ガラスの海を逞しく泳ぐ女たち

しらかわからし

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第5-2話 田畑静雄と高橋美夏の新幹線内での出逢い

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 静雄と美夏との距離が近過ぎて、あまりジロジロと彼女の身体に露骨に視線を移せなかった。彼女からの会話を聞きながらも少しずつ観察していると、ツーピースのスーツで、中にはブラウスで、その下には結構大きめのバストがあり第三ボタンまで外して開いていたので、白く透き通った豊かな谷間が少しだけ覗いていた。彼はそれだけでドキドキしていた。

 靴は黒のパンプスで五センチほどのヒールに肌色のストッキングを穿いていた。話していると片腕を組みながら窓の外を覗き込む時など彼女の腕の上にたわわなバストが乗っかるようになって柔らかそうに揺れていて時折、細くて長い脚を組み直す際に太腿が露わになり静雄の大好きな脹脛の締りが良くてアソコの締りの良さの想像まで膨らませていた。

 彼は一礼して自分の席に座っていると彼女が、「隣、良いですか?」と言った。二人は自由席だったので、「どうぞ!」と言って彼女を窓側に座らせた。

「彼女は何でオラのような田舎者さ興味持ったのがイマイチ分がねがったが、隣さ来てってしゃべるばってそれ阻止する理由はオラにはねがった」と思っていた静雄だった。

 また美夏は一人で話した。「会社は東京で実家も東京です。今回は長いお休みを頂いたので大阪の大学時代の友人と会って話しをしようと言う事で明日、逢う事になっていて、その後はまた東京で仕事です」。

「そうだったんだね」と相槌を打つしかなかった静雄だった。
 
「あまり具合が良くない母の看病もしなくてはいけないので仕事との両立とで疲れていて最近、ストレス解消が出来なかったので、友人に会ってパッと飲もうと言う話しになったんです」と美夏は明るく言った。

「大変だよね、家族さ病人がいるどさ、オラも今、婆っちゃの具合がわりぐで悪くて、あの電話の殆どが婆っちゃの事で病院ど嫁さんからだったんだ」

 化粧は清楚で、元々顔立ちが上品だから、それなりの良い所のお嬢さんなんだなと思っていた静雄だった。

「東京にはおいの二番目の兄貴、品川区さ住んでいで、今回の帰りには寄ってがら帰るべ帰ろうと思ってらんだ思ってるんだ」と言った。

「私の実家も品川区の西五反田っていう所なんですよ!」と目をランランと輝かせて美夏が言った。

「近ぐだがね? オラの兄貴は東五反田っていう所さ住んでいで、良ぐへでがぃる良く連れて行ってくれる店が亜細亜あじあっていう中華料理店でシューマイさ、美味ぐでオラはむったどいつも硬焼ぎそば食う食べています

「はい、実家とは五反田駅を挟んで東西ですよ。亜細亜さんには私も親たちと良く行きますよ。美味しいですものね」

 美夏の実家と静雄の兄が住むのが同じ区だったので話しが盛り上がった。そこに美夏の婚約者の小川 蓮おがわ れんから電話が入った。美夏は席を外して歩きながらスマホに耳を傾けた。

「美夏、今、何処?」

「新幹線の中」

「何処に行くんだよ?」

「大阪の友人と飲む約束で」

「そうだったんだ。今、俺、本社に居て美夏の部署に行ったら連休だって言われて」

「何で連絡をくれなかったの?」

「忙しくてさ、明日、鹿児島に帰る」

「そうやっていつも連絡を貰えないで急に言われても困るのは私の方なんだけど」

「ごめん」

「仕方ないから今回は諦めるから」

「そうだな、じゃぁな!」

「うん」と言って電話を切った美夏だったが、彼は鹿児島に転勤してから既に三年の月日が経って、口約束で婚約をしたが、逢うのはいつも連絡なしで急だったので、この三年間で逢えたのが数えるほどで先日、緑子から若いカレが出来てセックスをしている話しを聞いていた彼女にとって、もう二年以上も異性の肌に触れていなかったので自身で慰めているだけだった。

 つづく
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