僕の心を離さない“産まれてくる君”にこんにちは!

しらかわからし

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第10話

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和幸「今、お袋は近所のスーパーに必要な物を買いに行ったから」

晴美「本当にお義母さんには感謝だわ」

和幸「晴美の複雑な事情は、お袋には話しをしなかったから心配するな。そしてその悪夢は全てもう忘れろよな?」

晴美「うん。ありがとう。お陰で、家事などもしないし、ゆっくり休むようにってお義母さんに言われていて、私は新菜にお乳を飲ませて、おむつを替えたりするぐらいで、のんびりさせてもらっているの。でも貴方にも悪いけど、夜中に『お腹空いた!』という二時間おきの夜泣きの授乳は大変だし、貴方は寝不足になってごめんなさいね」

和幸「そういう事も親になるんだから、当たり前の事だろ。こんな事も後になったら良い思い出だと思うよ」

晴美「さっき飲ませたばかりと思っていてもニーナはお腹が減ると二時間を待たずに泣いて私を起すんだもの、時計を見ると一時間半の時もあれば一時間の時もあって寝た気がしないものね」

和幸「それはそうだな。でもお袋が来てくれたから、僕は職場の休憩時間にはシッカリ昼寝をさせてもらっているから心配しないでよ」

晴美「そうしてくれると私もありがたいわ。それにしても新菜の寝ている姿は正に天使のようで可愛くて。出産時の何度も何度もお腹が割れそうな程の痛みが押し寄せて失神状態に陥った事や、悪阻つわりで気持ち悪かった辛い事なども全て忘れさせてくれるものね。だから自分の寝る時間が無くなっても我慢ができるんだろうと思ったんだ。それに私の母は私を産んで直ぐに他界したのは話したじゃない?」

和幸「うん」

晴美「母も父も育ての祖母も他界してしまった時に私は産まれて来なければ良かったって何度も思っていたんだけど、あんなに出産時に痛い思いをして、失神状態が続いていて、我に返った時に亡くなった母のことを尊敬もして、産んでくれた事に心から感謝したの。そして『生まれて来ない方が良かった』と思った事に対して申し訳なく思ったわ。だって今はこんなに優しい旦那様に大事にされて、幸せな気持ちで娘を産めたのだから」

和幸「そっか。出産は色々、気付かしてくれて、勉強もさせてくれるものだな。こんな風にして子供を育てながら我々夫婦も成長させてもらえるんだよな」

  ※

晴美「三ヶ月間、お義母さんが居てく下さったお陰で本当に助かったわ。そのお義母さんも田舎に帰ったから、いよいよ家族三人の生活が始まって、新菜が産まれてからは娘中心の生活に変わっていったけど、娘のお風呂は殆んど貴方が昼と夜の間の休み時間に帰って来て入れてくれているから本当に助かっているの」

和幸「そんなの父親としては当たり前の事だろ。それにニーナは可愛くて仕方ないからな」

 つづく
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