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第4章
10話-1 勤務2日目 社長からの呼び出し
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ホテルに出勤しレストランに入ると誰も居なかったので昨日、富田から教わったカウンターの準備をしていた。
その後昨日、休んでいた佐藤英子と富田美紀が出勤してきた。
山中が休みだった。
最後に大崎が出勤してきた。
入社初日から料理長に意見を言って問題を起こした事で副支配人から副社長に報告し、その後社長に伝えられ私は副社長から、「社長が久留実野さんに話しがあるから一階の会議室に行って下さい」と言われた。
私はカウンターの朝の準備を全て終えて向かい、録音機のスイッチをONにした。
トントントン、会議室のドアを叩いた。
「失礼致します」と私。
「おはよう!」と社長。
「おはようございます」
「昨日は料理長と派手にやったそうじゃないか?」
「申し訳ありませんでした」
「うちの連中は大人しい奴ばかりだからな」
「はい」
「副支配人の品川もやったらしいけど、彼は辞める事が出来なかっただけだ。彼が家を建てる時に俺が保証人になってやっているからだが、今まで料理長と喧嘩した奴らは皆、その日で辞めて行ったからな」
「そうでしたか」
「今まで誰も料理長の苛めを止めさせた社員は居ないから大変だと思うよ」と社長は他人事の様に言った。
「僭越ですが社長に伺いたく存じますが宜しいでしょうか?」
「うん、何だ」
「社長は料理長のあのような苛めやパワハラを肯定しておられるのでしょうか?」
「それは無いよ」
「でしたら、何で社長は注意をしないのでしょうか?」
「今まで何度もしたが、直らなかっただけだよ」
「それでも被害者がいるのですから、直させるべきではないですか?」
「そうだが、直らないんだから仕方ないじゃないか」
「でしたらそれを見て見ぬ振りをしろと言う事ですか?」
「いや、一緒に勤務している者がするしかないだろうな」
「私がしたのに、社長は私を呼んで注意をしようとしています。私はどうしたら宜しいのでしょうか?」
「実は私もどうしたら良いのかわからないし、一号館の長年の悩みの種でもあるからな」
私は黙った。
「ただ、願いは波風を立てないで和を乱さないでもらいたいと思っている。それだけだ」と社長。
「元々、このホテル、いやレストランに和があるのでしょうか?」と私。
「俺を中心に和はあると思っているけどな」と社長。
私は(この社長は何でも自分中心であれば良いと思っているのかもしれない)と思いながら「そうですか」と言った。
「そうは思わないかな?」と社長。
「私はまだ今日で二日目なので、そこのところは良くわかりません」と私。
「そうだよな、入社初日に問題を起こした社員は当社の創業以来、君が最初だから、他の人間は皆、即刻辞めて行ったから」
「そうですか、それは大変に失礼致しました」
「この事で私が君に罰を与えるのはおかしなものだと思うので、久留実野君は君自身が考えて自分に対して罰を与えてほしいが、どうかな?」
「承知致しました。それでは今日から始めさせて頂きますが宜しいでしょうか?」と私は料理長にはお咎めなしで自分だけ罰を受けるのは納得できなかったが仕方ないと思っていた。
「何をするのか楽しみだよ」と社長。
「はい」
「もう戻っても良いぞ!」と社長。
「はい、失礼いたします」と言ってレストランに戻った。
私は(変な会社だが、社長も相当変人だ)と思ったし、良くもこんなに長く継続して経営してられると思っていた。
会議室を出て私は録音機をOFFにした。
つづく
その後昨日、休んでいた佐藤英子と富田美紀が出勤してきた。
山中が休みだった。
最後に大崎が出勤してきた。
入社初日から料理長に意見を言って問題を起こした事で副支配人から副社長に報告し、その後社長に伝えられ私は副社長から、「社長が久留実野さんに話しがあるから一階の会議室に行って下さい」と言われた。
私はカウンターの朝の準備を全て終えて向かい、録音機のスイッチをONにした。
トントントン、会議室のドアを叩いた。
「失礼致します」と私。
「おはよう!」と社長。
「おはようございます」
「昨日は料理長と派手にやったそうじゃないか?」
「申し訳ありませんでした」
「うちの連中は大人しい奴ばかりだからな」
「はい」
「副支配人の品川もやったらしいけど、彼は辞める事が出来なかっただけだ。彼が家を建てる時に俺が保証人になってやっているからだが、今まで料理長と喧嘩した奴らは皆、その日で辞めて行ったからな」
「そうでしたか」
「今まで誰も料理長の苛めを止めさせた社員は居ないから大変だと思うよ」と社長は他人事の様に言った。
「僭越ですが社長に伺いたく存じますが宜しいでしょうか?」
「うん、何だ」
「社長は料理長のあのような苛めやパワハラを肯定しておられるのでしょうか?」
「それは無いよ」
「でしたら、何で社長は注意をしないのでしょうか?」
「今まで何度もしたが、直らなかっただけだよ」
「それでも被害者がいるのですから、直させるべきではないですか?」
「そうだが、直らないんだから仕方ないじゃないか」
「でしたらそれを見て見ぬ振りをしろと言う事ですか?」
「いや、一緒に勤務している者がするしかないだろうな」
「私がしたのに、社長は私を呼んで注意をしようとしています。私はどうしたら宜しいのでしょうか?」
「実は私もどうしたら良いのかわからないし、一号館の長年の悩みの種でもあるからな」
私は黙った。
「ただ、願いは波風を立てないで和を乱さないでもらいたいと思っている。それだけだ」と社長。
「元々、このホテル、いやレストランに和があるのでしょうか?」と私。
「俺を中心に和はあると思っているけどな」と社長。
私は(この社長は何でも自分中心であれば良いと思っているのかもしれない)と思いながら「そうですか」と言った。
「そうは思わないかな?」と社長。
「私はまだ今日で二日目なので、そこのところは良くわかりません」と私。
「そうだよな、入社初日に問題を起こした社員は当社の創業以来、君が最初だから、他の人間は皆、即刻辞めて行ったから」
「そうですか、それは大変に失礼致しました」
「この事で私が君に罰を与えるのはおかしなものだと思うので、久留実野君は君自身が考えて自分に対して罰を与えてほしいが、どうかな?」
「承知致しました。それでは今日から始めさせて頂きますが宜しいでしょうか?」と私は料理長にはお咎めなしで自分だけ罰を受けるのは納得できなかったが仕方ないと思っていた。
「何をするのか楽しみだよ」と社長。
「はい」
「もう戻っても良いぞ!」と社長。
「はい、失礼いたします」と言ってレストランに戻った。
私は(変な会社だが、社長も相当変人だ)と思ったし、良くもこんなに長く継続して経営してられると思っていた。
会議室を出て私は録音機をOFFにした。
つづく
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