サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第5章

5話-4 勤務11日目 中抜け休憩 前のお宅の若奥様からの苦情

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私の今日は疲れたので中抜け休憩時に掃除をしないで寮に帰る事にした。

帰宅すると、誰だか分からない人の声がして、「久留実野さ~ん!」と(ドンドンドン)と玄関を叩いていた。

出ると「いつも朝早く出て夜遅くに帰って来るから中々お会いできなくて」と第一声に言われた。

「すみません」と謝り、再度「すみませんが、どなた様ですか?」と訊いた。

「申し遅れました。前の家の佐々木です」

「あっ、あのお婆様の……。美容室をご経営されておられるとかのお嬢様ですね」と私。

「そうです」

「どうされたのですか?」

「実は申し上げ難い事なのですが、お宅の駐車場の砂利が道路に落ちてきて、その度に私どもで掃除しているのです」と。

私は(またか)と思い「すみません」と謝罪し、「なるべく近い内にコンクリートか何かで補強します」と言った。

「そうして頂けると私どもも助かります」と言って帰られた。

私は自身の運の無さを憂い、更に疲れが増していたので、今日は昼寝をすることにした。

昼寝をして三十分ほど経った頃にまた先ほどの佐々木さんの声が玄関から聞こえたので眠い目をこすって出るとお菓子の袋を持っていた。

玄関の中に入ってもらうと「先程は、図々しい事を言ってすみませんでした」と言われた。

「母から言われたのですが、久留実野さんがこの家を買った訳ではなく、ホテルの寮として住むことになったそうですね」と。

「はい、そうです」

「なのに、私ったら図々しい事を頼んで申し訳ないと思ったので、これ食べて下さい」と言われ韓国のお土産のお裾分けと美容室の無料券を頂いた。

「ありがとうございます」と言い受け取りまた寝た。

つづく
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