25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第3章 過ぎゆく温もり:王の側室となった彼女へ

8-10話 観察と余韻:静かな研究者のまなざし

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宿の部屋には、深夜の静けさが漂っていた。
イルザはベッドに横たわり、穏やかな余韻に身を委ねていた。
グレッグは、彼女の表情をそっと見つめながら、心の中で静かに記録を取っていた。

彼が開発した製品は、確かに彼女の感覚に深く届いていた。
その反応は、単なる心地よさではなく、長年閉ざされていた感情の扉が開かれるようなものだった。
「こんなに何度も続けて感じたのは初めてよ」
イルザの言葉には、驚きと感謝が混ざっていた。

グレッグは、彼女の言葉を胸に刻みながら、製品の改良点を思案していた。
素材の柔らかさ、振動の強度、形状のフィット感——
彼の頭の中では、次なる試作の設計図が静かに描かれていた。

「先生、違和感はありませんでしたか?」
「まったく。むしろ、驚くほど自然だったわ」
その答えに、グレッグは小さく頷いた。
彼の研究は、ただの技術ではなく、人の心と身体に寄り添うものになりつつあった。

イルザは、グレッグの胸に顔を寄せながら、静かに言った。
「あなたと出会ってから、私の人生が少しずつ変わってきた気がする」
グレッグは、彼女の髪を撫でながら答えた。
「先生のような方が、僕の研究に協力してくださることが、何よりの励みです」

その夜、二人は静かに寄り添いながら過ごした。
それは、研究者と協力者としての信頼が、深まっていく時間だった。
そしてグレッグは、イルザの穏やかな寝息を聞きながら、次なる製品の構想を心の中で練り続けていた。

それは、情熱と知性が交差する、静かな夜の記録だった。

つづく
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