僕の心を離さない“産まれてくる君”にこんにちは!

しらかわからし

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第2話

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 晴美「ありがとうございます。料理長の信じます。だから今晩、アパートに行ってもいいですか?」

 和幸「うん、良いけど、エッチはしないからね。でも旦那とはちゃんと別れてくれよな!?」

 晴美「はい」

 和幸「じゃぁ、帰ろうか? それより夕飯、食ったか?」

 晴美「食べてないです」

 和幸「じゃぁ、アパートで野菜たっぷりのラーメンでも作ってやるか? 途中のスーパーで買おうな」

 晴美「でもここでもいいですよ」

 和幸「ダメだよ。ここの料理は添加物たっぷりだからさ」

 晴美「でも料理長は仕事して疲れているからここでいいですよ」

 和幸「僕の子供を産んでくれるんだろ?」

 晴美「えっ! 何、それ?」

 和幸「旦那と離婚したらお腹の子は僕の子だよね?」

 晴美「うん、まぁ……、そういう事になるのかな?」

 和幸は晴美の横の席に座り直して、「お腹の中の『君』のママはバカでちゅか? ガハハハハ!」

 晴美「君のパパになってくれる人もバカでちゅよね? アハハハハ!」

 ※

 晴美「料理長のこの部屋は一体? あ~ぁ、調理場では『衛生!』、『手洗いは三分だぞ!』、『やれ、消毒だ』、『まな板は次亜塩素酸ナトリウム水溶液で浸せて帰れよ!』って口煩く言っているのに、自分の部屋の中は酷いもんだね~~!?」

 和幸「おいおい、随分、偉そうな事を言ってくれるじゃないか? でも晴美が少し元気になっていたので僕は安心したよ」

 和幸「掃除はいいよ。埃では死なないからさ。それよりもラーメンを食べろよ。お腹の中の『君』が『お腹がちゅきました!』って言っているからさ。おい、埃が立つから兎に角、ラーメン食べろよ! その後は風呂に入れ! 今、沸かしてやるから」

 晴美「は~い」

 和幸「お腹の中の『君』はママがラーメンを食べているけど、『おいちいでちゅか?』」

 晴美「パパが作ってくれたラーメンはおいちいでちゅ」

 和幸「そっか。それは良かった。デザートはロイヤルミルクティーを作ってあげるから」

 晴美「パパが美味しい紅茶を作ってくれるんだって」

 和幸「お腹の中の『君』の為にも、ただの紅茶を淹れるよりも良いんじゃないかと思ったからさ」

 晴美「やっぱり料理長と結婚すれば良かったよ……」

 和幸「人生は紙飛行機でさ、願いのせて飛んで行くからさ、終った事はさ、後悔は先に立たずだから、過去は気にしない事だよ。あの巨匠の秋元康さんが作詞した名曲のAKBフォーティーエイトさんの歌にあるようにさ、これからの晴美とお腹の中の『君』の人生を精一杯生きれば良いんだと思うよ。僕と一緒にさ」

 晴美「本当だですよね。こんな近くに私の事を真剣に考えてくれていた人が居たって言うのに、私はバカな女だったですね」

 和幸「晴美のあの時は僕よりも彼の方が良いと思ったんだから仕方ないだろ。それに彼はイケメンだし、大卒でうちの会社でもマネージャーで優秀だからな。そこへ行くと僕なんか、薄ら禿げでブサメンだし、専門学校卒だし、後は取柄なんか何もないからさ」

 晴美「人としては料理長の方が上だったって事ですよ」

 和幸「それは分からないと思うよ。人生は長いから、夫婦になっても山あり谷ありだしお互いに足りない部分を補いながら、その落ち込んだ時に夫婦で、どう助け合って乗り越えていけるかに掛かっているんじゃないのかな。僕は晴美と、産まれてくる『君』と、暖かくて穏やかな身の丈に合った家庭を築きたいと思っている。勿論、晴美が正式に離婚してくれたらの話しだけどね。本当は今日、晴美をこのアパートに連れて来てはいけないんだと思ったけど、あのまま帰したら晴美とお腹の中の『君』が遠い所に行っちゃうんじゃないかと思ったからさ」

 晴美「本当に良いの、他の人の子でも?」

 和幸「うん、そんなの関係ないよ。僕は、今の会社に来る前はホテルだったけど、休みの日はボランティアで、児童養護施設で食事を作っていたんだ。そこの所長さんがいつもおっしゃっていた言葉が、「子供は誰の子じゃなくて、社会全体の子だし宝物だからね」と本当に優しくて心から尊敬していたんだよ。それに晴美とはずっと一緒に働いて来たから性格も良く知っているし、誰に対しても優しかったし、責任感は人一倍だし、美人ではないけど、ロケットバストだから……さ。ムハハハハ!」

 晴美「料理長のエッチ! 美人ではないけどは、余計でしょ? クスッ!」

 和幸「いや、僕好みの可愛いが先に来る美人だといつも思っていたからさ」

 つづく
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