僕の心を離さない“産まれてくる君”にこんにちは!

しらかわからし

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第1話

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和幸「おー、元気だったか? お腹の中の『君』も、お元気でちゅか?」

晴美「はい、お蔭様で!」

和幸「晴美がニコニコして言ったので僕は少し安心したよ。深刻な話しかと思ったからさ」

和幸「注文をしよう。晴美はお腹の中の『君』の為にホットミルクでいいよな?」

晴美「はい」

和幸「僕はエスプレッソにするから。今、持って来てやるからさ」





晴美「ありがとうございます。相変わらず料理長は私のお腹の『君』の事ばかりよね?」

和幸「そりゃぁ、そうだろうよ。トントントン! お腹の中の『君』、聞いてくれまちゅか? オジちゃんは君のママに求婚したんだけど振られたからさ。ママよりも君が産まれて、オジちゃんに『こんにちは♪』する時を楽しみにしているんだからね。ところで、相談って何よ?」

晴美「それが……」

和幸「オイオイ、晴美、そんなに深刻な事か? 勘弁してくれよ、まさか戻って来ないってか?」








晴美「浮気していたの……」

和幸は「えっ、そんな事か。あ~良かった!」

晴美「良くないですよ!」

和幸「心配していた事ではなかったからさ、一安心だよ」

晴美「……」

和幸「ところで誰が?」

晴美「主人が」

和幸「誰と」

晴美「会社の女の子と」

和幸「いつから?」

晴美「二年前から」

和幸「えぇっ? 晴美が結婚したのは一年前だよな?」

晴美「うん」

和幸「計算が合わないんだけど」

晴美「二股」

和幸「そっか……、でっ?」

晴美「別れようと思って」

和幸「良く話し合ったのか?」

晴美「帰って来ないから」

和幸「どこに居るのかな?」

晴美「女の所」

和幸「住所は?」

晴美「分からない」





和幸「もう少し様子を見てから決めても良いんじゃないのか?」

晴美「料理長から求婚されたのを断って結婚したのに、こんな相談をしてごめんなさい」

和幸「そんな事は終わった事だから気にしないでいいよ。僕は職場の同志として晴美が戻って来てくれればそれだけで良いからさ。その為だったら僕は晴美の為に何でもするから」

晴美「戻るのは確実だから心配しないで下さい。でも主人とはもう戻る気持ちが無いの」

和幸「そっか、でも大変だぞ。シングルマザーは」

晴美「仕方ないですよ……」






和幸「よし。そこまで晴美が腹を決めたなら、僕が旦那の代わりに晴美とそのお腹の中の『君』の為に一所懸命にするからさ」

晴美「えっ、どういう事ですか?」

和幸「旦那と正式に離婚したら、僕が晴美とこれから産まれて来る『君』のパパになって二人の面倒を見るから結婚しよう!」

晴美「えっ、嘘!」

和幸「本当だよ」

晴美「信じられないです」

和幸「お腹の中の『君』に触るから、僕の言葉を信じて兎に角、晴美は体を大事にしろよな!?」

晴美「はい、ありがとうございます。そんな優しい言葉を掛けてもらったら、私、泣いちゃうよ!」

和幸「頼む! お代官様、ここでは泣かないでくれよ!」

つづく
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