サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第4章

14話-6 勤務5日目 片付けと夕食の賄い

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ビールディスペンサーの洗浄をした。

カウンター内の生ビールの冷却機械の洗浄作業をしようとしたら富田が来て「え…、そうやって洗浄するんだ?」と言った。

「今までどうやっていたの?」

「洗浄なんかした事ないよ」

 私は驚き、「酒屋が来て教えなかった?」

「うん、納品するだけで帰っちゃうから」

本来はビールメーカーの下請けが一ヶ月に一回程度、洗浄指導に来るし教育が為された酒屋は定期的にサービスとして洗浄をして帰るものなのだが、このホテルでは実施されてなかった。

「今から洗浄するから見てもらってもいいかな?」と言いながら今まで洗浄をした事がないと言ったのでスポンジ通し洗浄をやって見せた。

スポンジ洗浄を行う前にレバーのタップ内部の組み換え作業を行う、これはスポンジを通すためにタップを逆さにする作業だ。

レバーと取り外して弁棒を抜き取ってタップ本体を回転させ再度弁棒を差し込んで上の穴から覗いてタップ本体の穴と弁棒の穴を重ねた状態でレバーを組み本体に戻して繋げる。

洗浄タンクに八割方の水を入れてホースの水通しヘッドを接続しタップにバケツを掛ける。

ビール継ぎ手を外してスポンジをホースの中に入れる。

ディスペンスハンドルを下げて減圧弁のダイヤルは二以下にしている事を確認してから炭酸ガスボンベの元栓を開ける。

水が出始めてやがてスポンジボールも出てきて水が無くなると炭酸ガスだけが出てくるので、そうしたら炭酸ガスボンベの弁を閉め音が無くなるまで待つ。

洗浄ボンベのガス抜きボタンを押して中のガスを抜いてディスペンスハンドのレバーを上げて取り外してタップ内部を元に戻して本体に取り付ける。

バケツの中の水を見ると案の定、白い汚れのカスが沈んでいた。

これを富田に見せると「汚いね」と言ったので「同じようにやってみてよ」と言ってやらせていると厨房の神田と二人の新橋が出てきて見入っていた。

「そうやって洗浄するのですね?」と神田が言った。

「知らなかったのですか?」と私が訊いた。

「料理人は厨房だけの仕事で良いので」と神田が言った。

私は(料理人はレストラン全体に責任を持たなくてはいけないのに、ここの料理人は何を考えてやっていたのだろうと、また不思議に思ったし、これが料理長の考えだろう)と思った。

「ねえねえ、この後どうするんだっけ?」と富田が訊いた。

「スーシェフ(神田)すみません、明日の朝で良いので酒屋に言って、生ビールのディスペンサーの清掃方法が書かれた説明書がありますので取り寄せて下さい」

私はこの後を富田に手を取り教えていると他のスタッフは全員帰って行った。

富田と二人で夕食の賄いを食べてから帰寮した。

つづく
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