19 / 81
第100層 灰霊宮殿 -アッシュパレス-
第19話 鳥に教わる隠密行動
しおりを挟む
【禍津世界樹の洞 第97層 灰霊宮殿 灰燼兵団宿舎】
「王様が隠密部隊の総指揮官なんかやっていいのかよ」
「隠密部隊の総指揮官が王様だなんて誰も思わんだろう? 意表を突くのは基本だ」
「なるほど……?」
目の前の女は隠密部隊の総指揮官を名乗る割には何もかもがでかかった。身長も胸も態度も。
「ここで待っていろ」
突然そんなこと言われてもここ、通路の真ん中……。どうしようと思っていると八咫は黒い煙になって消えてしまう。
久しぶりの一人ぼっちだった。途端に不安が押し寄せてくる。
「こ、こわい……」
今にも近くの扉が開いて灰燼兵団が出てきたら……本当にそうなりそうな予感がして気が気じゃない。
隠れなきゃ。
「……ッ」
僕は近くの柱の陰に身を隠す。八咫チャレンジした時のように呼吸を整え、気配を消す。針の穴に通すような細い息をゆっくりと吐き、背景に同化するよう努めた。
ここは柱の陰だ。燭台の火も少しは影になるはずだ。
聞き耳を立て、目は忙しなく周囲を探る。何か一つでも異変があれば対処できるように……対処? 対処ってなんだ。僕に何ができる?
何もできない。出会い頭に殺される。怖い、怖い、怖い。
――コツ、コツ。
足音がした。僕がいた方向からだ。足音の主はこちらへと歩いてきている。そのまま真っ直ぐ前だけ見て進んでくれれば見つからないで済むかもしれない。
そう祈った。冷や汗が止まらない。祈る事しかできなかった。足音は止まることなくこちらへと向かってくる。
「……ここにいたのか」
「ッ……あ、八咫……だったのか……」
顔を上げると八咫が僕を見下ろしていた。正直、こいつの顔を見て心底安心していた。小憎たらしい態度の鳥だと思ってたら人間姿はめちゃくちゃ美人で何なんだって思ってたけど、今までで一番安心してしまっていて、それが何だか悔しかった。
「探したぞ。待っていろと言ったのに」
「あんな場所で待てる訳ないだろ……!」
「ふっ、まぁ、テストには合格だな」
「テスト? ……うわっ!」
バサリと顔に黒い布を被せられる。慌てて引きはがしたそれは服だった。
「通路の真ん中で突っ立っていたら隠密の才能は皆無だったろう。しかし貴様はちゃんと隠れた。気配を消してな」
「それが隠密の才能だっていうのか?」
「そうだとも。常に恐れ、隠れる。だが怖がるな。これが隠密の鉄則だ」
手を差し出してくれた八咫の手を掴み、立ち上がる。
「めちゃくちゃ怖かったよ」
「まだ怖がっていいさ。怖いと思えるのは大事だ。その原因が分かっていればな」
原因ははっきりしていた。自分じゃモンスターを倒せないと理解していたから、それが克服できれば、恐怖はなくなるはずだ。その為にも、八咫にはしっかり鍛えてもらうしかない。
「とりあえずそれを着て仮面をつけて私といればいきなり襲われることはないだろう」
「そりゃありがたい。……ここで着替えるのか?」
「着替えたければ着替えればいい」
「やだよ……その部屋は大丈夫そう?」
服やら何やらを拾い上げ、近くの扉を指差す。
「問題ない」
「じゃあ着替えてくる。カメラ預かっててくれ」
「あぁ」
魔導カメラを八咫に預けて部屋に入り、手早く着替える。
受け取った服は八咫と似たような服だ。カラスみたいな黒いフード付きコートに防具。暗器のような小さい投げナイフみたいなのまであった。どこにつけるんだこれ……。
コートの上から練兵場で拾ってきたショルダーアーマーを付ける。初見だと分かりにくかったけれど、何とかなったかな……。篭手や手袋は一度取り外して、コートを着てからもう一度装備する。
八咫が持ってきた防具に篭手みたいなのがあったが、これは脛当てかな? これも装備しておこう。
口と鼻を覆う嘴のような仮面は変わった構造だ。ちゃんと口を開くと仮面も開くようなっている。これならご飯も食べられそうだ。
コートのフードを被り、最後に王鍵スクナヒコナを下げ、部屋を出ると両手でカメラを掴んでレンズに向かって微笑んでる八咫がいた。
「何をしてるの?」
「視聴者サービス」
「ふぅん……」
「貴様もしてみろ。よく似合ってるぞ」
「そ、そう? へへ……」
何かポーズでもしてみようかと思ったが、何も思いつかないのでニコニコしながらピースしておいた。
「ダサいって言われてるぞ」
「やかましいわ」
「さて、これで歩いてる間は問題ないだろうが、私もイレギュラー化してしまった。襲われない保証はないし、バレる時はバレる。戦い方は戦って覚えてもらう」
「スパルタじゃない……?」
「訓練して修行してから行くつもりか? ここはもう戦場だぞ」
言われて改めて気を引き締めた。八咫が帰ってきてくれた途端に気が緩んでる
。一歩間違えれば命を落とす世界だ。気合い入れていかないと。
「まぁ、正面からの戦闘はまだ難しいだろう。最初は不意打ちからにしよう」
気合い入れた割には卑怯極まりない戦法だった。
「しかし八咫、大丈夫なのか?」
「何がだ?」
「モンスターとはいえ、自分の部下だろう?」
いわばこれは同士討ちだ。裏切りだ。僕が人類に反旗を翻すことはないとは思うが、仮にそうなった時、自分に近しい人間を斬れるかと聞かれると、すぐには頷けないだろう。
「立場が変わればやることも変わる。割り切ることが大事だ」
「でも僕がお前の立場だったらと思うと……いや、僕が言えたことじゃないんだけどさ」
立場を無理矢理変えてしまったのは僕だ。こんなことを言う権利はない。
「そう言うな。広い世界が見れると思えば今の立場も悪くない。将三郎、貴様がここを脱出するのも大事だ。だが私も外を見てみたい」
「八咫……」
「ちゃんと連れて行ってくれよ。私はアイスクリームとやらが食べてみたいんだ」
パチン、とウィンクをする八咫に、僕は思わず苦笑のような、でも嬉しいような、そんな笑みが出てしまった。
「王様が隠密部隊の総指揮官なんかやっていいのかよ」
「隠密部隊の総指揮官が王様だなんて誰も思わんだろう? 意表を突くのは基本だ」
「なるほど……?」
目の前の女は隠密部隊の総指揮官を名乗る割には何もかもがでかかった。身長も胸も態度も。
「ここで待っていろ」
突然そんなこと言われてもここ、通路の真ん中……。どうしようと思っていると八咫は黒い煙になって消えてしまう。
久しぶりの一人ぼっちだった。途端に不安が押し寄せてくる。
「こ、こわい……」
今にも近くの扉が開いて灰燼兵団が出てきたら……本当にそうなりそうな予感がして気が気じゃない。
隠れなきゃ。
「……ッ」
僕は近くの柱の陰に身を隠す。八咫チャレンジした時のように呼吸を整え、気配を消す。針の穴に通すような細い息をゆっくりと吐き、背景に同化するよう努めた。
ここは柱の陰だ。燭台の火も少しは影になるはずだ。
聞き耳を立て、目は忙しなく周囲を探る。何か一つでも異変があれば対処できるように……対処? 対処ってなんだ。僕に何ができる?
何もできない。出会い頭に殺される。怖い、怖い、怖い。
――コツ、コツ。
足音がした。僕がいた方向からだ。足音の主はこちらへと歩いてきている。そのまま真っ直ぐ前だけ見て進んでくれれば見つからないで済むかもしれない。
そう祈った。冷や汗が止まらない。祈る事しかできなかった。足音は止まることなくこちらへと向かってくる。
「……ここにいたのか」
「ッ……あ、八咫……だったのか……」
顔を上げると八咫が僕を見下ろしていた。正直、こいつの顔を見て心底安心していた。小憎たらしい態度の鳥だと思ってたら人間姿はめちゃくちゃ美人で何なんだって思ってたけど、今までで一番安心してしまっていて、それが何だか悔しかった。
「探したぞ。待っていろと言ったのに」
「あんな場所で待てる訳ないだろ……!」
「ふっ、まぁ、テストには合格だな」
「テスト? ……うわっ!」
バサリと顔に黒い布を被せられる。慌てて引きはがしたそれは服だった。
「通路の真ん中で突っ立っていたら隠密の才能は皆無だったろう。しかし貴様はちゃんと隠れた。気配を消してな」
「それが隠密の才能だっていうのか?」
「そうだとも。常に恐れ、隠れる。だが怖がるな。これが隠密の鉄則だ」
手を差し出してくれた八咫の手を掴み、立ち上がる。
「めちゃくちゃ怖かったよ」
「まだ怖がっていいさ。怖いと思えるのは大事だ。その原因が分かっていればな」
原因ははっきりしていた。自分じゃモンスターを倒せないと理解していたから、それが克服できれば、恐怖はなくなるはずだ。その為にも、八咫にはしっかり鍛えてもらうしかない。
「とりあえずそれを着て仮面をつけて私といればいきなり襲われることはないだろう」
「そりゃありがたい。……ここで着替えるのか?」
「着替えたければ着替えればいい」
「やだよ……その部屋は大丈夫そう?」
服やら何やらを拾い上げ、近くの扉を指差す。
「問題ない」
「じゃあ着替えてくる。カメラ預かっててくれ」
「あぁ」
魔導カメラを八咫に預けて部屋に入り、手早く着替える。
受け取った服は八咫と似たような服だ。カラスみたいな黒いフード付きコートに防具。暗器のような小さい投げナイフみたいなのまであった。どこにつけるんだこれ……。
コートの上から練兵場で拾ってきたショルダーアーマーを付ける。初見だと分かりにくかったけれど、何とかなったかな……。篭手や手袋は一度取り外して、コートを着てからもう一度装備する。
八咫が持ってきた防具に篭手みたいなのがあったが、これは脛当てかな? これも装備しておこう。
口と鼻を覆う嘴のような仮面は変わった構造だ。ちゃんと口を開くと仮面も開くようなっている。これならご飯も食べられそうだ。
コートのフードを被り、最後に王鍵スクナヒコナを下げ、部屋を出ると両手でカメラを掴んでレンズに向かって微笑んでる八咫がいた。
「何をしてるの?」
「視聴者サービス」
「ふぅん……」
「貴様もしてみろ。よく似合ってるぞ」
「そ、そう? へへ……」
何かポーズでもしてみようかと思ったが、何も思いつかないのでニコニコしながらピースしておいた。
「ダサいって言われてるぞ」
「やかましいわ」
「さて、これで歩いてる間は問題ないだろうが、私もイレギュラー化してしまった。襲われない保証はないし、バレる時はバレる。戦い方は戦って覚えてもらう」
「スパルタじゃない……?」
「訓練して修行してから行くつもりか? ここはもう戦場だぞ」
言われて改めて気を引き締めた。八咫が帰ってきてくれた途端に気が緩んでる
。一歩間違えれば命を落とす世界だ。気合い入れていかないと。
「まぁ、正面からの戦闘はまだ難しいだろう。最初は不意打ちからにしよう」
気合い入れた割には卑怯極まりない戦法だった。
「しかし八咫、大丈夫なのか?」
「何がだ?」
「モンスターとはいえ、自分の部下だろう?」
いわばこれは同士討ちだ。裏切りだ。僕が人類に反旗を翻すことはないとは思うが、仮にそうなった時、自分に近しい人間を斬れるかと聞かれると、すぐには頷けないだろう。
「立場が変わればやることも変わる。割り切ることが大事だ」
「でも僕がお前の立場だったらと思うと……いや、僕が言えたことじゃないんだけどさ」
立場を無理矢理変えてしまったのは僕だ。こんなことを言う権利はない。
「そう言うな。広い世界が見れると思えば今の立場も悪くない。将三郎、貴様がここを脱出するのも大事だ。だが私も外を見てみたい」
「八咫……」
「ちゃんと連れて行ってくれよ。私はアイスクリームとやらが食べてみたいんだ」
パチン、とウィンクをする八咫に、僕は思わず苦笑のような、でも嬉しいような、そんな笑みが出てしまった。
0
あなたにおすすめの小説
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる