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公安編
第28.5話 3章後書き +ジャックのレストラン スキル解説
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3章公安編これで完結です。
とりあえず最初に皆様にお話ししたいことは...
第三章公安編まで読んで頂きありがとうございます。
そしてたくさんの「いいね」「作品フォロー」「作者フォロー」「評価」こんな初心者執筆者には勿体ないくらい沢山いただきました。
とても嬉しいです。
そしてそんな皆様が読んでくれるこの作品を私は大事にしていきたいです。
後半のスキル解説でもすこしでてきますが、先に18話で出てきた全権代理権と管理権、支配人の違いを先に補足説明させていただきます。
志帆 大阪ダンジョンスキル保持者(保有者・支配人)
これはそのままの意味でスキルを持っている人そのものを指します。
主人公 大阪ダンジョンスキル全権代理
ダンジョンスキルで志帆はトレード能力を使い物を買ったり、お金を稼いでいました。すると、スキルで物が手に入り、ダンジョン通貨が手に入ります。スキルを使って生産したものはすべてスキル所有者の物です。全権代理はそれらのものを取り出すことはできないが、それ以外の管理すべてができる権利です。
トレード能力でとりだすことはできないが、物を売って志帆にお金を稼がせたり、逆に志帆のお金を使って何かを買ったりできます。
ポイントや集めたダンジョン通貨で、ダンジョンを拡張し新しいフロアを作ったりもできます。
このように自分の手元にアイテムやダンジョン通貨が手に入らない事以外は志帆と一緒のことができます。
日本政府 大阪ダンジョン管理権
大阪ダンジョンスキル全権代理との大きな違いは、指定された一部項目だけを触ることができます。今回日本政府がもらった管理権はモンスター関連と浮遊都市との転送の際の持ち込み制限の一部、鉄道の管理権です。それ以外の項目は日本政府は設定を変えることができません。
今回は公安が相手ということで、なかなか難しいところがありました。
現代ファンタジーの良いところは現実世界を中心に書くので現実の事を取り決めるところですが、逆にいうと現実のことを取り込むので、書く時設定が難しくなりがちというところです。
私の文章力がもっと良ければ説明無しで、キャラクターだけで世界観を表現できるのに、それが出来ず何か設定を細々直接書かないといけないのがもどかしいです。
さて、毎回章終了毎に開いている、この後書き会ですが、今回はどのようなことをしようか、少し迷っていました。
如月の情報を公開しても良かったのですが、正直設定のほとんどは作品中で使い切っているので、新たに公開する内容というのがあまり無いので(笑)
今回初登場した如月さん、笠岡さんですが、そこかでまた登場させたいと思っています。今度は味方として。
ここからは
ジャックのレストラン
短編ストーリーです。
ーーーーー
浮遊都市、空港から青色の高速路面電車に乗ること30分。
空港を出て140キロでどこもとまんらなかった高速道路を走る二階建て路面電車がスピードを落とし、浮遊都市のメインストリート、カルタット通りに入っていく。
そのカルタット通りとマリアネット通りの交わる交差点に他の建物と比べて一際大きな建物が立っている。
例えるならイ○ンモールのような敷地面積のビルが空高く伸びている感じだ。
看板には最果て鍛冶屋モールタワー
最果て鍛冶屋関連の商品はもちろん、いろんな店や事務所、ギルドの窓口など多くのテナントが入っているこのタワー。
30階までは各フロアにお店が立ち並んでいるのだが、1階から5階は最果て鍛冶屋のフロアだ。だが、そのフロアの4階の一部だけは別。
エレベータホールからは離れているが、ホールから真っ直ぐ進んだら見えるその場所にジャックのお店、最果てレストランはある。
基本的に浮遊都市は時差なんて世界中を巡っているためランダムで一貫性はなく、ほぼ全てのお店が24時間営業か、浮遊都市補助時間に合わしての営業されている。浮遊都市補助時間は太陽が南中した時に正午になるように毎日変更されるため1日24時間ではない。そのため普段時間といえば浮遊都市では世界標準時を示す。
そして最果てレストランは美味しいと評判で人気が高いが、補助時間にも標準時にも全く合わすことがなく、本当に気分次第で店長がお店を開いていることで有名だ。
俺はそのお店の常連客。元はこの最果てレストランのシェフ、ジャックと一緒にダンジョンに潜っていたジェームズだ。
ドラゴンに食べられて復活したあと、ジャックを死なせてしまって申し訳ないと思いっていたのだが、あいつは同じ最果て鍛冶ギルド傘下の最果てパーティのメンバーに助けられたらしい。
安心したが、ドラゴンに襲われたことを考えると少しもやっとした。大事にしていた包丁を失わなかったのはよかったと思ったが。
俺はその縁もあって、よくこのレストランに通っている。
お店の前にはずらりと客が並んでいる。
俺はお店の前の客待ちリストに名前を書き込んで人数欄に1と書く。
前にあったのだが、このお店に並んでいる状態で中の店員が
「本日はここでシェフがお帰りになるので、オーダーストップになります。」
といい、解散になったことがある。
大人しく帰る客がほとんどだが、たまにいるクレーマーには「ルールですので」と言って話を一切聞かない店員。なんとなく、めんどくさそうな顔をしていた。
こんな普通のお店ではありえないこの対応、それを込みにしてもこのお店が人気の理由。それはとにかく美味しさの割に、安いのだ。
今日は運良く店に入ることができた。
俺はお店に入ると、店員からどこのテーブルに座るか指定するテーブル札をもらう。そして4台並ぶ食券を売っている自販機で食券をかう。値段は大銀貨4枚
これはこのお店のオーナが日本で見つけたシステムで、注文間違いをなくし効率的に客を捌ける機械として、導入したらしい。
俺はテーブル札と食券を店員に渡す。
店員は俺を席まで案内し、食券にテーブル札と同じ番号を書き、半分にちぎって持っていく。
こんな雰囲気ぶち壊しでもやってくる皿は高級なレストランそのものフレンチの皿。
きっとここだけだろうなと思いながら、俺はテーブルに置かれたオードブルを見る。
お寿司のような小さなハムに包まれた料理が3つ。そしてそれがソースで飾り付けられれている。それぞれの包みの中は種類が違うミルフィーユになっている。
流れるように乗せられいるソースは3種類。
3種類のソースで味わる小さなミルフィーユを俺は味わう。
やはり絶品だった。
冷やされているが、野菜の甘味とお肉の塩気がソースと見事にマッチしている。
すぐにお皿のオードブルは消えた。
次に出てきたのは何も具がない透明なコンソメスープ
ただ、普通のコンソメスープではない。普通の飴色のスープではなく、黄色に近い色なのだ。
これはこのレストランでしか味わうことができない、ジャック特製のダンジョン食料で作るスープだ。
このコンソメスープは俺と一緒にダンジョンに潜っていた時にジャックが作ったスープが元になっていて、日々上がっていくスープの味に俺はジャックが何を目指しているのかと思ったくらいのスープだ。ジャックが荷物持ちとして一緒にダンジョンに入った頃だったので、ジャックがシェフだとも知らず、驚いたのが懐かしい。
あの時の飲んでいたスープとは違っているが、その味は確実にあの時以上だ。
まさか、あの時の足手まといジャックがここまでの料理を作るシェフだったなんてな。
次に出てきたのはホアソン、魚料理だ。
この魚は白身魚に近いが、そうではない。白身魚のような淡白な薄さではないのだ。
どこかで食べたことがある。
俺は考える。
そして思い出した。あの時は塩だけで味付けをしていたが、この魚の味は間違いなく、あの落ちた湖で最果てパーティのメンバーに分けてもらった魚だ。
きっと白ワインで煮込まれているのか、少しぶどうの甘い香りがする。
改めて味わうと、舌だけで崩れるが、そのほぐれる身の間にちょっとしたお酢の酸味が付け加えられている。さっぱりとした味付けで、上にかけられた赤くて細い糸唐辛子がちょっとした飾りとアクセントになっている。
添えられている野菜は、ダンジョンにあった野草と同じ種類のものだろう。
ジャックがダンジョンに入ると、本を持ってよく草を確認していたから何をしているのかと思ったけど。
まさかこの野草、ダンジョン内に生えているものをそのまま持ってきたのじゃないよな。
俺は少しだけ不安になったが、美味しかったのでそのまま全部食べた。
次にやってきたのはソルベ
氷菓子だ。
これだけは普通のもの。
レモンのシャーベット。
特に何もいうことなく食べる。
美味しいけどやっぱり普通。
次にやってきたのがメインティッシュのドラゴン肉のワイン煮込みだ。
これが食べたくて俺は今回このコースにした。
多分このお店のメニュで一番美味しいのはこの料理だと思う。
人参と良く煮込まれてたキャベツと層をなしているこの料理。
このワイン煮込み単品でも出しているが、コースにしないと野菜と層の形では出てこない。
ジャックがこの料理は野菜までドラゴン肉の美味しさを染み込ませていると言っていた。
地上のお肉とは比較に無い旨味が野菜にまで広がっているこの料理、やはり最高の一皿だと思う。
このコースにはデザートはない。少し出せはついてくるのだが、デザートなしで料理多めがいいという人が多いかららしい。
ダンジョン探索者はいろんなファンタジー書籍でお金がないというイメージが強いが、実は探索業で暮らしていけている人は多い。そして意外と収入も安定してくればいいのだ。自分のスタイルを見極めることができればだが。
そんなお金を持ったダンジョン探索者が脚繁く通うお店。
リビーターが多い理由はフランス料理だけではなく、中華料理なども出していて、それが全てこのクォリティだからだ。
俺は大満足でお店を出る。
さて、一旦ギルドに戻って相棒と合流しよう。
俺は属性弾と最果て弾を買って最果て鍛冶屋モールタワーをでた。
ーーーーーーー
読んでいただき、ありがとうございます。
1話もない超短編ですが楽しんで頂けたなら幸いです。
ジャックのお店は中途半端がメインみたいな店で、いい皿を出すのに券売機とか、つい食べたくなる駅前蕎麦屋のような感じがギャップが多いお店です。
売り上げもジャックは適当なので、料理以外は適当です。
突然店を閉めるくらいなので当然売り上げなんて全く気にしていないでしょうね笑
4章以降ですが、今まで通りの分量を1回で投稿するか、半分の分量にして2回投稿するか迷っています。
1話あたりの分量が多いので、すこし読みにくいかなというのが主な理由です。
長い分だと、読み応えがあっていいと思っていたのですが、考え所です。
さて、ここからはスキル解説です。
ダンジョンスキル
志帆が持っていたこのスキル。
このスキルもチートですが、忙しいスキルでもあります。
浮島スキルにはセミオートモード、浮遊都市スキルのはオートモードがありますが、ダンジョンスキルにはその管理を助けるものがありません。
ダンジョン内でのモンスターの出現数、モンスターの平均レベルとその誤差、偏差の開きなど、たった一つの通路だけでも設定することは盛り沢山。そして機能を追加するのも一つ一つ設定しないといけないので、それも一苦労です。
もしも設定ミスしたり、調整を怠るとモンスターが溢れてしまうのはもちろん、探索者が倒せないモンスターができたりします。モンスターの数と平均レベル、強さに応じて自動的に割り振られるモンスター素材。バランスが悪ければそのフロアは人気がなくなり、お荷物フロアになります。
ダンジョンスキルポイントは週間ダンジョン来場人数×平均実力レベル(実際のスキルレベルではなく、その人がどれくらい強いのかを数値的に表したもの 隠れステータスの1種)で加算されるので、ダンジョンスキル持ちは人集めと来場者育てに必死になります。
そして集めたスキルポイントでダンジョンを拡張し、何かを売って集めたダンジョン通貨とスキルポイントを併用して新しい設備を作ります。
志帆が大量のお金を欲しがったのはこの設備を作るためです。
鉄道を通すと、より利便性が上がり、ダンジョン内の各フロアの混雑が解消さててレベルを上げやすい環境になり、戦うフロアが増えることで順番待ちが減るのです。
ただ、要素が増えるたびに調整する項目が増えるので、きっとこれを手動でするとなると地獄を見るでしょう。
それを補うのが、管理者委託機能。信頼できる人に管理の一部を任せることができる機能で、志帆はあまり使っていませんでしたが、他のダンジョンでは積極的に使っている人もいます。
もちろん全権を渡せば全て任せることも可能。
志帆はこの機能を利用して、面倒なダンジョン管理を全て松ちゃんに投げました。
これで志帆は松ちゃんのように、したい事をだけして、残り面倒な事は全部オートモードです。
楽ちん
支配人スキルには同盟機能があります。同盟と言っていますが、支配人スキルのお友達機能みたいなものです。
同盟関係になると、メッセージを送れたり、設定の共有ができたりします。
この機能を利用して大阪ダンジョンと同盟関係の東京ダンジョンは浮遊都市との転移を可能にしました。
そして東京ダンジョンが使っている設定は東京ダンジョン支配人が許可すれば同盟関係のロサンゼルスダンジョン支配人も使えるという感じに良いものは広がっていきます。
ロサンゼルスダンジョン支配人とニューヨークダンジョン支配人は割とネット発信を積極的にしているので、このどちらかに伝わると一気に他のダンジョンに伝わりやすいです
同盟関係ですが、ダンジョンはダンジョン同士、浮島は浮島同士で同盟関係を組むのがベスト。
ダンジョンと浮島は規模が違うので、ダンジョン側だけが片利益な同盟になります。
浮遊都市に至ってはメッセージが使える事以外に利益なし。
メッセージがうるさいと思う松ちゃんに対して、非推奨になるもの当然ですね。
今回のスキル解説回はいろいろ盛り込んだてんこ盛り回になりました。
実は字数稼ぎでもあります笑
次回からは新しい章になります。
夏休みという事で、水着回をどこかで作ろうと思っています。
男ども、楽しみにしとけ!!
(笑)になる可能性もあるかも知れません...
というわけで、次章もお楽しみに!!
(今から頑張って書きます)
とりあえず最初に皆様にお話ししたいことは...
第三章公安編まで読んで頂きありがとうございます。
そしてたくさんの「いいね」「作品フォロー」「作者フォロー」「評価」こんな初心者執筆者には勿体ないくらい沢山いただきました。
とても嬉しいです。
そしてそんな皆様が読んでくれるこの作品を私は大事にしていきたいです。
後半のスキル解説でもすこしでてきますが、先に18話で出てきた全権代理権と管理権、支配人の違いを先に補足説明させていただきます。
志帆 大阪ダンジョンスキル保持者(保有者・支配人)
これはそのままの意味でスキルを持っている人そのものを指します。
主人公 大阪ダンジョンスキル全権代理
ダンジョンスキルで志帆はトレード能力を使い物を買ったり、お金を稼いでいました。すると、スキルで物が手に入り、ダンジョン通貨が手に入ります。スキルを使って生産したものはすべてスキル所有者の物です。全権代理はそれらのものを取り出すことはできないが、それ以外の管理すべてができる権利です。
トレード能力でとりだすことはできないが、物を売って志帆にお金を稼がせたり、逆に志帆のお金を使って何かを買ったりできます。
ポイントや集めたダンジョン通貨で、ダンジョンを拡張し新しいフロアを作ったりもできます。
このように自分の手元にアイテムやダンジョン通貨が手に入らない事以外は志帆と一緒のことができます。
日本政府 大阪ダンジョン管理権
大阪ダンジョンスキル全権代理との大きな違いは、指定された一部項目だけを触ることができます。今回日本政府がもらった管理権はモンスター関連と浮遊都市との転送の際の持ち込み制限の一部、鉄道の管理権です。それ以外の項目は日本政府は設定を変えることができません。
今回は公安が相手ということで、なかなか難しいところがありました。
現代ファンタジーの良いところは現実世界を中心に書くので現実の事を取り決めるところですが、逆にいうと現実のことを取り込むので、書く時設定が難しくなりがちというところです。
私の文章力がもっと良ければ説明無しで、キャラクターだけで世界観を表現できるのに、それが出来ず何か設定を細々直接書かないといけないのがもどかしいです。
さて、毎回章終了毎に開いている、この後書き会ですが、今回はどのようなことをしようか、少し迷っていました。
如月の情報を公開しても良かったのですが、正直設定のほとんどは作品中で使い切っているので、新たに公開する内容というのがあまり無いので(笑)
今回初登場した如月さん、笠岡さんですが、そこかでまた登場させたいと思っています。今度は味方として。
ここからは
ジャックのレストラン
短編ストーリーです。
ーーーーー
浮遊都市、空港から青色の高速路面電車に乗ること30分。
空港を出て140キロでどこもとまんらなかった高速道路を走る二階建て路面電車がスピードを落とし、浮遊都市のメインストリート、カルタット通りに入っていく。
そのカルタット通りとマリアネット通りの交わる交差点に他の建物と比べて一際大きな建物が立っている。
例えるならイ○ンモールのような敷地面積のビルが空高く伸びている感じだ。
看板には最果て鍛冶屋モールタワー
最果て鍛冶屋関連の商品はもちろん、いろんな店や事務所、ギルドの窓口など多くのテナントが入っているこのタワー。
30階までは各フロアにお店が立ち並んでいるのだが、1階から5階は最果て鍛冶屋のフロアだ。だが、そのフロアの4階の一部だけは別。
エレベータホールからは離れているが、ホールから真っ直ぐ進んだら見えるその場所にジャックのお店、最果てレストランはある。
基本的に浮遊都市は時差なんて世界中を巡っているためランダムで一貫性はなく、ほぼ全てのお店が24時間営業か、浮遊都市補助時間に合わしての営業されている。浮遊都市補助時間は太陽が南中した時に正午になるように毎日変更されるため1日24時間ではない。そのため普段時間といえば浮遊都市では世界標準時を示す。
そして最果てレストランは美味しいと評判で人気が高いが、補助時間にも標準時にも全く合わすことがなく、本当に気分次第で店長がお店を開いていることで有名だ。
俺はそのお店の常連客。元はこの最果てレストランのシェフ、ジャックと一緒にダンジョンに潜っていたジェームズだ。
ドラゴンに食べられて復活したあと、ジャックを死なせてしまって申し訳ないと思いっていたのだが、あいつは同じ最果て鍛冶ギルド傘下の最果てパーティのメンバーに助けられたらしい。
安心したが、ドラゴンに襲われたことを考えると少しもやっとした。大事にしていた包丁を失わなかったのはよかったと思ったが。
俺はその縁もあって、よくこのレストランに通っている。
お店の前にはずらりと客が並んでいる。
俺はお店の前の客待ちリストに名前を書き込んで人数欄に1と書く。
前にあったのだが、このお店に並んでいる状態で中の店員が
「本日はここでシェフがお帰りになるので、オーダーストップになります。」
といい、解散になったことがある。
大人しく帰る客がほとんどだが、たまにいるクレーマーには「ルールですので」と言って話を一切聞かない店員。なんとなく、めんどくさそうな顔をしていた。
こんな普通のお店ではありえないこの対応、それを込みにしてもこのお店が人気の理由。それはとにかく美味しさの割に、安いのだ。
今日は運良く店に入ることができた。
俺はお店に入ると、店員からどこのテーブルに座るか指定するテーブル札をもらう。そして4台並ぶ食券を売っている自販機で食券をかう。値段は大銀貨4枚
これはこのお店のオーナが日本で見つけたシステムで、注文間違いをなくし効率的に客を捌ける機械として、導入したらしい。
俺はテーブル札と食券を店員に渡す。
店員は俺を席まで案内し、食券にテーブル札と同じ番号を書き、半分にちぎって持っていく。
こんな雰囲気ぶち壊しでもやってくる皿は高級なレストランそのものフレンチの皿。
きっとここだけだろうなと思いながら、俺はテーブルに置かれたオードブルを見る。
お寿司のような小さなハムに包まれた料理が3つ。そしてそれがソースで飾り付けられれている。それぞれの包みの中は種類が違うミルフィーユになっている。
流れるように乗せられいるソースは3種類。
3種類のソースで味わる小さなミルフィーユを俺は味わう。
やはり絶品だった。
冷やされているが、野菜の甘味とお肉の塩気がソースと見事にマッチしている。
すぐにお皿のオードブルは消えた。
次に出てきたのは何も具がない透明なコンソメスープ
ただ、普通のコンソメスープではない。普通の飴色のスープではなく、黄色に近い色なのだ。
これはこのレストランでしか味わうことができない、ジャック特製のダンジョン食料で作るスープだ。
このコンソメスープは俺と一緒にダンジョンに潜っていた時にジャックが作ったスープが元になっていて、日々上がっていくスープの味に俺はジャックが何を目指しているのかと思ったくらいのスープだ。ジャックが荷物持ちとして一緒にダンジョンに入った頃だったので、ジャックがシェフだとも知らず、驚いたのが懐かしい。
あの時の飲んでいたスープとは違っているが、その味は確実にあの時以上だ。
まさか、あの時の足手まといジャックがここまでの料理を作るシェフだったなんてな。
次に出てきたのはホアソン、魚料理だ。
この魚は白身魚に近いが、そうではない。白身魚のような淡白な薄さではないのだ。
どこかで食べたことがある。
俺は考える。
そして思い出した。あの時は塩だけで味付けをしていたが、この魚の味は間違いなく、あの落ちた湖で最果てパーティのメンバーに分けてもらった魚だ。
きっと白ワインで煮込まれているのか、少しぶどうの甘い香りがする。
改めて味わうと、舌だけで崩れるが、そのほぐれる身の間にちょっとしたお酢の酸味が付け加えられている。さっぱりとした味付けで、上にかけられた赤くて細い糸唐辛子がちょっとした飾りとアクセントになっている。
添えられている野菜は、ダンジョンにあった野草と同じ種類のものだろう。
ジャックがダンジョンに入ると、本を持ってよく草を確認していたから何をしているのかと思ったけど。
まさかこの野草、ダンジョン内に生えているものをそのまま持ってきたのじゃないよな。
俺は少しだけ不安になったが、美味しかったのでそのまま全部食べた。
次にやってきたのはソルベ
氷菓子だ。
これだけは普通のもの。
レモンのシャーベット。
特に何もいうことなく食べる。
美味しいけどやっぱり普通。
次にやってきたのがメインティッシュのドラゴン肉のワイン煮込みだ。
これが食べたくて俺は今回このコースにした。
多分このお店のメニュで一番美味しいのはこの料理だと思う。
人参と良く煮込まれてたキャベツと層をなしているこの料理。
このワイン煮込み単品でも出しているが、コースにしないと野菜と層の形では出てこない。
ジャックがこの料理は野菜までドラゴン肉の美味しさを染み込ませていると言っていた。
地上のお肉とは比較に無い旨味が野菜にまで広がっているこの料理、やはり最高の一皿だと思う。
このコースにはデザートはない。少し出せはついてくるのだが、デザートなしで料理多めがいいという人が多いかららしい。
ダンジョン探索者はいろんなファンタジー書籍でお金がないというイメージが強いが、実は探索業で暮らしていけている人は多い。そして意外と収入も安定してくればいいのだ。自分のスタイルを見極めることができればだが。
そんなお金を持ったダンジョン探索者が脚繁く通うお店。
リビーターが多い理由はフランス料理だけではなく、中華料理なども出していて、それが全てこのクォリティだからだ。
俺は大満足でお店を出る。
さて、一旦ギルドに戻って相棒と合流しよう。
俺は属性弾と最果て弾を買って最果て鍛冶屋モールタワーをでた。
ーーーーーーー
読んでいただき、ありがとうございます。
1話もない超短編ですが楽しんで頂けたなら幸いです。
ジャックのお店は中途半端がメインみたいな店で、いい皿を出すのに券売機とか、つい食べたくなる駅前蕎麦屋のような感じがギャップが多いお店です。
売り上げもジャックは適当なので、料理以外は適当です。
突然店を閉めるくらいなので当然売り上げなんて全く気にしていないでしょうね笑
4章以降ですが、今まで通りの分量を1回で投稿するか、半分の分量にして2回投稿するか迷っています。
1話あたりの分量が多いので、すこし読みにくいかなというのが主な理由です。
長い分だと、読み応えがあっていいと思っていたのですが、考え所です。
さて、ここからはスキル解説です。
ダンジョンスキル
志帆が持っていたこのスキル。
このスキルもチートですが、忙しいスキルでもあります。
浮島スキルにはセミオートモード、浮遊都市スキルのはオートモードがありますが、ダンジョンスキルにはその管理を助けるものがありません。
ダンジョン内でのモンスターの出現数、モンスターの平均レベルとその誤差、偏差の開きなど、たった一つの通路だけでも設定することは盛り沢山。そして機能を追加するのも一つ一つ設定しないといけないので、それも一苦労です。
もしも設定ミスしたり、調整を怠るとモンスターが溢れてしまうのはもちろん、探索者が倒せないモンスターができたりします。モンスターの数と平均レベル、強さに応じて自動的に割り振られるモンスター素材。バランスが悪ければそのフロアは人気がなくなり、お荷物フロアになります。
ダンジョンスキルポイントは週間ダンジョン来場人数×平均実力レベル(実際のスキルレベルではなく、その人がどれくらい強いのかを数値的に表したもの 隠れステータスの1種)で加算されるので、ダンジョンスキル持ちは人集めと来場者育てに必死になります。
そして集めたスキルポイントでダンジョンを拡張し、何かを売って集めたダンジョン通貨とスキルポイントを併用して新しい設備を作ります。
志帆が大量のお金を欲しがったのはこの設備を作るためです。
鉄道を通すと、より利便性が上がり、ダンジョン内の各フロアの混雑が解消さててレベルを上げやすい環境になり、戦うフロアが増えることで順番待ちが減るのです。
ただ、要素が増えるたびに調整する項目が増えるので、きっとこれを手動でするとなると地獄を見るでしょう。
それを補うのが、管理者委託機能。信頼できる人に管理の一部を任せることができる機能で、志帆はあまり使っていませんでしたが、他のダンジョンでは積極的に使っている人もいます。
もちろん全権を渡せば全て任せることも可能。
志帆はこの機能を利用して、面倒なダンジョン管理を全て松ちゃんに投げました。
これで志帆は松ちゃんのように、したい事をだけして、残り面倒な事は全部オートモードです。
楽ちん
支配人スキルには同盟機能があります。同盟と言っていますが、支配人スキルのお友達機能みたいなものです。
同盟関係になると、メッセージを送れたり、設定の共有ができたりします。
この機能を利用して大阪ダンジョンと同盟関係の東京ダンジョンは浮遊都市との転移を可能にしました。
そして東京ダンジョンが使っている設定は東京ダンジョン支配人が許可すれば同盟関係のロサンゼルスダンジョン支配人も使えるという感じに良いものは広がっていきます。
ロサンゼルスダンジョン支配人とニューヨークダンジョン支配人は割とネット発信を積極的にしているので、このどちらかに伝わると一気に他のダンジョンに伝わりやすいです
同盟関係ですが、ダンジョンはダンジョン同士、浮島は浮島同士で同盟関係を組むのがベスト。
ダンジョンと浮島は規模が違うので、ダンジョン側だけが片利益な同盟になります。
浮遊都市に至ってはメッセージが使える事以外に利益なし。
メッセージがうるさいと思う松ちゃんに対して、非推奨になるもの当然ですね。
今回のスキル解説回はいろいろ盛り込んだてんこ盛り回になりました。
実は字数稼ぎでもあります笑
次回からは新しい章になります。
夏休みという事で、水着回をどこかで作ろうと思っています。
男ども、楽しみにしとけ!!
(笑)になる可能性もあるかも知れません...
というわけで、次章もお楽しみに!!
(今から頑張って書きます)
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黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
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