25年間の闘いー奪われた恋、奪い返す命ー

しらかわからし

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第3章 過ぎゆく温もり:王の側室となった彼女へ

9-6話 二度目の別れ:策略の果てに残るもの

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湖畔の宿での夜は、静かに、そして苦く更けていった。
グレッグは、フィーネとの再会が王の策略によるものだったことを知り、胸の奥に複雑な感情が渦巻いていた。

「王様は、私たちの関係を見たかったの」
フィーネの言葉は、諦めと哀しみに満ちていた。
彼女は、王の命令に従うことでしか、今の立場を守れないという現実を受け入れていた。

「久々にフィーネに逢えたし、それだけでも良かったよ」
グレッグはそう明るく言いながら、彼女の手を握った。
その手は、かつての温もりを確かに宿していた。

「でも王様には伝えられないわ。きっと嫉妬して、私を責めると思う」
その言葉に、グレッグは胸が締めつけられるような思いがした。
彼女がこれ以上傷つくことがないように——
それだけを、彼は心から願っていた。

翌朝、フィーネは静かにグレッグを起こした。
「朝食の準備ができているわ」
食卓には、丁寧に用意された料理が並んでいた。
それは、彼女の最後の優しさのように感じられた。

「身体だけは気をつけて」
グレッグの言葉に、フィーネは涙を浮かべながら頷いた。
「あなたも、どうかお元気で」

食事を終え、グレッグは馬車に乗ってベルリンへと戻った。
その後、フィーネの消息は風の噂でも聞くことはなかった。

王は、かつての恋人を奪い、二度も別れを強いた。
その残酷さに、グレッグは静かに憤りを覚えていた。
「王様は、民の気持ちなどどうでも良いのだろう」
そう思いながら、彼は心の奥に新たな決意を宿していた。

それは、策略に翻弄された者の、静かな反発の始まりだった。

つづく
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