「月下の約束 - 柚希と葵の物語」

第2章: 夢への一歩

第2話: 互いの支え

春の午後、柚希は葵のアトリエを訪れた。葵はアートスクールの入試に向けて、新しい作品を制作していた。アトリエには彼女の情熱が満ち溢れており、柚希はその光景に感動した。

「これが新しい作品？」柚希が尋ねた。

「うん、試してみたかったテクニックなんだ。どう？」葵が答えながら、柚希の反応を伺った。

柚希は作品をじっくりと見て、感想を述べた。「素晴らしいですね。葵さんの感性が色濃く出ています」

葵は嬉しそうに微笑んだ。「ありがとう、柚希。君の意見はいつも励みになるよ」

しかし、葵の表情には少し疲れも見えた。アートスクールへの準備と学校の勉強の両立は、彼女に大きなプレッシャーを与えていた。

「大丈夫ですか？無理をしないでくださいね」と柚希が心配そうに言った。

「大丈夫だよ、柚希。でも、君がそばにいてくれると、心強いな」と葵が答えた。

その日、二人は一緒に作品の改善案を考え、葵は新しいアイデアを試してみることにした。柚希は葵の作業を手伝い、時には励まし、時にはアドバイスを与えた。

夕方になり、アトリエの窓から柔らかな光が差し込んだ。二人は作品の前で少し休憩を取り、お茶を飲みながらリラックスした時間を過ごした。

「柚希、こんなに支えてくれて、本当にありがとう」と葵が言った。

「葵さん、私もあなたと一緒にいる時間が好きです。あなたの夢を応援することができて、嬉しいです」と柚希が微笑みながら答えた。

二人は夕日を眺めながら、これからの夢について語り合った。葵のアートスクールへの挑戦は、彼女にとって大きな一歩であり、柚希の支えがその一歩を力強くしていた。

夜が訪れると、二人はお互いに感謝の気持ちを表しながらアトリエを後にした。柚希と葵の絆は、試練の中でさらに深まり、彼女たちの夢に向かう道を照らしていた。