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第三章 役立たず付与魔術師、魔術学院に通う
第三〇話「俺が手芸部に入った理由は、魔術の使役に有用な服装を自作するため」
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一九七日目~二〇八日目。
この期間、学業としては錬金術を中心に勉強した。
概論としての錬金術は知っていたが、体系だった知識の整理や、まだ未解決・未整理の分野を質問するにあたっては、こうやって講師に教わるのが一番である。
隣に座っていたクロエには悪いが、授業中の俺はちょっと目立つぐらいに質問を繰り返し、古代アレクサンドリアの錬金術(蒸気加工・湯煎・ガラス彩色・陶器彩色など)から、ジャービル・ブン・ハイヤーンの文献研究、パラケルススの四大説・アラビア三原質・アルカナの考え方、ヴェーダ錬金術とタントラ、錬丹術と気功術に渡るまでを自分の学習のために聞き探った。
錬金術は、金属加工と調薬の学問である。
必然的に冶金の考え方や薬学的な考えが中心になるが、ほかにも再結晶化で集めるべき物質や蒸留装置で集める物質など、押さえておくべき基礎的な材料取り扱いの知識は化学分野になる。
この辺は、ゆくゆくは迷宮内に本格的な工房を作って研究したい俺にとって欠かせない知識なのだ。
隠しダンジョンを独占している今、迷宮から得られる素材は腐るほどある。
積極的な姿勢が高評価だったのか、講師の女性の方ともちょっとだけ仲良くなり、たまにお茶に誘われるようになった。
迷宮で取れたさまざまな素材(動物の生き血・生き胆、川で拾ったくず宝石、薬草や海藻など)をお土産にするととても喜んでいたので、まあ、向こうにとっても利のあるいい関係だろう。
クロエからの視線が白かった気がするが、気にすることではない。うん。
(……なんだろ、ちょっと距離が近かったような気がするけど)
勉強だけではない。部活にかけては手芸部らしく、手袋の作成を頑張った。
ミスリル銀を練った蜘蛛糸で魔法陣や典礼言語を縫いこみ、手袋に魔力を流すだけで魔術が発動するような仕組みを作る。橄欖石などの火成岩をビーズアクセサリにして、ロザリオの数珠玉を模倣して装飾する。
ビーズの語源はアングロサクソン語のbiddan(祈る)からきていると言われる。神に祈りをささげる工程を簡略化して魔術的文脈を付与するうえで、ロザリオ風のビーズアクセサリをつけるのは合理的だと思われた。
ファッションセンス? ごてごてしてて最悪だが、まあ仕方ない。
クロエが隣でうへえ、という顔をしていたが、これはもう割り切る他ないのだ。魔術的に意味を重ねていくと、最終的にはどうしても装飾過多になるのだ。
俺が手芸部に入った理由は、魔術の使役に有用な服装を自作するため。
材料のストックがある程度部室に存在して、追加物品が発生しても部費で賄えるのがこの手芸部のいいところである。
次はマントでも作ろうかな、と考えつつ、俺は自分の手袋の出来栄えに満足するのだった。
ミロク
Lv:4.21→13.96→3.96
Sp:1.88→21.26→3.26
≪-≫称号
├×(藍色の英雄)
├森の王の狩人
└大罪の討伐者【嫉妬】
≪-≫肉体
├免疫力+++
├治癒力++++
├筋力_max
├感覚強化(視力++++ / 聴力++++ / 嗅覚++ / 味覚+ / 触覚+)
├熱源感知++
├造血++
├骨強度++++++
├×(肺活量)
├皮膚強化++++++
└精力増強
≪-≫武術
├短剣術++
├棍棒術++++++
├盾術++
├格闘術+++++
├投擲++++++
├威圧+++
├隠密+++++
└×(呼吸法)
≪-≫生産
├道具作成++
├罠作成++
├鑑定+++
├演奏
├清掃
├裁縫+++++
├測量++
├料理
├研磨
├冶金
└運搬
≪-≫特殊
├暗記++
├暗算++
├直感+++++ new
├並列思考+++++++
├魔術言語+++++
├詠唱+++++
├治癒魔術++++++++
├付与魔術_max
└血液魔術++ new
クロエ
Lv:75.36(522)→75.46(499)
Sp:1.61→2.51
状態変化:腐敗 免疫欠乏 皮膚疾患 呼吸障害 視力× 味覚× 嗅覚×
≪-≫称号
└大罪の討伐者【嫉妬】
≪-≫肉体
├免疫力+++
├治癒力+++
├筋力+++++++
├感覚強化(視力+++++ / 嗅覚+++ / 味覚+++)
├肺活量+++
├不死性+++++
└異常耐性(毒+ / 呪術+++)
≪-≫武術
├棍棒術+++++
├投擲++++
├隠密++++++++
└呼吸法++
≪-≫生産
├罠作成+
├裁縫+
└測量
≪-≫特殊
├宝石魔術+++
└吸魂+++++++
ちなみに、ここ十日ほどは結構真剣に錬金術に打ち込んだのだが、錬金術スキルは得られなかった。
才能の欠片も20ポイントほど残した状態を維持していたので、スキルは芽生えやすかったはずなのだが、まだもう少し打ち込む必要があるみたいだった。
それならばと、何となく心を惹かれた直感スキルと、血液魔術スキルにポイントを割り振りつつ、改めて俺は勉強に打ち込むのだった。
この期間、学業としては錬金術を中心に勉強した。
概論としての錬金術は知っていたが、体系だった知識の整理や、まだ未解決・未整理の分野を質問するにあたっては、こうやって講師に教わるのが一番である。
隣に座っていたクロエには悪いが、授業中の俺はちょっと目立つぐらいに質問を繰り返し、古代アレクサンドリアの錬金術(蒸気加工・湯煎・ガラス彩色・陶器彩色など)から、ジャービル・ブン・ハイヤーンの文献研究、パラケルススの四大説・アラビア三原質・アルカナの考え方、ヴェーダ錬金術とタントラ、錬丹術と気功術に渡るまでを自分の学習のために聞き探った。
錬金術は、金属加工と調薬の学問である。
必然的に冶金の考え方や薬学的な考えが中心になるが、ほかにも再結晶化で集めるべき物質や蒸留装置で集める物質など、押さえておくべき基礎的な材料取り扱いの知識は化学分野になる。
この辺は、ゆくゆくは迷宮内に本格的な工房を作って研究したい俺にとって欠かせない知識なのだ。
隠しダンジョンを独占している今、迷宮から得られる素材は腐るほどある。
積極的な姿勢が高評価だったのか、講師の女性の方ともちょっとだけ仲良くなり、たまにお茶に誘われるようになった。
迷宮で取れたさまざまな素材(動物の生き血・生き胆、川で拾ったくず宝石、薬草や海藻など)をお土産にするととても喜んでいたので、まあ、向こうにとっても利のあるいい関係だろう。
クロエからの視線が白かった気がするが、気にすることではない。うん。
(……なんだろ、ちょっと距離が近かったような気がするけど)
勉強だけではない。部活にかけては手芸部らしく、手袋の作成を頑張った。
ミスリル銀を練った蜘蛛糸で魔法陣や典礼言語を縫いこみ、手袋に魔力を流すだけで魔術が発動するような仕組みを作る。橄欖石などの火成岩をビーズアクセサリにして、ロザリオの数珠玉を模倣して装飾する。
ビーズの語源はアングロサクソン語のbiddan(祈る)からきていると言われる。神に祈りをささげる工程を簡略化して魔術的文脈を付与するうえで、ロザリオ風のビーズアクセサリをつけるのは合理的だと思われた。
ファッションセンス? ごてごてしてて最悪だが、まあ仕方ない。
クロエが隣でうへえ、という顔をしていたが、これはもう割り切る他ないのだ。魔術的に意味を重ねていくと、最終的にはどうしても装飾過多になるのだ。
俺が手芸部に入った理由は、魔術の使役に有用な服装を自作するため。
材料のストックがある程度部室に存在して、追加物品が発生しても部費で賄えるのがこの手芸部のいいところである。
次はマントでも作ろうかな、と考えつつ、俺は自分の手袋の出来栄えに満足するのだった。
ミロク
Lv:4.21→13.96→3.96
Sp:1.88→21.26→3.26
≪-≫称号
├×(藍色の英雄)
├森の王の狩人
└大罪の討伐者【嫉妬】
≪-≫肉体
├免疫力+++
├治癒力++++
├筋力_max
├感覚強化(視力++++ / 聴力++++ / 嗅覚++ / 味覚+ / 触覚+)
├熱源感知++
├造血++
├骨強度++++++
├×(肺活量)
├皮膚強化++++++
└精力増強
≪-≫武術
├短剣術++
├棍棒術++++++
├盾術++
├格闘術+++++
├投擲++++++
├威圧+++
├隠密+++++
└×(呼吸法)
≪-≫生産
├道具作成++
├罠作成++
├鑑定+++
├演奏
├清掃
├裁縫+++++
├測量++
├料理
├研磨
├冶金
└運搬
≪-≫特殊
├暗記++
├暗算++
├直感+++++ new
├並列思考+++++++
├魔術言語+++++
├詠唱+++++
├治癒魔術++++++++
├付与魔術_max
└血液魔術++ new
クロエ
Lv:75.36(522)→75.46(499)
Sp:1.61→2.51
状態変化:腐敗 免疫欠乏 皮膚疾患 呼吸障害 視力× 味覚× 嗅覚×
≪-≫称号
└大罪の討伐者【嫉妬】
≪-≫肉体
├免疫力+++
├治癒力+++
├筋力+++++++
├感覚強化(視力+++++ / 嗅覚+++ / 味覚+++)
├肺活量+++
├不死性+++++
└異常耐性(毒+ / 呪術+++)
≪-≫武術
├棍棒術+++++
├投擲++++
├隠密++++++++
└呼吸法++
≪-≫生産
├罠作成+
├裁縫+
└測量
≪-≫特殊
├宝石魔術+++
└吸魂+++++++
ちなみに、ここ十日ほどは結構真剣に錬金術に打ち込んだのだが、錬金術スキルは得られなかった。
才能の欠片も20ポイントほど残した状態を維持していたので、スキルは芽生えやすかったはずなのだが、まだもう少し打ち込む必要があるみたいだった。
それならばと、何となく心を惹かれた直感スキルと、血液魔術スキルにポイントを割り振りつつ、改めて俺は勉強に打ち込むのだった。
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