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第七幕 交錯するモノたちへ
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女が入れてくれた茶を挟んで、二人は語りあった。
セカイは、これまでの旅で見聞きしたことや、出逢い別れた者のことなど語った。
女は興味深そうにセカイの話に耳を傾けていた。
「坊やはとっても物知りなのね」
「……わたしが知ってるのは、まだほんのひと握りよ」
「そう。でも坊やはまだ子供なんだから。これからもっともっと、たくさんのことを知っていけばいいわ」
穏やかな笑みを、女は浮かべていた。
「さあ、もう寝ましょう」
ベッドが一台しかなかったので、二人で寄り添うように眠った。
女はセカイの体を、細い腕で抱きしめてくれた。
そして歌ってくれた。
その手の剣で わたしを貫き
傷つき 凍えた 大地に温もりを
小さく震える あなたのその手で
燃えるように 溶けあうように
わたしを抱きしめて
きっとそれは 愛を呼び覚まし
翼広げ 夜空に舞う
鼓動はいつか 星を満たして
新たな命になるから
夜空をどこまでも流れていく星のような、煌びやかで曇りのない声だった。
「泣いているの?」
女が、セカイの目元を指で拭ってくれた。
「泣いてないわ」
「どうして泣くの?」
「……泣いてないってば」
「いいのよ。あなたは、あなたの思う通りに生きなさい」
セカイは女を見つめた。
女は涙を流していた。
「本当にあなたは、お父さんにそっくり」
セカイは何か言おうとした。
しかし女は、そんな彼女を胸に抱きしめてしまった。
「ありがとう」
最後にそう言って。
セカイは目を閉じた。
この温もりのなかに、身を委ねていたかった。
暖かかったから。
セカイは、これまでの旅で見聞きしたことや、出逢い別れた者のことなど語った。
女は興味深そうにセカイの話に耳を傾けていた。
「坊やはとっても物知りなのね」
「……わたしが知ってるのは、まだほんのひと握りよ」
「そう。でも坊やはまだ子供なんだから。これからもっともっと、たくさんのことを知っていけばいいわ」
穏やかな笑みを、女は浮かべていた。
「さあ、もう寝ましょう」
ベッドが一台しかなかったので、二人で寄り添うように眠った。
女はセカイの体を、細い腕で抱きしめてくれた。
そして歌ってくれた。
その手の剣で わたしを貫き
傷つき 凍えた 大地に温もりを
小さく震える あなたのその手で
燃えるように 溶けあうように
わたしを抱きしめて
きっとそれは 愛を呼び覚まし
翼広げ 夜空に舞う
鼓動はいつか 星を満たして
新たな命になるから
夜空をどこまでも流れていく星のような、煌びやかで曇りのない声だった。
「泣いているの?」
女が、セカイの目元を指で拭ってくれた。
「泣いてないわ」
「どうして泣くの?」
「……泣いてないってば」
「いいのよ。あなたは、あなたの思う通りに生きなさい」
セカイは女を見つめた。
女は涙を流していた。
「本当にあなたは、お父さんにそっくり」
セカイは何か言おうとした。
しかし女は、そんな彼女を胸に抱きしめてしまった。
「ありがとう」
最後にそう言って。
セカイは目を閉じた。
この温もりのなかに、身を委ねていたかった。
暖かかったから。
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