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第5章
4話-3 勤務10日目 ライメンズクラブ定例会
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今日の朝食時は問題なく業務は進んだ。
朝食の終了時に副支配人の品川が私の所に来て「久留実野さん、急で悪いですが今日の昼のライメンズのランチを一緒にやってもらえないですか?賄いを食べてからで良いですから、それに残業代も出しますから」
「はい、大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
たまにこのようなモーニングとディナーの間の時間に各種団体の会合が入る事があった。
今日の会合に勤務できるパートさんが居ないので急遽、私がスタッフに入れられた。
私の基本の労働時間は朝六時出勤で十時までその後、朝食賄いを食べて、中抜け休憩後十八時~二十二時までが一日の労働時間だ。
たまに品川の計らいで疲れるからと早番はないが、遅番にしてくれる事があった。
もっとも今までの勤務で二日だけだったが、それでもその優しい気持ちが有難かった。
そんな訳で私は品川の事が好きだった。
私は賄いを急いで食べて品川にセッティング方法を教わった。
それぞれのホテルでセッティング方法が違うので、こういう事は先輩に素直に教わった方が良いと思っていた。
二十名の洋食でメインが肉料理だけの小さなコースだ。
品川の指示で最後のホットコーヒーを淹れディスペンサーに移していると、担当のスタッフは品川と愛美と私だけだった。
定刻になって会合は始まり、調理場から出てくる料理の皿は温蔵庫に入っていたので手で持つには熱過ぎで、温蔵庫の温度は恐らく八十度だと思った。
品川が「アチーッ!」と叫んだ。
料理長が「こんなのも持てないのか?」と怒鳴ったので、私も持ってみたが到底、テーブルまで持っていけない熱さだったので洗い場にあったワゴンを持ってきて十人分ずつ載せてサービスした。
品川が私の所に来て小さな声で、「今までそんな事をしたら料理長は鬼のような顔をして怒鳴られていたのが、久留実野さんがやると何も言わないのが不思議ですよ」と。
「あんなの熱くて持てないじゃないですか?たぶん料理長だって持ってお客様にサービスなんかできないですし、落としたらそれこそ怒られるでしょ?」と。
「久留実野さんは怖い者なしですね」と愛実が言った。
「愛実さんがやっても料理長は何も言わないと思いますよ」
「言われるのは俺だけか?」と言った品川が苦笑した。
十人にサービスをした後に今度は調理場に顔を出して、「シェフ~!あんなに熱い皿なんか持てないですよ~!」と言うと料理長は「すみません!以後気を付けます」と言った。
またワゴンに載せて十人分をサービスして、ワゴンだと下げるのにも楽で重ねて持って行くと目黒がニコニコしてくれた。
私は洗い場には高校一年のバイト時に半年ほど、経験していたのでなるべく同じ大きさや形の物を重ねて洗っていたからでその方が効率良くできる事を知っていた。
つづく
朝食の終了時に副支配人の品川が私の所に来て「久留実野さん、急で悪いですが今日の昼のライメンズのランチを一緒にやってもらえないですか?賄いを食べてからで良いですから、それに残業代も出しますから」
「はい、大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
たまにこのようなモーニングとディナーの間の時間に各種団体の会合が入る事があった。
今日の会合に勤務できるパートさんが居ないので急遽、私がスタッフに入れられた。
私の基本の労働時間は朝六時出勤で十時までその後、朝食賄いを食べて、中抜け休憩後十八時~二十二時までが一日の労働時間だ。
たまに品川の計らいで疲れるからと早番はないが、遅番にしてくれる事があった。
もっとも今までの勤務で二日だけだったが、それでもその優しい気持ちが有難かった。
そんな訳で私は品川の事が好きだった。
私は賄いを急いで食べて品川にセッティング方法を教わった。
それぞれのホテルでセッティング方法が違うので、こういう事は先輩に素直に教わった方が良いと思っていた。
二十名の洋食でメインが肉料理だけの小さなコースだ。
品川の指示で最後のホットコーヒーを淹れディスペンサーに移していると、担当のスタッフは品川と愛美と私だけだった。
定刻になって会合は始まり、調理場から出てくる料理の皿は温蔵庫に入っていたので手で持つには熱過ぎで、温蔵庫の温度は恐らく八十度だと思った。
品川が「アチーッ!」と叫んだ。
料理長が「こんなのも持てないのか?」と怒鳴ったので、私も持ってみたが到底、テーブルまで持っていけない熱さだったので洗い場にあったワゴンを持ってきて十人分ずつ載せてサービスした。
品川が私の所に来て小さな声で、「今までそんな事をしたら料理長は鬼のような顔をして怒鳴られていたのが、久留実野さんがやると何も言わないのが不思議ですよ」と。
「あんなの熱くて持てないじゃないですか?たぶん料理長だって持ってお客様にサービスなんかできないですし、落としたらそれこそ怒られるでしょ?」と。
「久留実野さんは怖い者なしですね」と愛実が言った。
「愛実さんがやっても料理長は何も言わないと思いますよ」
「言われるのは俺だけか?」と言った品川が苦笑した。
十人にサービスをした後に今度は調理場に顔を出して、「シェフ~!あんなに熱い皿なんか持てないですよ~!」と言うと料理長は「すみません!以後気を付けます」と言った。
またワゴンに載せて十人分をサービスして、ワゴンだと下げるのにも楽で重ねて持って行くと目黒がニコニコしてくれた。
私は洗い場には高校一年のバイト時に半年ほど、経験していたのでなるべく同じ大きさや形の物を重ねて洗っていたからでその方が効率良くできる事を知っていた。
つづく
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