25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第3章 過ぎゆく温もり:王の側室となった彼女へ

2-4話 ベティーナとグレッグの生活:教えと気づき

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ベティーナの部屋には、月明かりが静かに差し込んでいた。
窓辺のカーテンが風に揺れ、部屋の空気は柔らかく、どこか穏やかだった。
グレッグは、彼女の隣に座っていた。
距離は近いのに、心はまだ少し遠く感じていた。
それでも、彼女の存在が、彼の中に安心をもたらしていた。

「もっと近くに来て」

ベティーナがそう言うと、グレッグはゆっくりと身を寄せた。
彼女は、何かを伝えるように、彼の手をそっと取った。

「人の身体には、心が宿っているのよ」

彼女の声は穏やかで、どこか教える者の優しさを含んでいた。
グレッグは戸惑いながらも、彼女の言葉に導かれるように、指先を動かした。
それは、触れるというより、確かめるような動きだった。

「そう……そのまま、ゆっくり」

ベティーナの呼吸が少し深くなり、彼女の身体が微かに震えるのを感じた。
グレッグは驚いた。
ただ触れているだけなのに、彼女の反応が、彼の心を揺さぶった。

「女性はね、心と身体が一緒に動くの。だから、優しくしてくれると嬉しいのよ」

その言葉は、彼の胸に静かに染み込んだ。
グレッグは、ただの高揚感ではない、もっと深い何かを感じ始めていた。
それは、誰かを思いやるということ。
触れることの意味を、初めて知った瞬間だった。
ベティーナは、彼の手を包み込むように握りながら、静かに言った。

「あなたは、まだ若い。でも、心がとても繊細で、優しい」
「……そうですか?」
「ええ。だから、私は安心して、こうしていられるの」

その言葉に、グレッグは少しだけ自信を持てた。
誰かにそう言われたのは、初めてだった。
夜が更けるにつれ、二人は言葉を交わしながら、互いの存在を確かめ合った。
それは、心が触れ合う時間だった。
グレッグは、ベティーナの隣で、静かに目を閉じた。
その夜、彼は夢を見なかった。
ただ、穏やかな眠りの中で、誰かと繋がっている感覚だけが残っていた。

つづく
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