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16 二人っきりで朝食を
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私たちはルークの居室の扉の前にいた。
男の人の寝室って緊張するっ。
ただ部屋で朝食を一緒に食べようってだけなのに、一人緊張してる自分が恥ずかしい。
頑張ってくださいねって言う、部屋を出るときのセシリアの声援がなせか頭に浮かんだ。
私の緊張をよそに、ルークは無造作に部屋の扉を開けた。
「お帰りなさいませ、魔王さま」
朝食を取っているはずのルークが突然帰ってきても侍従は慌てたりしないで腰を折る。
「朝食の準備を頼む。二人分でな」
「かしこまりました」
侍従の視線がルークと私の間をさまよう。
どうしたんだろ?
「!!」
ルークと手を繋いだままだった!
ぱっとルークから自分の手を引き抜く。ルークが何か言いたそうな目で見てきたけど、そのままだと特別な仲なんだって誤解されちゃうから仕方ないじゃない!
侍従は私の素振りにも何も言わないでいてくれた。
ルークの下で働いてる人って、優秀な人が多いんだなぁ
。性格に難がある人もいるけど。
円卓のテーブルに座って待っていると、料理が一気に運ばれてきた。
朝にどれだけ食べるの?って量だったから、ルークに聞いてみると、私が昨日から何も食べてないから本当はディナーで出す料理を作らせたんだって。
いつもの朝食は私が考えてた通りのものだったので、それがいいと言っておいた。
普段はどうやって食事をしているのかとルークに聞かれたので、木の細い棒を二つもらって、それを箸代わりにして食べると、興味津々だった。
ルークも自分でやってみるけど無理で悔しがっている姿に、結構負けず嫌いなんだなぁって笑ってしまった。
ただ一つ困ったのが、食堂では違ったのに、自分の部屋に戻った瞬間、ルークが楽しそうに自分の分の朝食を私に押し付けてきたことだ。
そんなにいっぱい食べれないって言っても聞かないんだもん。
ルークは食べないで、私が食べる姿を楽しそうに見ているだけだったから、仕返しすることにした。
「一人で食べててもつまらないじゃない。
こういうのって、一緒に食べて味の感想を言い合ったりするから楽しいんだよ?」
「そう言うものか?」
「うん、絶対にそうなんだって!
ほら、あーん」
自分の皿の魚のパイみたいなのをフォークに刺して、ルークに差し出す。
ルークは一瞬、固まって目を泳がしたけど、素直に口を開けて食べてくれた。
「これって美味しいよね。外がサクサクで、中にふわふわの魚とソースが入ってて」
「……うむ」
「あれ? 美味しくなかった?」
「そうは言っておらぬ」
なんか微妙な顔してたんだけど。
そう言えば、私が差し出したとき、変な顔してたよねーーって考えて、私はその理由に気がついた。
普通、男子にこんなことするのって、カップルの女の子がすることだ。
「はい、あーん。どう美味しい?」「うん、美味しいよ」って場面、恋愛ドラマとか漫画でもよく見るもん。
しかも、友達同士の感覚で何も考えてなかったけど、自分の使ってるフォークじゃない!
これ、間接キスだ。
気づいてしまうと、なんてことしてしまったんだろうって思う以上に、胸がドキドキしてしまう。
ルークも気がついたけど、言っちゃうと私が恥ずかしがると思って、黙って食べてくれたんだよね?
冷たそうに見えるのに、ルークは優しいのだ。
でも、ここは食べる前に言ってくれても良かったんだよ?って言えたらどんなにいいか。
おかげで、私は赤くなった顔がバレないか焦りながらも、気づかなかった振りをするしかなかった。
そんな感じのことがありつつも、ルークの部屋では話が弾んで、明日も一緒に食べる約束をした。
知ってる人が少ない中で、約束があるって嬉しい。
侍従の人が帰りにルークに聞こえないように小声で、ありがとうございますと言ったから、ルークが朝食を抜くことは悩みの種だったことが判明した。
みんなルークが好きなんだね。
心配している侍従に安心してもらうためにも、私は間接キス以外の方法で、明日もルークに朝食を食べてもらおうと思った。
ルークと別れて部屋を出た私は、お腹いっぱいのお腹を抱えて、部屋に帰る気になれず、裏庭にやってきた。
行き方はよく分からなかったけど、他の部屋に行くよりは場所が分かってるから行きやすい。
裏庭は、前庭と中庭に比べれば質素だと、セシリアから聞いていたけど、そんな風には全然見えなかった。
こちらの世界の花には詳しくないけど、色とりどりの花が咲き乱れていて綺麗だった。城と城壁の高さがちょっと息苦しく感じるけど、それさえなければ完璧な庭園だった。
「異世界の空も青いんだなぁ」
思わずそんな声が出た。
朝は太陽が昇って、夜は月が浮かんで。
当然のように呼吸できてるから、きっと空気も私の世界とあんまり変わらない。
まだ見てないけど、雨とかも降るんだろう。
少しずつ何かが違うけど、おおざっぱには私の世界と同じ。
ふとした拍子に、やっぱりこれは夢なんじゃないかと思ってしまう。
次に起きたら、私の世界で。
毎日、遅刻ギリギリでお母さんに怒られて、お父さんはそんな私たちを見ながら新聞を読んで、弟は呆れていて。
学校では、友達とアイドルの話とかで盛り上がって。
学校から帰ってきたら、勉強もしないでだらだらテレビ三昧する。
そんな日常が戻ってくるんじゃないかって。
「ーーダメダメ! 現実を見るって決めたんだから」
胸の中から湧き出す寂しさに蓋をした。
自分の力ではどうにもならないことを、うだうだ考えてても仕方ないじゃない。
異世界で、私ができることってなんだろう。
現状はルークに甘えっきりだ。お城の客室を借りて、セシリアに面倒を見てもらって、お腹が空いたらご飯が出てくる。
お客さん待遇だ。
でも、本当にそれでいいのかなって思う。
多分、ルークは罪の意識から、それでいいと言うだろうけど、私は気にする。
だって、私以外みんな働いてるんだもん。
ルークやエリウスはともかく、私より小さく見える(何歳なのか正確には分からないけど…)セシリアが働いてるのが、一番こたえる。
それに、何もすることがなかったら、ずっとダラダラ無意味に過ごしてしまう自分の甘い性格を知っていた。
携帯も音楽もないこの世界なら、ずっと寝てばかりかもしれない。
ルークの召還魔法の習得っていうのが、いつまでかかるのか分からないけど、少なくても今日明日ではないことは確かだ。
もしかしたら半年くらいはかかるかもしれない。
本当なら帰っても学校の授業についていけるように、勉強するってのが一番いいんだろうけど、裸で召喚された私が教科書なんて持ってるはずがない。
だったら、異世界で自分のできることを見つけて働く!これがベストなんだけど。
王城で働くことなんてできるの?
もちろん城下町みたいなのがあるなら、仕事もあるんだろうけど、人間は殺してもいいという風潮のある場所へノコノコ出て行きたくないし。
「うーん……」
悩みながら歩いていると、黄色く小さな花がついた蔦が植えられた藤棚のような場所に来た。
藤棚の下にはベンチがあって、そこには綺麗な男の人が座っていた。
何だか困った様子で、空中に手をさまよわせている。
何してるんだろ?
よく見ると、腰まである絹のような綺麗な銀髪が、蔦に絡みついていた。
それを解そうとしているのだろうけど。
髪と手の位置が、全然違う。よく見ると、男の人の目は両方とも閉じられていた。
ーーよしっ。
「あの、髪を解くの手伝いましょうか?」
私は男の人に近づいていった。
男の人の寝室って緊張するっ。
ただ部屋で朝食を一緒に食べようってだけなのに、一人緊張してる自分が恥ずかしい。
頑張ってくださいねって言う、部屋を出るときのセシリアの声援がなせか頭に浮かんだ。
私の緊張をよそに、ルークは無造作に部屋の扉を開けた。
「お帰りなさいませ、魔王さま」
朝食を取っているはずのルークが突然帰ってきても侍従は慌てたりしないで腰を折る。
「朝食の準備を頼む。二人分でな」
「かしこまりました」
侍従の視線がルークと私の間をさまよう。
どうしたんだろ?
「!!」
ルークと手を繋いだままだった!
ぱっとルークから自分の手を引き抜く。ルークが何か言いたそうな目で見てきたけど、そのままだと特別な仲なんだって誤解されちゃうから仕方ないじゃない!
侍従は私の素振りにも何も言わないでいてくれた。
ルークの下で働いてる人って、優秀な人が多いんだなぁ
。性格に難がある人もいるけど。
円卓のテーブルに座って待っていると、料理が一気に運ばれてきた。
朝にどれだけ食べるの?って量だったから、ルークに聞いてみると、私が昨日から何も食べてないから本当はディナーで出す料理を作らせたんだって。
いつもの朝食は私が考えてた通りのものだったので、それがいいと言っておいた。
普段はどうやって食事をしているのかとルークに聞かれたので、木の細い棒を二つもらって、それを箸代わりにして食べると、興味津々だった。
ルークも自分でやってみるけど無理で悔しがっている姿に、結構負けず嫌いなんだなぁって笑ってしまった。
ただ一つ困ったのが、食堂では違ったのに、自分の部屋に戻った瞬間、ルークが楽しそうに自分の分の朝食を私に押し付けてきたことだ。
そんなにいっぱい食べれないって言っても聞かないんだもん。
ルークは食べないで、私が食べる姿を楽しそうに見ているだけだったから、仕返しすることにした。
「一人で食べててもつまらないじゃない。
こういうのって、一緒に食べて味の感想を言い合ったりするから楽しいんだよ?」
「そう言うものか?」
「うん、絶対にそうなんだって!
ほら、あーん」
自分の皿の魚のパイみたいなのをフォークに刺して、ルークに差し出す。
ルークは一瞬、固まって目を泳がしたけど、素直に口を開けて食べてくれた。
「これって美味しいよね。外がサクサクで、中にふわふわの魚とソースが入ってて」
「……うむ」
「あれ? 美味しくなかった?」
「そうは言っておらぬ」
なんか微妙な顔してたんだけど。
そう言えば、私が差し出したとき、変な顔してたよねーーって考えて、私はその理由に気がついた。
普通、男子にこんなことするのって、カップルの女の子がすることだ。
「はい、あーん。どう美味しい?」「うん、美味しいよ」って場面、恋愛ドラマとか漫画でもよく見るもん。
しかも、友達同士の感覚で何も考えてなかったけど、自分の使ってるフォークじゃない!
これ、間接キスだ。
気づいてしまうと、なんてことしてしまったんだろうって思う以上に、胸がドキドキしてしまう。
ルークも気がついたけど、言っちゃうと私が恥ずかしがると思って、黙って食べてくれたんだよね?
冷たそうに見えるのに、ルークは優しいのだ。
でも、ここは食べる前に言ってくれても良かったんだよ?って言えたらどんなにいいか。
おかげで、私は赤くなった顔がバレないか焦りながらも、気づかなかった振りをするしかなかった。
そんな感じのことがありつつも、ルークの部屋では話が弾んで、明日も一緒に食べる約束をした。
知ってる人が少ない中で、約束があるって嬉しい。
侍従の人が帰りにルークに聞こえないように小声で、ありがとうございますと言ったから、ルークが朝食を抜くことは悩みの種だったことが判明した。
みんなルークが好きなんだね。
心配している侍従に安心してもらうためにも、私は間接キス以外の方法で、明日もルークに朝食を食べてもらおうと思った。
ルークと別れて部屋を出た私は、お腹いっぱいのお腹を抱えて、部屋に帰る気になれず、裏庭にやってきた。
行き方はよく分からなかったけど、他の部屋に行くよりは場所が分かってるから行きやすい。
裏庭は、前庭と中庭に比べれば質素だと、セシリアから聞いていたけど、そんな風には全然見えなかった。
こちらの世界の花には詳しくないけど、色とりどりの花が咲き乱れていて綺麗だった。城と城壁の高さがちょっと息苦しく感じるけど、それさえなければ完璧な庭園だった。
「異世界の空も青いんだなぁ」
思わずそんな声が出た。
朝は太陽が昇って、夜は月が浮かんで。
当然のように呼吸できてるから、きっと空気も私の世界とあんまり変わらない。
まだ見てないけど、雨とかも降るんだろう。
少しずつ何かが違うけど、おおざっぱには私の世界と同じ。
ふとした拍子に、やっぱりこれは夢なんじゃないかと思ってしまう。
次に起きたら、私の世界で。
毎日、遅刻ギリギリでお母さんに怒られて、お父さんはそんな私たちを見ながら新聞を読んで、弟は呆れていて。
学校では、友達とアイドルの話とかで盛り上がって。
学校から帰ってきたら、勉強もしないでだらだらテレビ三昧する。
そんな日常が戻ってくるんじゃないかって。
「ーーダメダメ! 現実を見るって決めたんだから」
胸の中から湧き出す寂しさに蓋をした。
自分の力ではどうにもならないことを、うだうだ考えてても仕方ないじゃない。
異世界で、私ができることってなんだろう。
現状はルークに甘えっきりだ。お城の客室を借りて、セシリアに面倒を見てもらって、お腹が空いたらご飯が出てくる。
お客さん待遇だ。
でも、本当にそれでいいのかなって思う。
多分、ルークは罪の意識から、それでいいと言うだろうけど、私は気にする。
だって、私以外みんな働いてるんだもん。
ルークやエリウスはともかく、私より小さく見える(何歳なのか正確には分からないけど…)セシリアが働いてるのが、一番こたえる。
それに、何もすることがなかったら、ずっとダラダラ無意味に過ごしてしまう自分の甘い性格を知っていた。
携帯も音楽もないこの世界なら、ずっと寝てばかりかもしれない。
ルークの召還魔法の習得っていうのが、いつまでかかるのか分からないけど、少なくても今日明日ではないことは確かだ。
もしかしたら半年くらいはかかるかもしれない。
本当なら帰っても学校の授業についていけるように、勉強するってのが一番いいんだろうけど、裸で召喚された私が教科書なんて持ってるはずがない。
だったら、異世界で自分のできることを見つけて働く!これがベストなんだけど。
王城で働くことなんてできるの?
もちろん城下町みたいなのがあるなら、仕事もあるんだろうけど、人間は殺してもいいという風潮のある場所へノコノコ出て行きたくないし。
「うーん……」
悩みながら歩いていると、黄色く小さな花がついた蔦が植えられた藤棚のような場所に来た。
藤棚の下にはベンチがあって、そこには綺麗な男の人が座っていた。
何だか困った様子で、空中に手をさまよわせている。
何してるんだろ?
よく見ると、腰まである絹のような綺麗な銀髪が、蔦に絡みついていた。
それを解そうとしているのだろうけど。
髪と手の位置が、全然違う。よく見ると、男の人の目は両方とも閉じられていた。
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