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第六章 花の記憶
(64)花の記憶 その5-1
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「愛子ちゃん、起きて」
肩を軽く揺すられる感触で、愛子は目をこすりながら顔をあげる。
「あ……、真奈美さん? どうして?」
そこには微笑みながら愛子と拓美の様子を見守る真奈美がいた。よく見ると、純白のレースのベビードールに身を包んでいる。
「拓美くん、私が見ててあげるから、リビングのテレビ、見てくるといいわ。きっと驚くから」
「えっ? 何かあったんですか?」
「そこは、お楽しみかな? じゃ、拓美くん起こさないうちに、早く……」
真奈美は愛子を促すと、自分が愛子の寝ていたポジションに寝そべり、そっと拓美を抱く。愛子は下着を替え、ワンピースを着なおしてからそっと寝室を出た。
「あ、愛子お姉さま、おはようございます。今始まるところですよ」
テレビに釘付けになっていた和歌子が愛子にソファーを勧める。愛子は促されて和歌子の隣に座ると、和歌子と同じ視点の映像に釘付けになった。
「わぁー! すっごいきれい!」
テレビには綾女の寝室が画面いっぱいに映し出されていた。そこは愛子が知っている綾女の寝室とは全く別の部屋に見えた。
純白のベッドシーツの周りにはピンクと赤の花が咲き誇り、これからベッドに横たわろうとする男女を誘うように彩られていた。
「愛子ちゃん、この花、なんだか分かる?」
綾女が画面からちょっとだけ顔を覗かせて愛子に聞く。
「えー、こ、これは、ピンクのほうがストック、赤い方は……、ゼラニウムですか?」
「うん、さすがね。ピンクのストックの花言葉は、『ふくよかな愛情』、そして、赤いゼラニウムの花言葉は『君がいて幸せ』。ふふっ、実はね、このアレンジは私が考えたものじゃないんだよ」
「えっ?」
「愛子ちゃん、この写真に見覚えないかな?」
綾女の隣から、綾香が一枚の写真を画面に映し出す。
「あ……、これは……」
綾香が持っていた写真には、ピンクや赤の花に囲まれた少年と少女がベッドで気持ちよさそうに眠る姿が写っていた。
「これは……。うちにずっと飾ってあった絵にそっくり」
「わたしも見たことあります。かわいい男の子と女の子がお花に囲まれて幸せそうに眠っている絵。本当そっくり……」
和歌子も驚きの声を上げる。
「うふふっ、ここに写っているの、だーれだっ」
綾女が悪戯っぽい声で愛子と和歌子に聞く。
「えっ……、これって、もしかして……」
愛子はハッとなり、思わず両手を口に当てる。
「うん。ここにいる女の子は、愛子ちゃんよ」
「えええっ! お姉さま!? ってことは、も、もしかして、男の子は……」
和歌子も思わず驚嘆の声を上げ、そして、男の子の正体を察する。
「そう。紛れもなく、男の子は克也くんよ」
肩を軽く揺すられる感触で、愛子は目をこすりながら顔をあげる。
「あ……、真奈美さん? どうして?」
そこには微笑みながら愛子と拓美の様子を見守る真奈美がいた。よく見ると、純白のレースのベビードールに身を包んでいる。
「拓美くん、私が見ててあげるから、リビングのテレビ、見てくるといいわ。きっと驚くから」
「えっ? 何かあったんですか?」
「そこは、お楽しみかな? じゃ、拓美くん起こさないうちに、早く……」
真奈美は愛子を促すと、自分が愛子の寝ていたポジションに寝そべり、そっと拓美を抱く。愛子は下着を替え、ワンピースを着なおしてからそっと寝室を出た。
「あ、愛子お姉さま、おはようございます。今始まるところですよ」
テレビに釘付けになっていた和歌子が愛子にソファーを勧める。愛子は促されて和歌子の隣に座ると、和歌子と同じ視点の映像に釘付けになった。
「わぁー! すっごいきれい!」
テレビには綾女の寝室が画面いっぱいに映し出されていた。そこは愛子が知っている綾女の寝室とは全く別の部屋に見えた。
純白のベッドシーツの周りにはピンクと赤の花が咲き誇り、これからベッドに横たわろうとする男女を誘うように彩られていた。
「愛子ちゃん、この花、なんだか分かる?」
綾女が画面からちょっとだけ顔を覗かせて愛子に聞く。
「えー、こ、これは、ピンクのほうがストック、赤い方は……、ゼラニウムですか?」
「うん、さすがね。ピンクのストックの花言葉は、『ふくよかな愛情』、そして、赤いゼラニウムの花言葉は『君がいて幸せ』。ふふっ、実はね、このアレンジは私が考えたものじゃないんだよ」
「えっ?」
「愛子ちゃん、この写真に見覚えないかな?」
綾女の隣から、綾香が一枚の写真を画面に映し出す。
「あ……、これは……」
綾香が持っていた写真には、ピンクや赤の花に囲まれた少年と少女がベッドで気持ちよさそうに眠る姿が写っていた。
「これは……。うちにずっと飾ってあった絵にそっくり」
「わたしも見たことあります。かわいい男の子と女の子がお花に囲まれて幸せそうに眠っている絵。本当そっくり……」
和歌子も驚きの声を上げる。
「うふふっ、ここに写っているの、だーれだっ」
綾女が悪戯っぽい声で愛子と和歌子に聞く。
「えっ……、これって、もしかして……」
愛子はハッとなり、思わず両手を口に当てる。
「うん。ここにいる女の子は、愛子ちゃんよ」
「えええっ! お姉さま!? ってことは、も、もしかして、男の子は……」
和歌子も思わず驚嘆の声を上げ、そして、男の子の正体を察する。
「そう。紛れもなく、男の子は克也くんよ」
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