25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第3章 過ぎゆく温もり:王の側室となった彼女へ

6-5話 決断:心に灯る静かな誓い

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朝の光が窓辺に差し込む頃、グレッグは目を覚ました。
隣には、穏やかな寝息を立てるミリヤムの姿があった。
彼女の髪が枕に広がり、まるで過去の記憶が静かに横たわっているようだった。
昨夜のぬくもりは、懐かしさと切なさを伴って、グレッグの胸に残っていた。

初恋の人との再会。
それは、心の奥にしまっていた感情を呼び起こし、彼に問いかけていた。

「今の自分は、あの頃の少年のままでいられるのか?」

彼には、守るべき家族がいた。
誠実な妻ダクマー、すくすくと育つ息子、そして共に働く仲間たち。
そのすべてが、彼の人生の土台となっていた。
ミリヤムが目を覚まし、静かにグレッグの手を握った。

「昨日の夜、夢みたいだった。ありがとう」

グレッグは微笑みながら頷いた。

「俺も、君に会えてよかった」

食堂でパンとミルクを注文しながら、今後のことを話し合った。

ミリヤムは少し不安げな表情で言った。

「一緒に住みたいけど……あなたは結婚しているから、無理よね?」

グレッグは静かに答えた。

「そこのところは、時間をかけて考えたい。君との関係も大切にしたいから」
「このまま、できればあなたと結婚したい」

ミリヤムの言葉には、揺るぎない想いが込められていた。

「でも、女優の道はどうするの?」とグレッグが尋ねる。
「今、すごく悩んでるの」と彼女は答えた。
「今辞めるのは、せっかく有名になったのにもったいないと思う。もう少し頑張ってみなよ。俺も応援するから」

グレッグの言葉に、ミリヤムは少し安心したように微笑んだ。
「それで、俺も君と一緒に住む方向で考えてる。部屋を借りるお金はもう貯まってるから」
「どうしてそんなに準備してたの?」

「ベルリンに引っ越してきてから、いろいろあってね。屑屋をやった後に薬の研究開発をして、今は薬局を経営してるんだ」

「すごい……私のことばかり話して、グレッグの話は何も聞いてなかったわね」
「これからの連絡はどうしたらいいかな?」

「事務所に手紙を書いて。住所、教えるね」

ミリヤムは事務所の連絡先を伝え、グレッグは自分の薬局の住所を教えた。
食事を終え、グレッグは家へ帰り、ミリヤムは事務所へと戻っていった。
それぞれの場所へと歩みを進めながら、二人の心には、静かに灯った約束の光が揺れていた。

つづく
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