイチェルの溜飲も下がらない。
「──グ、……レイチェル・サヴァング!」
「っ」
びくりと小さく肩が跳ねる。
自分は余程上の空だったようで、神父がやや困った表情を見せたものの、すぐさまもう一度言葉を紡いでくれる。
「汝は生涯、アレクシス・フォン・レオメイトを心から愛することを誓うか?」
「……はい」
それは短いものなのに、喉に何かが張り付いたように声が出ない。
本当は今すぐにでもチャペルから出ていき、一人になりたい。
けれど、言わなければこの場所から離れる事は出来ないのだ。
「誓い、ます」
レイチェルは花束を持った手に力を込め、声の震えをなんとか抑えて形式通りの言葉を口にした。
厳かな空気の中で指輪の交換を済ませると、次はレイチェルにとってもっとも胃が痛くなる場面だ。
「──それでは誓いのキスを」
神父が言うと、ゆっくりとアレクシスの手でヴェールが上げられる。
それまでは薄い布越しだったが、開けた視界いっぱいに夫となる人の顔が広がった。
レイチェルが思っていた以上に髪色は明るく、そしてまっすぐに向けられた瞳は深い海を思わせる。
(ああ……)
やはり美しい人、とぼんやりと思った。
酒に酔ったように頭がくらくらするのは、この場の熱気とアレクシスの色香にあてられたからだろうか。
同時に『この人と結婚する』という事実に、空恐ろしいものを感じる。
(どうか、少しでも好まれるようにしなければ)
自分の顔は醜く、アレクシスと釣り合いが取れないのは百も承知だ。
その代わり、行動や言葉で愛を伝えていけばいい。
もし駄目であればその時はその時で、何か別の策を考えればいいだけだ。
次第に高鳴っていく心臓の音を聞かれたくなくて、けれど顔は上げたままレイチェルは瞳を伏せた。
アレクシスが近付いてくる気配に、無意識のうちに肩が強張る。
けれど唇にされるであろう温もりはなく、顔よりもずっと下──手の平をそっと包まれる。
図らずもレイチェルが驚愕で瞳を開くと、アレクシスが膝をついてこちらを見上げているのが視界に入った。
「……っ」
どくん、と心臓が一際大きく跳ねる。
「──騎士として、夫として……貴方を生涯、愛し守ると誓おう」
アレクシスの深海を思わせる瞳には、ほんのりと頬を桃色に染めた少女が映っていた。
それが自身だと気付くのに、すぐには脳の処理が追い付かない。
そんなレイチェルに追い討ちをかけるように、アレクシスの形のいい唇が手の甲に押し当てられた。
「っ……!」
ぴくりと小さく肩が跳ね、更に頬が熱を持ったのが嫌でも分かる。
当たり前だが、大勢の人々が自分達に注目している。
改めて何をされたのか理解した途端、アレクシスの大きな手や唇の熱さをまざまざと感じさせられた。
壊れ物を扱うように手に触れられ、まるで自分が大切な存在だと錯覚してしまうほどだ。
そもそもこれは夫婦となる儀式のため、少し勝手は違えど間違ってはいないのだが。
(こ、これは)
頬を触らなくても、熱を持っているのが分かる。
むしろ唇以上に恥ずかしいキスを受けている事実に、自分が醜いということも、失礼のないように努める事も忘れそうになってしまう。
アレクシスの金色の睫毛が、頬に柔らかな影を落としているのが見て取れた。
それはすぐに離れていき、ややあってアレクシスが立ち上がる。
無意識に花束を持っている手に力を込めた。
チャペルの扉の前でずっと早鐘を打っていた心臓が、今は不思議と高鳴っている。
先程まで感じていた胃痛はなくなっており、反対に喉に何かがつかえたように呼吸するのが苦しい。
(なんなの……)
己の身体の変化に理解が追い付かない。
これが双方にとって望まない結婚である可能性も、この先の結婚生活が仮面夫婦となる可能性もあるのに。
己の胸の内に芽生えた感情がなんなのか、レイチェルには分からなかった。
「──若き二人のこれからに、幸多からんことを」
式が終盤に差し掛かっても尚、アレクシスに触れられたところにはじんわりとした熱が燻っていた。
それは隣りにアレクシスが居るからか、それともレイチェルの気にし過ぎなのか判然としない。
(……時間が出来たらクリスに聞こう)
この胸に抱いた思いを言語化出来る自信はないが、レイチェル以上に博識なメイドは、きっとこの答えを知っているだろう。
──数多の温かな言葉と拍手に包まれ、レイチェルはこの日を境にレオメイト公爵夫人となった。
瞬間、弦楽器とパイプオルガンの合奏が流れ出る。
左右の長椅子には両家の親類や使用人から始まり、公爵側の知人であろう見目麗しい男女らが、花嫁の到着を待っていた。
数多の視線と拍手の渦に包まれ、父の腕を借りながらレイチェルは一歩一歩ゆっくりと歩く。
足を踏み出す度、心臓が段々速く脈打っていくのがわかった。
まっすぐに伸びた道の先で待っているのは、長身痩躯の男──今この瞬間から夫となる、アレクシスだ。
白いタキシードをきっちりと着こなし、胸元にはレイチェルの手に持っている花束と同じ白い薔薇が一輪挿してある。
緩やかに撫で付けられた髪は輝くブロンドで、すっと通った鼻筋と薄い唇、海を閉じ込めた瞳が遠目からでも印象に残った。
やがて父の腕からアレクシスの腕に取って代わり、祭壇までの短い距離をエスコートされる。
傍に来てみると分かる。
この男は生まれてから両親に愛情深く育てられ、けれど自身で摑めるものは懸命に努力して摑んだのだと。
どんなに冷酷無情と噂され、好き勝手言われていようと類稀な容姿を持っているためか、縁談が耐えなかったのは確かだと言えた。
なのに、レイチェルを妻に迎えるなど物好きがいるものだと思う。
「アレクシス・フォン・レオメイト。汝は病める時も健やかなる時も……」
祭壇の前まで来てしばらくすると、ゆったりとした神父の声がこだまする。
今この時、レイチェルとアレクシスは神に誓うのだ。
──生涯、この人を愛することを。
レイチェルはそっと隣りに立つアレクシスを盗み見た。
アレクシスの面立ちは、ヴェール越しでも分かるほど美しい。
レイチェルはこれほど整った顔立ちの男性を、今まで生きてきた中で知らなかった。
やや伏せられた睫毛が柔らかく頬に影を落としているのも相まって、どこか妖艶な色香を漂わせていた。
そう思ってしまうほど、改めてアレクシスと自分は釣り合わないのだと自覚する。
(本当に私はアレクシス様の妻になるのね……)
未だに信じられないが、この日が来てしまったのだから受け入れるしかないのだろう。
その後、どこかでアレクシスと話し合う時間は必ず来る。
その時はこのまま『仮面夫婦』となるのか、それとも『ただの夫婦』として愛を育んでいくのかが決まるのだ。
それに、手紙の返答もアレクシスの口からもらわなければ、レイチェルの溜飲も下がらない。
「──グ、……レイチェル・サヴァング!」
「っ」
びくりと小さく肩が跳ねる。
自分は余程上の空だったようで、神父がやや困った表情を見せたものの、すぐさまもう一度言葉を紡いでくれる。
「汝は生涯、アレクシス・フォン・レオメイトを心から愛することを誓うか?」
「……はい」
それは短いものなのに、喉に何かが張り付いたように声が出ない。
本当は今すぐにでもチャペルから出ていき、一人になりたい。
けれど、言わなければこの場所から離れる事は出来ないのだ。
「誓い、ます」
レイチェルは花束を持った手に力を込め、声の震えをなんとか抑えて形式通りの言葉を口にした。
厳かな空気の中で指輪の交換を済ませると、次はレイチェルにとってもっとも胃が痛くなる場面だ。
「──それでは誓いのキスを」
神父が言うと、ゆっくりとアレクシスの手でヴェールが上げられる。
それまでは薄い布越しだったが、開けた視界いっぱいに夫となる人の顔が広がった。
レイチェルが思っていた以上に髪色は明るく、そしてまっすぐに向けられた瞳は深い海を思わせる。
(ああ……)
やはり美しい人、とぼんやりと思った。
酒に酔ったように頭がくらくらするのは、この場の熱気とアレクシスの色香にあてられたからだろうか。
同時に『この人と結婚する』という事実に、空恐ろしいものを感じる。
(どうか、少しでも好まれるようにしなければ)
自分の顔は醜く、アレクシスと釣り合いが取れないのは百も承知だ。
その代わり、行動や言葉で愛を伝えていけばいい。
もし駄目であればその時はその時で、何か別の策を考えればいいだけだ。
次第に高鳴っていく心臓の音を聞かれたくなくて、けれど顔は上げたままレイチェルは瞳を伏せた。
アレクシスが近付いてくる気配に、無意識のうちに肩が強張る。
けれど唇にされるであろう温もりはなく、顔よりもずっと下──手の平をそっと包まれる。
図らずもレイチェルが驚愕で瞳を開くと、アレクシスが膝をついてこちらを見上げているのが視界に入った。
「……っ」
どくん、と心臓が一際大きく跳ねる。
「──騎士として、夫として……貴方を生涯、愛し守ると誓おう」
アレクシスの深海を思わせる瞳には、ほんのりと頬を桃色に染めた少女が映っていた。
それが自身だと気付くのに、すぐには脳の処理が追い付かない。
そんなレイチェルに追い討ちをかけるように、アレクシスの形のいい唇が手の甲に押し当てられた。
「っ……!」
ぴくりと小さく肩が跳ね、更に頬が熱を持ったのが嫌でも分かる。
当たり前だが、大勢の人々が自分達に注目している。
改めて何をされたのか理解した途端、アレクシスの大きな手や唇の熱さをまざまざと感じさせられた。
壊れ物を扱うように手に触れられ、まるで自分が大切な存在だと錯覚してしまうほどだ。
そもそもこれは夫婦となる儀式のため、少し勝手は違えど間違ってはいないのだが。
(こ、これは)
頬を触らなくても、熱を持っているのが分かる。
むしろ唇以上に恥ずかしいキスを受けている事実に、自分が醜いということも、失礼のないように努める事も忘れそうになってしまう。
アレクシスの金色の睫毛が、頬に柔らかな影を落としているのが見て取れた。
それはすぐに離れていき、ややあってアレクシスが立ち上がる。
無意識に花束を持っている手に力を込めた。
チャペルの扉の前でずっと早鐘を打っていた心臓が、今は不思議と高鳴っている。
先程まで感じていた胃痛はなくなっており、反対に喉に何かがつかえたように呼吸するのが苦しい。
(なんなの……)
己の身体の変化に理解が追い付かない。
これが双方にとって望まない結婚である可能性も、この先の結婚生活が仮面夫婦となる可能性もあるのに。
己の胸の内に芽生えた感情がなんなのか、レイチェルには分からなかった。
「──若き二人のこれからに、幸多からんことを」
式が終盤に差し掛かっても尚、アレクシスに触れられたところにはじんわりとした熱が燻っていた。
それは隣りにアレクシスが居るからか、それともレイチェルの気にし過ぎなのか判然としない。
(……時間が出来たらクリスに聞こう)
この胸に抱いた思いを言語化出来る自信はないが、レイチェル以上に博識なメイドは、きっとこの答えを知っているだろう。
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