サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第4章

9話-8 ステーションホテル一号館に初出勤 社員寮の清掃

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中抜け休憩で寮の二階の清掃を富田に手伝ってもらった。

私の先導で富田と一緒に帰ってきて寮に入ると彼女は「広いじゃない?ここに一人で住むの?」と。

「そうだけど」

「冬は寒いわよ」

「そうなんだ」

「知らないで来たの?」

「うん」

「兎に角、どこを掃除するのか見せて?」

二階に上がって部屋を見せました。

「これは本当に凄いわね」

「だろ?」

「兎に角、空き缶と空き瓶を分けてゴミ袋に入れてからね」と言って、 階下に降りて私が昨夜に寝た部屋を見せた。

「寝袋で寝たの?」

「うん、一昨日はね、夜中に着いてさ、布団を下ろせなかったのでこれで寝たんだ。昨日は布団で寝たよ」と言いその隣の部屋の布団を見せた。

「何、この汚いシーツは?」と言って丸めて前の住人が置いて行った洗濯機の中に入れて洗い出したのを見た私は流石に主婦だと思って感心した。

キッチンに行き、その後は浴室を見て、そしてトイレを見たら、「トイレ入っていいかな?」

「ご自由にどうぞ」と言い富田に貸すジャージの上下とシャツを出した。

トイレから出て来た富田に私は、「これを着て、汚れるからさ!」と言って渡した。

その場で富田は制服を脱ぎ出したので私は慌てて、「俺の前で脱いだら襲っちゃうぞ!」と言うと、「いいわよ、襲ってよ!貴方だったらOKだからどうぞ!どうせそんな勇気ない癖に!」と平然とした顔で言った。

「確かに……」と言って私は苦笑した。

「さぁ、掃除しましょう!」と言いゴミ袋を持って二階に上がって行った。

 ゴミ集めをしている時に富田が唐突に話をした。

「料理長はこの間、副支配人と口論になって、副支配人は賄いの時も宴会の仕事が入っていてもレストランに来なくなってしまったの」と言った。

「あの料理長は何で富田さんや他の人を苛めるのかな?」と私。

「実はこの御天場市内では、料理長が部下を苛めるという噂が広まっていてアルバイトやパートが集まらないの。私たちのような外国人だと、そんな噂が耳に入らないから間違って入っちゃうんだけど」と言った。

「悪循環だね。副支配人も男だったら喧嘩した後は、いつも通りにしていなくては負けを認めた事になるから、もし俺が同じ立場だったらその後はポーカーフェイスでいつもよりも明るく、普通にしているけどな」

「皆、根性が無いのよ。やったらやりっぱなしだからいつまでも料理長の苛めは続くし社長も副社長も分かっているのに見て見ぬ振りだから」

私は変な会社に入社させられたもんだと自分を憂いた。

つづく
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