スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。

赤木 咲夜

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導入編

第5話 クランVSギルド

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久々に朝に起きる。いつもは昼に起き出すのだが、昨日は早く寝たので自然と朝に目が覚めた。

起きて一番にするとこ、それは高校の授業動画の垂れ流しだ。

そしてスマホを見る。

RINE 妹
“今日、学校休みだからお母さん一緒に大阪ダンジョンに行きます。ポーションケース二つ持っていくね。本当はお母さんにお兄ちゃんのスキルを言って、ポーションケースを持たせようと思ったけど、お母さんぼーっとしていること多いから、スキルのことは話さず、何か有れば私が直接使うことにしたよん。残り1つのポーションケースは私の部屋の机の下に隠してあるよ。”

俺は既読だけつけて放置した。

スマホのニュースで浮遊都市一般開放というのが流れていた。そういえば昨日から飛行機が行くようになったっけ。

俺は思い出したようにスキルステータスを確認した。

浮遊都市 国

本日の最大人口 13K 人。
ダンジョン部 6K 人
都市部 6K 人
入国せず 1257人
国民 0人
住人登録 2K人
保有ポイント 13KP(+13KP)
所有ゴールドコイン 3M(+3M/月) GC

+ルート管理(自動)
-資源管理(自動)
 +航空燃料販売ON
 +電気200V(契約)
 +飲用水道(契約)
-都市管理(一部自動)
 +破壊不可指定ON
 +臨時政府委任ON
 -流通自動管理ON
  +トレードセンター解放ON
 -個人カード管理ON
  -滞在VISA機能ON
   +税金未納時剥奪
  -住人登録表示ON
  -ゴールドコイン銀行ATMカード機能ON
   +金貨表示
   +継続税金自動引落
   -電子マネーON
    +2者間取引ON
   +鍵機能ON
   +トレードセンターON
   -浮遊都市外使用ON
    +ダンジョン内使用OFF
   +登録外使用OFF
   +ギルド所属ON
   +警察権代行表示(個人)
  +浮遊都市ダンジョン内生命保証制度ON
 -自動運行路面電車ON
  +住人無料ON
 +賃貸物件落札システム(2年更新)ON
 +空港メンテナンス(施設部分のみ)ON
-ダンジョン管理(自動)
 -ダンジョンアイテム自動生成ON
  +レアアイテムボックス出現ON
 +モンスター自動生成ON
 +難易度調整機能ON
+防御と攻撃(無効)

税金設定(委託中)入金先->>>都市管理口座
ダンジョン条約締結外国民 入国税 1人5GC
住民を除く滞在税(2週間) 1人1GC
住民を除く滞在税(2週間自動更新) 1人5.0SC
ダンジョン入場料 1回1人0.5SC
ダンジョン定期 1人2週間5.0SC
ダンジョン定期 1人1年間1GC
ダンジョン定期 1ギルド1年1人5.0SC
半年住民税 1人7GC
1年住民税 1人10GC
3年住民税 1人25GC 審査あり
5年住民税 1人35GC 審査あり
10年住民税 1人50GC 審査あり
ギルド結成登録税 1回10GC(1ヶ月仮登録)
ギルド継続税 0GC~上限無/月 ギルド実践考慮
ギルド法違反 5GC~ギルド全財産 ギルド評価
ギルド加入税 0.1SC ギルド内審査
ギルド加入住民税 1年5GC ギルド内審査
ギルド加入住民税 5年15GC ギルド内審査
公務住民税1年 3GC
住民を除くダンジョン以外収入 20%
個人カード再発行税 1GC ギルド評価
店舗税 全商品消費税5%又は1店舗あたり5GC/月
店舗外販売登録税 1人5GC/初年 継続1人0.5SC/年
店舗外販売税 5% 店舗税・ギルド店舗適用時免除
ギルド店舗税 1店舗5GC
両替税 他通貨両替金額の1% 個人取引対象外
両替税違反摘発 100GC
両替屋以外他通貨使用摘発 10GC 入国前を除く
迷惑条例違反摘発 1GC ギルド評価
アナザーアイテム偽物製作 全財産・再入国禁止
アナザーアイテム偽物販売 100GC・入国禁止検討
ギルド名義での対優遇国輸出入関税 価値の1%
ギルド名義での輸出入関税 価値の5%
個人・会社名義での輸出入関税 物品ごとに設定
個人所有航空機発着税 700GC

空港建設完了(貸100K GC/月)
政府施設(管理タワー)設置(貸200K GC/月)
浮遊都市一部委任(貸700K GC/月)
賃貸物件(合計 貸 5k GC/月)50K人まで対応

メッセージ5件

国ってなんだよ。独立国家か?国民0人なんですけど?
なんか人口がすごい勢いで増えてるんだけど。
あとなんか税金できてるし、すっげ項目多いし。


あとギルドってなに

メッセージを確認すると
北大西洋浮島、南極海浮島、北太平洋浮島、南太平洋浮島、インド洋浮島の管理人からのシャトル便発着許可申請だった。

面倒なので、全部許可した。

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〈浮遊都市〉

『どうぞ、お構いなく。』ってなんだよ。

マグナは判断に困っていた。
行政を維持するのに最低限金貨90万枚を来月までに集めなければならない。

米ドルで9千万ドル、日本円で約90億円
無茶苦茶だ。

なるべく低予算で国運営をしないといけない。

まず最初に思いついたのは徹底的な自動化だ。
人件費をなるべく減らしたい。そこで考えたのが、浮遊都市滞在者全員に個人カードを持たし、個人カードがないと不便すぎる状況を作ることだ。そして税金は全て個人カード経由で徴収するようにした。現金は運ぶのもリスク、数えるのもリスクだ。
また何度も訪れるダンジョン攻略者やダンジョンを探索する定住者はギルド所属したくなる環境構築。

入国審査全て自動入国審査機で行い、個人カードがなければ自動入国審査ができないようにした。
取締り関連はギルドになるべく委任。ギルド特権をつけ、ギルド単位の評価で追加税を取るようにし、抑止力と集客、防犯を同時に達成できるようにした。

ダンジョンからのアナザーアイテム産出はこの都市の目玉商品だ。本当は直接ここから税を取りたいが、そこをわざと優遇国制度を作り、予算補助してくれる国指定した。
ダンジョン条約を結んでない国とのアナザーアイテム取引を禁止した。ダンジョン条約締結国には少額だが予算補助をしてもらっている。ダンジョン条約締結国の航空会社には航空燃料を原価販売している。

これは発着回数を増やす目的もある。空港賃貸費毎月で金貨10万枚、米ドルで1千万ドル 日本円で1億円必要。幸い建設費などはないが、様々な空港運営機材は必要。滑走路本数も多く、ターミナルも世界ランキングに載ってもおかしくないレベル。
なるべく多くの路線を抱えハブ空港化して黒字に持っていきたい。

ダンジョン条約152カ国x100GC/月 =15200GC
優遇国51カ国x1万GC/月 =51万GC
約52万枚の金貨

国の予算の半分を他の国に頼るのに不安が残る

アナザーアイテム資源産出国はアメリカ・中国・ロシア・イギリス・フランス・日本・トルコ・韓国・インド・メキシコ・ブラジル・エジプト・バングラディシュ・パキスタン・アルゼンチン・フィリピン・ナイジェリア・コンゴ・インドネシア・ペルーの20カ国

特に中国はダンジョンが6カ所もあるので最大のアナザーアイテム資源産出国になりそうだ。

だが、地上モンスターが存在するのは7つの海に浮かぶ浮島とこの浮遊都市だけ、さらに空中浮遊系のモンスターは浮遊都市しかいない。

そこは浮遊都市の有利な点だ。

モンスターから取れる魔石の研究が進んでいて、石炭、石油の化石燃料とは異なる新エネルギーになるそうだ。

魔法職スキル持ちが魔力回復のため飲むエリクサ。ポーションと同様に開封すると短時間で消失するので重要視されてなかった。しかもポーションと違いエリクサはよく取れるので価格も安い。魔法スキル持ちがダンジョンでその場で拾って使うのが常だったのが。

東京ダンジョンで偶然モンスターから取れる魔石の上にエリクサをかけてしまった人がいて、エリクサが魔石を溶かす性質があることがわかったのだ。しかも魔石を溶かしたエリクサは消えない。

そしてその魔石を溶かしたエリクサで今まで謎だったダンジョン産物を動かすことがわかったのだ。

東京ダンジョン、ロンドンダンジョンで見つかった魔力発電機。仕組みは一切わからないが、環境を汚染しない新しいエネルギー源として魔石を溶かしたエリクサは注目されている。

----
〈日本 大阪〉
リビングに降りると、コーヒー片手に父がテレビを見ていた。
「父さんおはよう。」
「おはよう、今朝は早いな。」
10時で早いか。いつも12時過ぎないと起きないからだろうが。

俺は父が入れたであろうコーヒーメーカーのコーヒーをカップに注ぎ、冷蔵庫を適当に漁る。

テレビのニュースはダンジョン関連のものばかりだ。
今日一番のニュースは北大西洋の浮島の管理者の70代女性が家族と共にイギリスから亡命して浮島で独立宣言したことだった。

浮島の管理者がイギリス人だからイギリスの領土という主張してたのに独立されるのか。

独立宣言って、何したんだよイギリス。
それでイギリス政府が猛反発。
そうなるよな。

北極海浮島が建国宣言
管理者の存在を明らかにしたが匿名、大統領制。管理者と大統領の2トップ。

浮島の独立宣言はやってるのかな。

こういう管理者関連は明日は我が身と思ったら見逃せない。

浮遊都市、ギルド制度を提案開始。
ああ、例のやつか。なんかよくわからん制度。

浮遊都市の個人カード、全浮島も採用、共通化。
浮遊都市の通貨はダンジョン通貨に正式決定。
北大西洋浮島、北極海浮島でもダンジョン通貨採用。他の浮島でもダンジョン通貨が流通

なんか勝手にできた制度が大きくなってるし。
ダンジョン通貨持ちとしては嬉しいな。けど今は日本円が欲しい。

エリクサ1本50円、国が買取。モンスターから取れる魔石100グラム100円で国が買取。

エリクサって何だよ。魔石って何?ダンジョン用語多いんですけど?

医師会、ポーションを医薬品扱いを求める。

俺はここらへんのニュースからあまり興味がなくなった。

スキル認定制度でスキル転職増える。
スキル認定自体が資格になることも。

スキル格差、全国の労働組合が抗議。

スキルで男女収入格差縮まる。

ダンジョン大臣、ダンジョン省新設
大阪ダンジョン管理スキル、東京ダンジョン管理スキル持ちに呼びかけ。

芸能人俳優グッチー、スキルを使った映画演出。新作映画期待高まる。

銃刀法改正 明日から施行
ダンジョン産の銃火器のうちダンジョンのみしか使えないものは免許制所持登録で使用可能に。
日本刀などの刃物は銃刀法でダンジョン使用不可に。ダンジョン産の刃物は所持登録で使用可能に。

「少し頼みがある。」
急に話しかけてきた父。

「何、父さん。」
「昨日も言ったが、父さんは鍛治スキルを持っているのだが、そのスキルでさくらの刀を鍛えてやりたいんだ。」
あまり仕事以外で積極的でない父が珍しい。

「ニュースでも言ってたスキル格差というやつか、実は部署移動になってしまってな。役職は上がったが来月から給料が減る。母さんは私が稼ぐから大丈夫と言っていたけど、正直仕事以外で家庭に貢献できん。さくらはスキルで刀を使うそうだ。だから父さんは持っている鍛治スキルで刀を作ってやりたい。」
なんか父さんは父さんで悩んでいるようだ。
そんな気にすることではないと思うけど、やっぱり一家の大黒柱でありたいとか思ってるのかな。

「鍛治スキルはいろんな道具が必要なんだが、いまいちそれがわからん。だからスキル認定を受けて、とりあえずレンタルの鍛冶場に行こうと思う。」

「すること決まってるじゃん。俺に頼み事ってなに。」
素直な疑問。

「スキル認定してくれるダンジョン管理センターもレンタル鍛冶屋も、行ったことがない。連れて行って欲しい。」
普通の人なら、は?1人で行けよというところだろう。だが我が父は初めて行くところには行けないのだ。方向音痴で。特にスマホのマップとか持たせると、電車に乗って気がついたら県境を跨いで知らない場所にいることがあったらしい。

母さんとの出会いは方向音痴のおかげらしいが。

我が家のルール、父を1人で初めての場所に行かせない。

「おけ、わかった。だけど俺も行ったことないから時間かかるかもしれないよ。」
「それは大丈夫だ。今日も明日も仕事は休みだ。」

父の感覚では道に迷うとその日は帰れないようだ。

スマホで調べてみると、ダンジョン管理センターは大阪ダンジョン商店街の近くにあるようだ。

商店街にダンジョン入り口があるのだから、当然といえば当然か。レンタル鍛冶屋は神戸三宮、りんくうタウンしかないそうだ。堺にもありそうなもんだが、そっちは本物の刃物や鍛治スキルを手に入れた職人がメインでレンタル鍛冶屋みたいなお気軽なものはない。レンタル鍛冶屋は鍛治スキルかそれに近いスキルの認定がないと利用できないらしい。

「とりあえず、スキル認定しに行こう。商店街近くでできるらしいよ。」

男2人、俺たちは商店街へと向かった。

----

商店街に行くと、客引き天国になっていた。

トンビコートを着ている人や武器持ちの人には群がっている人がおおい。

「スイッチ魔法クラン、メンバー募集中です。条件は魔法職であることだけです。スイッチ剣士クランの姉妹クランです。」
「ナイトオブセブンギルド、メンバー募集中しています。北太平洋浮島所属ギルドです。」
「浮遊都市で本気の探索をしてみませんか。浮遊都市にギルドハウスを持っている本格派ギルドです。戦闘スキル、生産スキル、補助スキルの方も歓迎します。一定条件を満たす方はギルドから飛行機代出します。」

なんというか、ゲームと現実が混ざっている。

「生産系スキルお持ちですか?ご一緒の方はお父様ですか?よかったら最果て鍛冶ギルドにご興味はないですか。」
派手な刀を持ったお姉さんが話しかけてきた。

なんか父さんにぴったりなギルドが来たぞ。
父さんは気になるらしい。

「僕は生産スキルではないのですが、父は生産系スキルですよ。」
お姉さんは俺たちが興味を持ったのがわかったのか、セールスを始める。

「私たちのギルドは採算性を放り投げて最高の武器と防具を作ることだけを目指すギルドです。東京と上海とニューヨークの3拠点持つクランでしたが、昨日に浮遊都市所属でギルド登録が完了し、ギルドとなりました。浮遊都市では超大型の8型Sギルドホームを取得しています。」

なんかわからない単語が多いな。

「鍛治スキルメンバーの99%のため情報共有には自信があります。日数はかかりますが、専属翻訳スキル持ちによる各言語翻訳により共有します。ギルド内情報は正式メンバーだけのネットワークで共有しているので他では手に入らない情報ばかりです。」

なんかすごいな。
スキルができてまだ2週間も経ってないのにこのレベルなのか。どっかの有名ゲームのギルマスとかが作ったのか?。

まさしく正解なのだが、本人は知らない。

「正式なギルド入会は浮遊都市で行っています。現在クラン所属の方を含め順次浮遊都市の正式ギルドメンバー登録をしていまして、ギルドメンバーは約500万人になる見込みです。」

お姉さんは父が真剣に聞いているのをみて、鍛治スキル持ちだと確信しているようだ。
俺を無視して父にプレゼンしている。

「加入規則は半年以内に正式ギルドメンバー登録を行うために、浮遊都市へ行くこと。ギルド内で得られた情報を一切外部に漏らさないこと。新技術発見は必ず報告すること。制作したものは一般流通させないこと。素材を転売しないことです。
新技術発見の精査は本部が行うので既存の技術であったとしても問題ありません。一般流通というのは、友人に売った場合などは除かれますが、譲った友人が転売した場合は罰則があります。要するに信用できる人以外は売ってはいけないということです。買取流通は全てギルドが行います。協賛企業や協力ギルドに優先的に回し、資金調達を容易にするためです。
ギルド特典は主なものは情報共有、ギルド内ショップ購入権利、協賛会社の優待利用、世界中にあるクラン鍛治場の無償レンタル、協力ギルドへの素材依頼です。全て正式ギルドメンバーのみ利用可能ですが、浮遊都市行き航空券購入については仮登録メンバーとクランメンバーは使えます。クラン鍛治場は少し離れますが大阪には5箇所あります。ギルド内ショップはこの商店街のトレードショップでもギルド章を見せれば取引できます。」

俺は念のため浮遊都市の登録ギルドを確認した。全部実際に存在するようだ。
俺が少し怪しんでいるのに気づいたのか、お姉さんは浮遊都市都市の個人カードを出し、ギルド章を表示させる。

「お父さん、もしも鍛治スキルをお持ちで有効にそのスキルを使いたいなら、ギルドに入ってください。私も鍛治スキル持ちですが、鍛治スキルは1人ではよほどの腕でないと何もできないのです。所属ギルドはひとつだけなので脱退するまで他のギルドには入れなくなりますが、自由組織のクランは入れます。この場にギルドメンバー募集している方はたくさんいますが、鍛治スキルを募集しているギルドは一つもありません。他のギルドは武器や防具が欲しいので、鍛治スキル持ちは要らないのです。私たちのギルドは鍛治スキル持ちのメンバーが必要なのです。お父さん良ければどうですか。」

父は最果て鍛治ギルドに登録しました。



レンタル鍛冶屋もスキル認定も忘れ、ギルド仮登録証をもらって帰ってきた俺と父。

家に帰ると父はすぐにどこかに電話しているようだ。

俺は何となく疲れたので部屋に帰った。

----

その日の夜、父に呼ばれて、妹共にリビングに降りた。そして父から一言。

「明日、浮遊都市へ行こうと思う。日帰りの予定だ。母さんは仕事が明日休みなので一緒に行くが、2人はどうする?チケットは既に取っているがキャンセルもできる。」
妹は行くと速攻で返事、俺は妹に手を摘まれて一緒に手を挙げさせられる。どうやら強制参加のようだ。
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