世間に良くある既婚パーソナルジムトレーナーと人妻のイケる関係

しらかわからし

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第1話:静かな成功と、予期せぬときめき

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 和聖は今日も仕事が終わって家に帰り暖かい家族が迎えてくれた。五年前に土地を買ってその上に新築で自宅を建て妻と息子と暮らして今の生活に何ら不満はないし幸せだと実感していた。創業したのは十年前で仕事は激務だが社長業として部下と共に日々利用者と家族と関わる県内の二十施設を次々にオープンさせていた。

 四十歳という節目の年齢を迎えるという事で同窓会が 四月二十日(土)に開催された。高校を卒業してから二十数年の年月が流れて初めての同窓会だった。高校の同窓会のLINEでの呼び掛けが主な連絡手段だった。それでも二十人ほどの同級生が集まった。

 和聖は直前まで行くかどうか迷っていた。理由は空白の時間を埋める会話が煩わしくて面倒だったからだ。しかし、その反面かつての同級生のその後の人生と外見的な変遷も見てみたいという矛盾の感情もあった。そして和聖は後者の思いが強くなり参加する事にした。

 四十歳を迎えての同窓会での話題は定石通りの内容で仕事、伴侶、子供、介護、持ち家、健康、両親等々と同じ年齢なので心配事は一緒のようだった。こんな話題がいつの間にか中心となっていった。和聖はこのような話題になる事を嫌がっている訳ではないがこんな話題に陥る筈のない連中がそんな話しをしているギャップがまた面白く興味深かった。

 アッという間の一次会が終了した。そして、カラオケという流れの二次会へと進んだ。和聖は一次会で帰る予定だったが何となくこのギャップが面白くて二次会まで予想外にも着いて行ってしまった。そこで和聖は隣に座った夏美に心を奪われた。

 和聖は高校時代に彼女と同じクラスになった事もなければ同じ部活でもなければ、話した事もなかった。しかし彼女の「ナッチ」という呼び名と彼女の外見は良く覚えていた。知的な雰囲気の漂う女性で運動も勉強も出来て男子の憧れの的でもあって四十歳になった今も良い歳の取り方をしていたが、以前よりもかなり体重だけが増したように見えたが、相手は女性なので余計なことは言わなかった。

「私も神宮寺君の事は知っていたわよ。柔道部の主将だったものね」
「だけど話した事はなかったよね。お互いに主将とキャプテンで忙しかったからかな?」

 周りはアルコールが進んだ所為か、カラオケに夢中、酩酊している人、腹を抱えて笑い転げている人、眉間に皺を寄せて真剣な話しをする人など。様々な音と光景が耳に入ってきた。そんな騒音の中で和聖は「ナッチ」と会話をしていた。久しぶりの騒音の中での会話に全体が妙な興奮に包まれていた。話しは高校時代に見たドラマや曲の話しになり盛り上がった。アッという間に時間が過ぎた。

 帰り道、何だか二十年前にタイムスリップしたかのような気分で歩いていた。懐かしい気持ちだった。あの頃に聴いていた曲のサザンのTSUNAMI、「風に戸惑う弱気な僕、通りすがるあの日の幻影~」と口ずさみながら夜の街を一人歩き「ナッチ」の事を何となく思い出していた。

「凄いよね、フィットネスフューチャーズ・アカデミーの代表取締役なんて地元で一番、利益を上げていて飛ぶ鳥を落とす勢いの有名な会社でしょ?」
「全然、そんな事ないよ」
「だって高校時代のツッパリの神宮寺君のイメージとでは程遠いもの」
和聖は「ナッチ」とこの後、個人的な関係性を築く事になる。

 つづく
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