サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

文字の大きさ
210 / 291
第4章

9話-6 ステーションホテル一号館に初出勤

しおりを挟む
「富田!カウンターの片付け方をまた新人に教えてやってくれ!」と大崎が言った。

富田は私をカウンターに呼び「さっき教えた反対をやれば良いんだからね」と前置きし「残ったジュース類はポットに入れてサランラップをして、このカウンター下の冷蔵庫に入れておいて」と言いながら一緒にやってくれていた。

全ての使用したディスペンサーとポット類を洗い場に持って行き、オバサンに、「お願いします」と言うと、また洗い場の目黒に私は怒鳴られた。

「そんな所に置かないで、こっちに置け!」と。

「すみません」と言って置き直した。

その後、カウンターに帰ってきてコーヒーポットを洗剤で洗って洗い籠に逆さにした。

使ったダスターを厨房裏に持って行き洗い場のバケツに伸ばして入れると、また目黒が来て「そんな入れ方をしたら洗濯機の前で、あたしたちがまたやり直さなくてはいけなくなるでしょ!?」と言われ、入れ方を教わったが私が入れたのと何が違うのかが分からないほどだった。

とにかく、何でも相手が下だと思うとイチャモンを付けたい感じに見受けられた。

このレストランのスタッフ全員がストレスを溜めているかのような感じだった。

その後は床の掃除機掛けをした後に各テーブルに夕食用のテーブルクロスを掛けた。

これには私は帝王ホテルの若き修業時代に良くやっていた事だったので得意中の得意な仕事だった。

さっさとやっていると、また大崎が来て、「そんなやり方じゃダメだ!」と怒鳴られた。

やり方を見せてくれるのかと思っていたら、そのまま違う場所に行ってしまった。

そこに富田が来て、「久留実野さんのやり方で間違いないんだけど兎に角、文句が言いたいのよ。ここの人たちは全員だから気にしないでね」と言って苦笑していた。

これが終わるとホテルスタッフ全員が朝食の賄いになる。

 ※

スタッフの賄いの食し方を教わった。

賄いは一食二百円を給料から引かれ、客が残したビュッフェの料理を好きなだけ食べる事が出来る。

全員が取り終えると料理人たちがチューフィング熱源を用い料理を盛る銀の器や皿に残っていた料理をゴミ箱に捨てて、洗い場のオバサンたちが食器を取りに行くと料理人たちは自宅に帰って行き中抜き休憩に入るのだ。

洗い場のオバサンたちは食器を洗った後には料理長から頼まれた仕込みをする。

このホテルの料理人たちは厨房の掃除もしないので床は油汚れで真っ黒になっていて、仕込みの殆どを洗い場のオバサンと午後から出てくる一番若い料理人にさせていた。

私はその光景を見てこの調理場は、いつかは食中毒を起こすと思っていた。

つづく
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

処理中です...