別れることになっても愛があれば逢えるんだよっ

うさみあきら

文字の大きさ
7 / 7
第一章

(7) その4-1

しおりを挟む


――「と、ここで終われば、きれいなお話で済んだんですけどね」

 愛子はテヘッと舌を出して笑う。

「もうっ、愛子ちゃん、その後の話、しちゃうの?」

 綾香が、やれやれ、という顔で愛子を見る。

 克也と愛子が綾女の部屋に着くと、待っていた綾香、綾女、そして優菜と一緒に寝室に入り、綾香と会った時の話を滔々(とうとう)と話していた。
 克也と愛子が部屋に来たら、ふたりだけにするつもりでいた綾女と綾香だったが、愛子と克也はそれを引き止めて、昔話を三人に聞かせていたのだった。

「そこ、話しちゃうと、私たち、ちょっと困るなぁ……」

「ううん、大丈夫。ね、克也さん」

 愛子に同意を求められた克也がコクリと頷く。

「ここまでしてくれて、本当、感謝なんだけど、この部屋は、綾女さんの部屋だから」

「えっ?」

 綾女が何のこと? という目をして克也を見る。克也は、笑顔を綾女に向けると、愛子と優菜に向かってウインクする。愛子と優菜は綾女に向けて、不敵な笑顔を浮かべる。
そして、優菜がベッドから立ち上がる。

「よいしょっ、と。じゃ、そろそろ、行ってくるよ」

「うん。お願いね」

 愛子が優菜に向けて笑顔を向ける。

「まっかせてーっ!」

 それから優菜は寝室から出て、ぱぱっ、と着替えると、颯爽と部屋を出ていった。

「優菜ちゃん、どこ行ったの?」

 優奈が出ていくのを目を点にして見送った綾女が、愛子と克也の方を向いて聞く。

「綾女さんにはナイショっ、でも、すぐわかりますよ」

「えーっ、何か三人とも怪しいよ。何企んでるのよーっ」

「それは、あとでのお楽しみにして、とりあえず、話の続き、しちゃいましょう」

 愛子は残った三人の顔を見渡してから、その後の話を語り始めた。


「それからしばらくは、ぼーっとしてたんだけど、私、気がついちゃったんだよ」

「うん。その時、僕も気がついた。綾香さんの下着が濡れてることに」

――愛子と克也は気がついた。

 綾女が赤い顔をして真っ白な下着を濡らしていること。そして、綾香だけ、まだ、「イッて」ないことに。

「お姉ちゃん……、おまた、濡れてるよ……」

 愛子が綾香の純白の下着についたシミをじーっ、と見つめている。

「えっ……、そ、そうねっ、お姉ちゃんも、ふたりがしてるの見てたら、濡れちゃった」

「お姉ちゃん、まだイッてない……」

 克也が愛子に合わせるように、気がついたことを素直に吐き出す。

「えっ……、えっ?」

 綾香はふたりが何を考えているか分からなくなってしまった。

「愛子ちゃん、綾香お姉ちゃんも……」

「うん……、わかったよ、克也くん」

 ふたりは短く言葉を交わすと、綾香にゆっくりと近づいていく。

「えっ……、えーっ!?」

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

田舎の幼馴染に囲い込まれた

兎角
恋愛
25.10/21 殴り書きの続き更新 都会に飛び出した田舎娘が渋々帰郷した田舎のムチムチ幼馴染に囲い込まれてズブズブになる予定 ※殴り書きなので改行などない状態です…そのうち直します。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【SS更新】付き合ってもいないのに、幼なじみの佐藤がプロポーズしてきた(本編完結済)

ぽぽよ
恋愛
「俺らさ、結婚しない?」 三十二歳、独身同士。 幼なじみの佐藤が、たこ焼きパーティの最中に突然言い出した。 付き合ってもないのに。 夢見てた甘いプロポーズじゃないけれど、佐藤となら居心地いいし、給料もあるし、嫁姑問題もないし、性格も知ってる。 断る理由が、ない。 こうして、交際0日で結婚することが決まった。 「とりあえず同棲すっか」 軽いノリで決まってゆく未来。 ゆるっとだらっと流れていく物語。 ※本編は全7話。 ※本編完結後、ゆるいSS投稿予定。 ※サイドストーリー(切なめ)投稿予定。 ※スパダリは一人もいません笑

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちだというのに。 入社して配属一日目。 直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。 中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。 彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。 それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。 「俺が、悪いのか」 人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。 けれど。 「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」 あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちなのに。 星谷桐子 22歳 システム開発会社営業事務 中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手 自分の非はちゃんと認める子 頑張り屋さん × 京塚大介 32歳 システム開発会社営業事務 主任 ツンツンあたまで目つき悪い 態度もでかくて人に恐怖を与えがち 5歳の娘にデレデレな愛妻家 いまでも亡くなった妻を愛している 私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?

処理中です...