25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第3章 過ぎゆく温もり:王の側室となった彼女へ

3-18話 薬酒と運命:王宮の扉

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グレッグが開発した薬酒「S・ソロモンシール酒」は、街の片隅から始まり、瞬く間に国中へと広まった。
滋養強壮に効くその酒は、特に男性の悩みに寄り添うもので、噂が噂を呼び、ついには王宮にまで届いた。

王様のコンスタンチン十二世自身がその効能を体感し、妃との関係を取り戻したことで、グレッグの名は王室御用達として刻まれることとなった。

この酒は、他の製品と違い、グレッグ自身が販売を担った。
理由は明確だった。買いに来るのは悩みを抱えた男性たちであり、繊細な問題を扱う以上、信頼と配慮が必要だった。

王室から特別な販売許可が下りたのも、王自らがその効果を認めたからだった。
ある日、王の使者がグレッグの元を訪れた。
「王が感謝の意を表したい。城へ参上してほしい」
その言葉に、グレッグは迷わずカルラに相談した。
彼女は王宮に入ったことがなく、「私を連れて行って」と微笑んだ。

グレッグは将来的に彼女に求婚するつもりだったため、迷いなく同伴者に選んだ。
城の門をくぐると、厳しい警備が待っていたが、門番たちも薬酒の愛用者だったため、すんなりと通された。
謁見の間では、王から感謝の言葉とともに「王室御用達」の看板が授けられた。

だが、その栄誉の瞬間に、王はカルラを見て言った。
「彼女を側室に迎えたい」
その言葉に、グレッグの胸は締め付けられた。
彼女は自分の人生の一部だった。

だが、時代の力は個人の想いを容易く押し流す。
王の意志は絶対であり、断ることは許されなかった。

帰り道、カルラは静かに泣いていた。
グレッグもまた、もっと早く彼女に求婚していればと悔やんだ。

その夜、二人は言葉少なに過ごした。
沈黙の中に、別れの予感が静かに漂っていた。

つづく
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