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August
5日目
「なに、2人とも喧嘩でもしたの?」
「別に喧嘩なんてしてません」
「…あんたのそのいじけた顔みたらすぐ分かるわよ」
朝食を食べながら母は眉を顰めていたが、会長は至っていつも通りらしく愛梨の面倒を見たりしている。それがまたすげえ腹立つ。
「まだ怒ってるの?」
「…怒ってません」
嘘である。
怒っているか怒っていないかで言えばめちゃくちゃ怒っている。というか腹が立っている。
会長に対しては勿論、会長がこういう人間だとわかっていたにも関わらず騙されかけた自分にもだ。
そんな空気はお構い無しなのか「まあ喧嘩するほど仲がいいってね~」と茶化しを入れてくる母親に眉間にシワが寄る。てか、そもそもの元凶は母さんだろ。
その姿を見て何を思ったのか会長が内緒話するように愛梨になにか耳打ちをすると愛梨が俺の前に走って寄ってきた。
「みなと、パパと仲直りしよーよ」
「…会長。愛梨を仲裁道具に使わないでください」
愛梨の頭を軽く撫でて会長を睨めば、バレたかという表情で珈琲を啜っていた。
そして、暫くの沈黙。朝の情報番組のアナウンサーの声だけが部屋に響く。それに1番初めに耐えきれなかったのは母のようで、思い出したように言葉を発した。
「あんたたち明日夏祭りでも行ってきたら?」
この辺の神社である毎年恒例の夏祭り。
もうそんな時期なのかと季節の流れを感じながら、確か去年は家で大人しく留守番してたっけ。と前の年の様子を思い出す。
「…人が多いから嫌…」
「あいり、夏祭りいきたい!」
人混みが嫌なので断ろうとしたら予想外にも愛梨が夏祭りの言葉にキラキラと目を輝かせて飛び出した。
面倒臭いから行かないと言うつもりがそう言う雰囲気ではなくなり、それでも何とか回避しようと母さんと父さんと行ってきたら?と提案してみた。だが愛梨の折れる様子はない。「あいり、今年はみなとと行きたい!」と腕に抱きついてくる。
「パパも行くって!」
「3人で行ってきなさいよ、仲直りの意味も込めて」
「えー…」
最終的には「ねーママ~!行こうよ~」なんておねだりしてくる愛梨に頭が上がらず。
こういう時に発揮されると本当に困る。ほんと誰だよ、ママって呼べとか言ったやつ。
「…明日何時からだっけ」
「6時から。花火上がるのは9時からね」
「じゃあ、7時くらいに行くか…」
「やったーーー!!」
こんなにせがまれたら断れるわけがない。
結局愛梨に負けた俺は夏祭りに行く羽目になったのであった。
「別に喧嘩なんてしてません」
「…あんたのそのいじけた顔みたらすぐ分かるわよ」
朝食を食べながら母は眉を顰めていたが、会長は至っていつも通りらしく愛梨の面倒を見たりしている。それがまたすげえ腹立つ。
「まだ怒ってるの?」
「…怒ってません」
嘘である。
怒っているか怒っていないかで言えばめちゃくちゃ怒っている。というか腹が立っている。
会長に対しては勿論、会長がこういう人間だとわかっていたにも関わらず騙されかけた自分にもだ。
そんな空気はお構い無しなのか「まあ喧嘩するほど仲がいいってね~」と茶化しを入れてくる母親に眉間にシワが寄る。てか、そもそもの元凶は母さんだろ。
その姿を見て何を思ったのか会長が内緒話するように愛梨になにか耳打ちをすると愛梨が俺の前に走って寄ってきた。
「みなと、パパと仲直りしよーよ」
「…会長。愛梨を仲裁道具に使わないでください」
愛梨の頭を軽く撫でて会長を睨めば、バレたかという表情で珈琲を啜っていた。
そして、暫くの沈黙。朝の情報番組のアナウンサーの声だけが部屋に響く。それに1番初めに耐えきれなかったのは母のようで、思い出したように言葉を発した。
「あんたたち明日夏祭りでも行ってきたら?」
この辺の神社である毎年恒例の夏祭り。
もうそんな時期なのかと季節の流れを感じながら、確か去年は家で大人しく留守番してたっけ。と前の年の様子を思い出す。
「…人が多いから嫌…」
「あいり、夏祭りいきたい!」
人混みが嫌なので断ろうとしたら予想外にも愛梨が夏祭りの言葉にキラキラと目を輝かせて飛び出した。
面倒臭いから行かないと言うつもりがそう言う雰囲気ではなくなり、それでも何とか回避しようと母さんと父さんと行ってきたら?と提案してみた。だが愛梨の折れる様子はない。「あいり、今年はみなとと行きたい!」と腕に抱きついてくる。
「パパも行くって!」
「3人で行ってきなさいよ、仲直りの意味も込めて」
「えー…」
最終的には「ねーママ~!行こうよ~」なんておねだりしてくる愛梨に頭が上がらず。
こういう時に発揮されると本当に困る。ほんと誰だよ、ママって呼べとか言ったやつ。
「…明日何時からだっけ」
「6時から。花火上がるのは9時からね」
「じゃあ、7時くらいに行くか…」
「やったーーー!!」
こんなにせがまれたら断れるわけがない。
結局愛梨に負けた俺は夏祭りに行く羽目になったのであった。
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