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はじまり①

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「あっ……んっ……」

 真っ暗な寝室の中で、俺は幼馴染に犯されていた。

「しーちゃん……中に出すよ……!」
「折人(おりと)っ……だめっ……赤ちゃん出来ちゃうからぁ……!」
「僕の赤ちゃん孕んで、しーちゃん」

 折人はバタバタと抵抗する俺の足を抱えて、繋がったまま後背位の体勢に変えた。
 そして俺の首を押さえつけると、腰を振りながらそこへ深く噛み付いた。

「うぁっ……やめてっ……」
「しーちゃん、愛してるよ……!」

 折人は俺の丸い歯形がついた首筋を舐めながら、ガツガツと突き上げを激しくした。

「やらっ……イクっ……イっちゃう……あぁっ!」

 俺は激しい絶頂感に襲われ、何度も体を震わせた。
 それと同時に折人は腰を深く突き入れた。

「んっ……しーちゃん……!」

 俺の名前を呼びながら、折人は発情期の胎内に精子をたっぷりと注ぎ込んだ。

「これで、僕たち番だね……!」

 俺はセックスによる多幸感に襲われながらも、どうにか意識を保って拳を握った。
 そして普段の十分の一もない力で、背後から被さる彼の顔面に拳を叩き込んだ。

「死ね! 変態レイプ野郎!」



 ことの発端は俺が十二歳の頃にまで遡る。

 十二歳で行われたバース検査でアルファと診断された俺は、親の勧めで中高一貫のアルファ校へ通うことになった。
 生まれた時から幼馴染である折人もアルファであり同じ学校に通うことが決まっていた。
 折人は何度も俺の診断書を見ては、
「オメガならめちゃくちゃに犯して僕のお嫁さんにしたのに」
 と不穏なことを言っていた。

 中学は折人にべったりされながらも比較的平和に過ごした。
 だが、俺が高校に進学した頃、真夜中に突然尻の穴が濡れ出してオメガの発情が始まった。
 俺の両親は共にベータで俺の発情期には気が付かなかったが、幼馴染で隣の家に住む折人にはすぐ気付かれてしまった。

「しーちゃん、すごい甘い匂いがしてるよ」

 俺の部屋の窓が突然開かれ、そこから折人が入ってきた。
 俺の部屋と折人の部屋は窓がくっつきそうなほど近く、普段から彼は人の部屋の窓を勝手に開けて侵入してくるのだ。

「ねえ、これってオメガの発情期でしょ? もしかして嘘をついてたの? 自分はアルファだって……」
「違う、俺はアルファだ! オメガなんかじゃない」
「でもさぁ」

 目の前のアルファの体を求めて疼く俺の体を、折人はベッドに押し倒した。

「ここ、ぐちゃぐちゃに濡れてる」

 彼は俺の尻穴に服の上から強引に指を突き入れた。

「んぅううっ!」
「気持ちよさそう。ほら、もっとグリグリしてあげるね。どんどん染みが広がってきた」
「やだっ……」

 オメガの発情期は、アルファらしい筋肉質な俺の体から抵抗する力を失わせる。
 弱々しく折人の腕を押し返すも、折人は

「どうしたの? こんな力じゃ僕は止められないよ」

 と言って片手で俺の両手首を押さえ込んだ。

「はぁっ、すっごい良い匂い。こんなの僕たち絶対運命だよ」

 折人は俺のズボンとパンツを脱がせると、自分も下衣をずり下げていきりたった怒張を取り出した。

「やだっ、やめろって折人! こんなのレイプだぞ」
「大丈夫。しーちゃんが欲しがってるもの、すぐにあげるから」

 俺の発情してお漏らしでもしたように濡れている尻穴に、折人は自身の鬼頭を押し付けた。

「今夜は記念日だ。……いれるね」
「嫌だぁあああ!」

 涙目の俺の尻穴に、折人はゆっくりと太い肉棒を沈めていく。

「すごい、しーちゃんの中、僕の形になってる」

 ろくに慣らしてもいない穴に無理やり肉棒を入れられ、俺はあまりの痛みに涙を流した。
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